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盗撮速報

盗撮加害者、大卒や会社員多く、10年以上繰り返す人も~受診した約1000人の分析

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複数の教員が逮捕されるなど盗撮事件が相次ぐ現在。盗撮問題で受診した1000人以上を分析すると大卒、会社員や既婚者も多く、10年以上盗撮を繰り返した人が3割近くいることがわかりました。

【画像】SOSを社会がずっと見過ごしてきた…加害者・被害者・傍観者をなくすには?【こども・若者の性被害をなくそう】      ◇ 埼玉県にある西川口榎本クリニックの副院長で、ソーシャルワーカー斉藤章佳さんは痴漢や盗撮 子どもへの性加害など問題行動をする人は依存症だとして、加害者約3500人の治療を行ってきました。

斉藤さんは12月17日の講演で「盗撮の加害者について“モンスター”“変態教員”などといったイメージが肥大化しているが、本当にそうだろうか」と述べ、誤った認識が加害者の存在をぼやかし、隠してしまうと警鐘をならしました。

性加害者は交番の前では犯行に及ばないなど、捕まらないように判断していて、性欲がコントロールできない“モンスター”ではないと述べ、10代の若者や高学歴の会社員が盗撮をしている実態を解説しました。

盗撮の問題でこれまでに榎本クリニックを受診した1031人を斉藤さんが分析したところ、大学・大学院卒が72%、大学・専門学校に在学中が7%でした。職業は会社員が55%、盗撮事件後に失職したなど無職が14%、学生が10%。結婚歴がある人が約6割でした。

盗撮を始めた年齢は10代と答えた人が3割で、ほかの問題行動の加害者に比べ、10代で始めた割合が多いということです。初めて盗撮をしてから治療につながるまでの年数は10年以上が30%と最も多く、平均で7.2年と、長年盗撮を繰り返している実態がわかりました。

盗撮行為の75%はスマートフォン使用で、主な場所は階段とエスカレーター、そしてトイレで、駅で盗撮の危険が高いことがわかりました。また、盗撮のほか不同意わいせつなどをした人もいますが、盗撮のみを繰り返す人が6割を占めたということです。

斉藤さんによると、加害者は盗撮する前の緊張感と、盗撮後の緊張の緩和(ゆるみ)を感じ、特に「緊張の緩和」にはまっている人が非常に多いということです。

小学生や高校生が校内で盗撮した例もあり、斉藤さんはその背景をこう分析しました。

「子どもたちは成績、部活でのレギュラー争い、親からの期待などいろいろなプレッシャーの中で生活していて、学業や部活で成果を出すには相当の努力が必要。

でも盗撮はスマホをスカートの中に差し入れればできて、被害者が気付かないケースが多い。加害者にとって非常に“コスパ”がいい。簡単に達成感や優越感を味わえる」「盗撮の背景にはゆがんだ優越感と支配的な感情がある」盗撮をやめられない依存状態になると、厳罰化や反省だけでは再犯を防げず、加害者を治療につなげることが重要だといいます、 斉藤さんは加害者と接する中で「男は強くなければ」「競争に勝たねば」といった価値観が垣間見えることが多いといい、社会に根強くある「有害な男らしさ」や「女性をモノのように扱う感覚を共有して男同士の仲間意識、きずなを深める」といった文化を変える必要性を強調しました。

斉藤さんは、加害者は被害者のつらい気持ちなどを想像できず、「認知のゆがみ」があると説明し、自分や相手も大切にするといった人権を含む「包括的性教育」を早い段階から行うべきだと提案します。

そして、校内の盗撮を防ぐ具体策としては、教職員などに参加型の研修を行うことや更衣室、トイレなど盗撮のリスクがある場所の点検の制度化、学校内で個人スマホの管理ルールを厳しくする、匿名で通報や相談できる窓口の設置などを提案しています。

さらに加害者の行動パターンを把握し、駅などのデザインを変える必要もあると話しました。

日テレNEWS NNN – 2025/12/27 12:18


 

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