教育に関わる場所で子供の性被害を防止する措置として、イギリスやドイツ、フランスなどで導入されているDBS、前歴開示及び前歴者就業制限機構と同じ仕組みを導入するため、2026年12月に「こども性暴力防止法」が施行予定だ。具体的な運用指針をとりまとめるための検討会が続くなか、現役の小学校教員らによる衝撃的な性犯罪事件が起きた。こういった犯罪が重ねられるたび、現実の学校での教師と生徒の関係性が崩れはじめている様子を、ライターの宮添優氏がレポートする。
【写真】児童盗撮で逮捕された教師2人の顔写真
* * * また、教員による生徒を狙った組織的、かつ悪質すぎるわいせつ事件が白日の下にさらされた。
名古屋市や横浜市の公立小学校教員らが、盗撮した女子児童の画像などをSNS上で共有していたとして、愛知県警に逮捕された。秘匿性が高いSNSグループへの参加メンバーは約10人で、いずれも小中学校の教員とみられている。彼らは、そこで共有された写真などを見て「いいですね」「うらやましい」などと品評し合っていたというから開いた口が塞がらない。また、共有写真には、逮捕された教員が勤務する学校内で盗撮されたものも含まれているという。生徒を守るはずの教員自らが、生徒を盗撮するだけでなく、写真や動画を性的に消費するために赤の他人にばら撒いたり、児童の給食に体液を混入させたりするという、耳を疑うような犯行に及んでいたとも報じられている。
およそ10年前にも、塾講師などの教育関係者数人の男らが、やはり幼い子供たちに性加害を加えたり、盗撮したなどとして逮捕されている。この時も、被告の男らはSNSで同好の知人と知り合い、SNSを使って盗撮した写真や映像を共有しており「こんなにひどい事件は二度と起きないだろう」と言われていた。ところが、学習塾講師による教え子への盗撮や強制わいせつ事件はその後も頻発し、やはりSNSなどで盗撮した写真などを第三者に共有していた。そこにとどめを刺すように明るみに出たのが、教員たちによる、教育という仕事を邪悪な目的に流用するグループの存在だ。
こういった事件の積み重ねの影響なのか、いま学校で教員が「師」として存在するのが難しくなっているという。
NEWSポストセブン - 2025/07/06 16:15