安心な場所であるはずの学校で卑劣な犯罪が相次いでいる。教員による子どもの盗撮が後を絶たず、画像をグループ内で共有していた事件も発覚。被害を防ぐために、何が必要なのか―。(社会部 栁原潤) 【動画を見る】【なるほどッ!】学校での盗撮被害 どう防ぐ?
「児童や保護者のみなさまの信頼を裏切った行為です。深くお詫び申し上げます」 2025年に発覚した、名古屋市の教員らによる盗撮・画像共有事件。逮捕された教員の1人が勤務する神奈川県内の中学校では、保護者への説明会が行われた。
「これまで全職員と保護者のみなさま、お子さまと共に一生懸命作り上げてきた安心・安全な学び舎を本件が瓦解させた。これについては本当に慚愧に堪えない思いです」 記者が関係者から入手した音声データには、保護者からの怒りと不安の声に、学校関係者が謝罪を繰り返す様子が記録されていた。
教育現場を揺るがした現役教員による盗撮事件―。教員だった男らは、秘匿性の高い通信アプリを使ってSNSのグループを開設。そこに盗撮した児童の画像などを共有していた。
愛知県警によると、グループのメンバーは7人。当時、全員が現役の教員で、勤務地も北海道、東京、神奈川、愛知、岡山と全国に点在。被害に遭った児童はのべ65人以上にのぼるとみられる。7人は今後、法廷でその罪が問われることになる。
第三者の目が入りにくい学校という現場は、盗撮をする者にとっては格好の「死角」だ。
2025年12月19日、宇都宮地裁で元教員の男に対する判決が言い渡された。
2025年8月、当時勤務していた県立高校の女子更衣室などに小型カメラを設置し、着替え中の女性などのべ29人を盗撮した罪に問われた。警察などによると、この学校からは20台以上の小型カメラが見つかったという。
宇都宮地裁は判決で、「学校内の設備の場所などを把握できる立場に乗じ、巧妙に複数の小型カメラを設置していて態様は悪質」「被告の意思決定に対し厳しい非難が向けられるべき」などと指摘。
その上で「懲戒免職となるなどし社会的制裁を受けている」などとして、拘禁刑1年6か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
傍聴席の視線を浴びながら、被告は静かに判決に聞き入っていた。
日テレNEWS NNN – 2025/12/27 17:00