名古屋市の小学校教諭らが児童を盗撮した事件を受け、鹿児島県教育委員会は、教室や更衣室に不審物がないかチェックするよう全市町村に求めました。一方で学校現場は複雑な思いも抱えています。
「子どもたちが安全安心に学べる学校にするためには何が必要か」 鹿児島市の伊敷中学校です。夏休みで子どもたちがいない学校で行われたのは、教員向けの性犯罪防止の研修です。
きっかけは、6月、名古屋市の小学校教諭らが女子児童を盗撮し、画像を共有していたとして逮捕された事件でした。
国の通知に基づいて、県教委は教室、トイレ、更衣室に盗撮用のカメラがないかなどを確認するチェックリストを作成。先月、各市町村の教育委員会にも対応を求めました。
(伊敷中学校 摺木直人校長)「掃除棚の中とか、かごの中に入っているものとかを確認する」 (伊敷中学校 摺木直人校長)「子どもたちをしっかり守っていかなければならない責任があることを改めて自覚する。この不審物の点検は毎日行っていく」 県教委によりますと、県内で昨年度までの10年間で、教職員がわいせつ行為で懲戒処分された事案は21件でした。このうち学校での盗撮事案は1件でした。
懸命に子どもたちに向き合う現場の教員たちは、複雑な思いを抱えていました。
(伊敷中学校 摺木直人校長)「ここまで危機的な状況になってきているんだ。ここまでしないといけないんだというところを、我々は自分事として受け止めてこういう形で研修していけないといけない」「この悔しさを絶対払しょくしていかないといけない」 もう1つ、現場で戸惑いが広がっているのが、教員が個人のスマートフォンで児童・生徒を撮影する行為が禁止されたことです。多くの学校では、教員が自分のスマホで子どもたちの学校生活を撮影し、校内の掲示や配布物を作っています。
(1年の担任)「自分たちのもの(スマホ)で、その場の表情を撮って掲示などに使っていたので、それができなくなるのは悲しい」
教育現場で戸惑いも広がる一方、県教委は今後も盗撮防止に向けた取り組みを進めていく方針です。
MBC南日本放送 - 2025/08/01 19:26