鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)は24日、警察の内部文書をライターに漏えいしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反で起訴された鹿児島県警の元生活安全部長・本田尚志被告(62)の弁護側が開示を求めていた、県警枕崎署元巡査部長(依願退職)による盗撮事件の証拠の一部を開示するよう検察側に命じる決定を出した。本田被告の弁護人への取材でわかった。
【表】本田被告と県警の不祥事を巡る主な経緯
開示を命じたのは、元巡査部長の盗撮事件に対し、県警が行った捜査の経過を示す36点の証拠。複数の関係者によると、弁護側は本田被告の動機に関する重要な証拠だとして開示を求めており、検察側は起訴事実に含まれていないとして争っていた。
盗撮事件の判決によると、元巡査部長は2023年3~12月、同県枕崎市の女子トイレなどで、計23回にわたって複数の女性を携帯電話で盗撮した。
盗撮事件の捜査を巡っては、元巡査部長の関与が疑われたが、23年12月、野川明輝本部長(当時)が防犯カメラに映っていた同署の公用車のナンバーなどが不明で容疑者とする証拠が乏しいとして、本部長指揮とせず、同署で引き続き捜査するよう指示。しかし、指示がうまく伝わらず、2日間にわたって捜査が中断した経緯がある。同署で異論が出て、捜査を再開し、元巡査部長は24年5月に逮捕された。
本田被告は、同年6月に行われた勾留理由開示手続きで、野川前本部長が「泳がせよう」などと発言したとして、「県警職員が行った犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」と訴えた。野川前本部長はその後の記者会見で、本田被告が指揮伺いに来たという事実はないとして隠蔽を否定している。
本田被告は同月、県警を退職直後の同年3月に札幌市のライターに県警霧島署員によるストーカー事案の処理結果を印字した書面を郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反で起訴された。送られた文書では元巡査部長の盗撮事件についての記載もあったが、起訴事実には含まれていない。
読売新聞オンライン - 2026/03/25 13:16