盗撮をしたとして、性的姿態撮影処罰法や県迷惑行為防止条例の違反容疑で、県警が摘発した事件のうち、小型カメラを日用品に偽装した手口が近年目立つ傾向にある。ペンやモバイルバッテリーといった形状をしており、本来の用途は監視・防犯用で、インターネットなどで購入できる。被害者は盗撮されているとは気付きにくく、より巧妙化しているのが現状だ。
県警が昨年、同法や同条例に違反したとして、任意を含めて摘発した30件のうち、10件が小型カメラを使っていた。今年は9月末までに30件を摘発し、11件で小型カメラが使用されていた。23年は31件中で同様のケースが4件で、悪用する手口が増えていることが分かる。
24~25年9月末までに県警が摘発した事件のうち、犯行に用いられた小型カメラの形状は、サイコロのような小型の立方体が最も多く、8件だった。次いでモバイルバッテリー形とUSBメモリー形がそれぞれ3件、ペン形が2件。壁かけフックや朱肉のような形状もあった。
こうした小型カメラは、空き巣や盗難対策としての監視や防犯用などに使用する想定とされる。県警生活環境課によると、容疑者の大半がネットで購入していた。更衣室やロッカー、トイレなどにカメラを置き、盗撮していたという。
同課の担当者は「日用品を模した小型カメラは、周囲に溶け込むため、違和感がほぼない」と説明する。例えば室内に多くの物が乱雑に置かれていれば、こうした小型カメラが設置されても、部屋などにいる人は気付きにくいという。担当者は、室内の整理整頓が対策の一つになると指摘し、「もしカメラを発見した場合は、触らずにすぐ通報してほしい」と話している。
山形新聞 - 2025/11/17 10:07