名古屋市の小学校教員らが女子児童を盗撮した画像などをSNS(交流サイト)上のグループで共有した事件を受け、福永和伸三重県教育長は8日の定例記者会見で、県内全ての公立学校を対象に、対策などの現状を把握するための緊急調査を進めていることを明らかにした。
県教委によると、調査の対象は市町立の小中学校や県立高校、県立特別支援学校などの計557校。オンラインで9日までに回答するよう、各学校の校長に3日付で依頼した。
調査では、体育や部活動などの際に着替えをする場所や方法、校内に設置している防犯カメラの台数や設置の目的などを質問。今回の事件を受けて新たに実施した対策も尋ねている。
服部富男県議会議長が1日の定例記者会見で示した意向などを受けて調査を決定。服部議長は対策などを県教委に申し入れるよう、教育警察常任委員会に求める考えを示していた。
県教委は調査結果を踏まえて夏休み期間中に対応を協議し、2学期の始業前に対策を実施したい考え。県教委や教員などでつくるワーキンググループの立ち上げも想定している。
福永教育長は会見で、調査の目的について「対策を練るにしても、実態を把握しなければならない。調査結果を踏まえて対策を検討し、良い対策があれば横展開したい」と述べた。
一方、教員への調査をしないことには「私たちに捜査権はない。調査で何も出なければ安心というわけでもない。他の県でも、そのような調査はしないと聞いている」と説明した。
伊勢新聞 - 2025/07/09 08:02