女子児童の盗撮画像を、名古屋市立小教員の森山勇二容疑者(42)らが交流サイト(SNS)で共有していたとされる事件で、森山容疑者が勤務していた小学校では27日、着替えの伴う体育の授業を中止するなど波紋が広がっている。
【図解】盗撮事件の構図 市教育委員会はこの日、全児童約400人に対し、スクールカウンセラーによる面談を実施していくと発表した。1学期中には完了したいとしている。
「子どもを安心して通わせられない」「校内に隠しカメラがあるのではないか」。26日夜の保護者説明会では、保護者からの不安の声が相次いだ。
体育の授業の際、着替えをする更衣室付近で子どもが森山容疑者と出くわした、という声が複数の保護者から上がった。こうした子どもたちは、事件を知って疑念や不信感にかられている様子が見られるといい、同校は体育の授業を27日は中止することにした。来週以降は未定という。
また、保護者から「隠しカメラがないか、しっかり調査して」など安心して学べる環境を求める声が相次いだという。
説明会終了後、同校の校長は、森山容疑者の逮捕について「あってはならない行為」と断じた。その上で「保護者から子どもたちを安心して学校に通わせるためにどうするのか、という声をたくさんいただいた。しっかり考えていきたい」と話した。
説明会は非公開で、約270人が参加。午後6時から3時間半にわたって行われた。
森山容疑者は女子児童の盗撮画像を交流サイトのグループチャットで共有したとして、愛知県警に性的姿態撮影処罰法違反容疑で逮捕された。
◇市教委「校内を改めて捜索」 27日、記者会見した市教委の中川朝晶・人事部長は冒頭「職員がこのような事案を起こして多大なご迷惑ご心配をかけ心よりおわび申し上げます」と陳謝した。
同校は森山容疑者の逮捕を受け、校内に仕掛けられたカメラがないか独自に捜索を行ったが、見つからなかったという。ただ、保護者説明会では「プロや業者などに依頼して隅々まで調査してもらわないと子どもが安心して学校生活を送れない」といった不安の声が相次いだことから、市教委の石川英樹・教職員課長は「具体的な方法はこれから検討するが、保護者や児童の不安を払拭(ふっしょく)する方法で改めて捜索を実施したい」としている。
市教委は2015年度に出した「外部記録媒体の利用について」とする通知で、校内での私用USBメモリ等の使用を禁止している。この通知について、石川課長は「スマホが使用禁止に含まれているとイメージしにくい」として見直す考えも明らかにした。【式守克史】
毎日新聞 - 2025/06/28 06:30