教員による相次ぐ盗撮事件を受け、名古屋市教育委員会は隠しカメラを探知するための機器を導入した。来年3月までにすべての市立学校と園を対象に、抜き打ちの点検を行う。
【写真】ファイルの間に隠された小型カメラを映し出すサーモグラフィーカメラ=2025年12月10日午後4時18分、名古屋市中区、吉村美耶撮影 市教委が導入したのは、盗撮機器のバッテリーが発する熱を可視化する産業用サーモグラフィーカメラ。約248万円かけて55台を購入した。
10日、市立前津中学校で保護者も参加して、サーモグラフィーカメラの実演が行われた。スマホや小型カメラをあらかじめ隠したファイルボックスやロッカーをカメラでかざすと、その部分が画面に赤く映し出された。
参加した同校PTA副会長の小坂井奈央子さんは「目視だけだと限りがあると思うので、パッとみて分かるのはやりやすいし、ありがたい」と話した。
市教委によると、実際の点検は、教室やトイレ、更衣室などを中心に、職員や保護者への事前告知なしで管理職が行う。現時点で盗撮機器は見つかっていないという。4月以降も点検は継続するが、出てきた課題を踏まえ運用方針を検討するという。（吉村美耶）
朝日新聞 - 2025/12/17 11:00