歌手の浜崎あゆみさんが11月29日に予定していた中国・上海公演が中止になった後、開催したと報道された「無観客公演」が波紋を呼んでいる。浜崎さんは30日、観客のいない会場で歌唱する写真を交流サイト(SNS)に投稿。日中双方で「キャンセル後の感動的な行動」などと好意的に受け止められていたが、中国メディアは「写真はリハーサルを盗撮したもので、1人コンサートは虚偽」と報じた。
コンサートの中止は、運営する中国企業が28日に発表した。理由は「不可抗力」としたが、日中関係の悪化が影響した可能性がある。
浜崎さんは30日、自身のインスタグラムで「空席ですが、私にとって最も忘れられないショーの一つでした」とのコメントとともに、観客のいない会場で歌唱する写真を投稿。リハーサルを意味する「#ランスルー」という表記もあるが、日中で無観客公演と報じられ、SNSでは「誠意ある対応」などと好感を示す投稿が相次いだ。
一方、中国メディアは12月1日、「リハーサルの写真を無断で撮影し、投稿した」というコンサート関係者の謝罪声明を伝えた。声明によると、28日に投稿した写真が一部メディアによって拡散され、無観客公演を行ったという「虚偽」が広がったとしている。
浜崎さんは中国で絶大な人気を誇る。公演中止への批判が中国政府に向かないよう、当局が火消しに動いた側面もあるとみられる。
北海道新聞 - 2025/12/03 06:01