「間違いありません。大変申し訳ありませんでした」 10月2日午前10時。白いポロシャツに黒のズボン、白いマスクをつけ、手錠をかけられた小瀬村史也被告(37)が法廷に入った。この日の裁判では、21席の傍聴席に100人超の希望者が訪れるなど、関心の高さがうかがえる。
【写真あり】津田塾大学でハーフパンツに体液を…“女性の園”で起こした元職員の「戦慄の素顔」 小瀬村被告の前髪は伸びており、ところどころに白髪が目立つ。証言台に立つ姿は終始、下を向いており、手を前に組んでいた。
この日の裁判はわずか15分。その15分の間に生徒から「こせむー」の愛称で親しまれていた化けの皮が剝がれた。
起訴状によると、小瀬村被告は今年1〜2月に神奈川県内の施設で、タブレット端末を使って女子児童のショーツを盗撮し、動画をSNSのグループチャットに共有したとされている。
また、同様の盗撮行為を昨年6月、7月にも行っているほか、女子児童の陰部を露出させて動画撮影したり、小瀬村被告が女子児童のショーツ内に指を入れたり、女子児童の陰部を触るなどしている。
ほかにも、昨年10月に小瀬村被告は神奈川県内の施設で、別の女子児童のお尻に自らの陰部をおしつけるほか、去年4月にはいずれも当時8歳の女子児童6人の着替えの様子を盗撮し、動画を保存したとされている。
小瀬村被告は起訴状の内容を認めている。全国紙社会部記者は、 「小瀬村はグループの中で、一番悪質とみられています」 と指摘するように、10月6日には神奈川県内の施設で昨年から今年にかけて、女子児童3人のリコーダーなどに体液をつけたとして、愛知県熱田署捜査本部は器物損壊と不同意わいせつの疑いで小瀬村被告を再逮捕している。
小瀬村被告は、容疑を認め 「他の(チャットの)メンバーが楽器に体液をつける動画を投稿しており、それを見た自分も同じことをやりたいと思った」 と供述している。
これまでの警察の調べで、小瀬村被告が参加していたチャットグループは、同時期に逮捕された名古屋市立小学校主幹教諭の森山勇二被告(42)=同法違反罪などで起訴=が開設したことが明らかになっている。
この日の初公判では、リーダー格の森山被告と小瀬村被告の出会いが明らかになった。
◆同じ性的嗜好を持つ教員を招待 冒頭陳述では、チャットグループができるまでの流れとして、森山被告が約10年前から女子児童のパンツ姿を盗撮するようになったとされている。その後、SNS上で同じ性的嗜好を持つ教員を名乗る人物らとメッセージアプリで連絡を取り合うようになった。そのなかに小瀬村被告もいたとされている。
前出の社会部記者が解説する。
「森山被告は参加人数などを懸念して、情報が漏れるのを恐れたそうです。そのためか、昨年8月に匿名性の高いアプリを利用し始め、参加者の中で信頼できるとされた一部のメンバーを招待したとされています。小瀬村被告も森山被告に信頼できると認められ、新しいグループに参加したそうです」 このグループには8〜10人の参加者がおり、全員が自ら自主的に盗撮したり、それをアップロードするなどしていた。ただ、今年3月にグループのメンバーの一人で、名古屋市立小学校元教諭の水藤翔太(34)が、当時15歳の少女のリュックサックに体液をつけたとして器物損壊の疑いで逮捕されたことから、このグループの存在が明るみに出た。
在名のテレビ局関係者は、その裏側を明かす。
「愛知県警だけで終わる話だったのですが、悪質性も非常に高いことから、次々と逮捕を行っていきました。教員が逮捕されるにつれて、文部科学省大臣も言及し始め、国レベルの大ごととなった。愛知県警に警察庁から連絡が入り、『なんとしてでも全員逮捕するように』と圧力がかかったのです。7月22日には生活安全部長をトップとする捜査本部を熱田警察署に設置。74人体制と大掛かりな人数配置でした」 ところが、森山被告が採用したチャットアプリは、ドイツ軍やアメリカ国防総省で使われたことがあるというほど、匿名性の高いものだった。
「そのためか、チャット解析には時間がかかるので、SNSでの隠語検索をし、人海戦術で次々と逮捕をしていったと聞いています。6月下旬の逮捕から約1ヵ月半後の9月上旬に、神奈川県葉山町の中学教員を逮捕。9月中旬にも北海道の中学教員を逮捕しました。残りは3〜5人。いまでもまだ逮捕されていない教員を愛知県警は血眼で探し回っています」(同・テレビ局関係者) チャットのリーダー格だった森山被告の初公判は今月末に予定されている。卑劣な犯行を行っていた先生たちの“逃げ得”だけは、絶対に許してはならない――。
FRIDAY - 2025/10/16 11:00