京都府長岡京市立中の男性教諭=懲戒免職=が教室で着替え中の女子生徒を撮影した疑いで逮捕された事件を受け、市教育委員会は盗撮防止のためのガイドラインを作成した。全小中学校に男女別の専用更衣室を設けるほか、盗撮に使われる機器の探知機の全校配備を進めるなどし、再発防止を目指す。
【写真】ガイドラインに沿って作られた専用更衣室 ガイドラインでは、盗撮が人の出入りや置かれた物品が多い普通教室で行われたことを踏まえ、何も置かれていない空き教室を専用更衣室にする。空き教室がない学校では特別教室を改修するなどして更衣室として活用したり、カーテンなどで周りから見えないように仕切ったりして対応するという。
一方で、盗撮に使われるカメラから出る電波やレンズの存在を発見できる探知機を全校に配布する。校内を点検する際に活用を求め、近く配備を終える予定という。
点検の仕組みも強化する。教職員による日常的な巡回に加え、新たに「点検シート」を作成。定期的に教職員が複数人で教室やトイレ、更衣室などで「壁に不自然な穴がないか」「換気扇、便器の内側に不審な物はないか」といった計50項目のチェックを行うようにする。
そのほか元警察官らの協力を得て、抜き打ち点検も行う。学校で子どもを撮影したデータの管理徹底を再度求めるほか、教職員が精神面の不調などを相談しやすい環境づくりも進めるとした。
市教委は事件を受けて「抑止力を高めた再発防止策を設ける必要があると判断した」と説明。「複数の対策を組み合わせ、効果を校長らの会合の場などを通じて確認していく。児童生徒の尊厳を守れるよう取り組みたい」としている。
京都新聞 - 2025/12/02 10:51