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逮捕されたら その1 (留置場から検察庁へ)

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逮捕された後の実録 その1

こういった内容のサイトを開設している以上、恥ずかしながら筆者も性犯罪ではありませんが何度か警察のお世話になっており、それどころか再犯刑務所の経験もある身上ですが、逮捕された後の生活その他について感じたことを記してまいります。

逮捕後の刑事手続きを時系列で追う形ではありませんが、今回は留置場から検察庁へ行く際のことについて触れてまいります。なお、断りがない限り、東京都の場合として記述します。

検事調べの日は憂鬱

こちらの記事で触れているように逮捕されて身柄事件になると翌日か翌々日に検察庁へ身柄付送致されて検察官からの取り調べを受けることになります。また、その後処分が決定されるまでに、難しい事件でなければ1回か2回程度は再び検察官から出頭を求められて検察庁で取り調べを受けます。

前者は新件調べ、後者は中間調べと呼ばれますが、警察署の留置場から護送バスに乗せられ、いくつかの警察署を回って同様に被疑者を集めていき、霞が関にある東京地方検察庁へ向かいます。以前はこれを押送と呼んでいましたが、今は行きを順送、帰りを逆送と分けて呼んでいます。

後述するように留置場を出発してから帰ってくるまで何もせず(できず)に待っているだけの時間が極めて長く、待っている間の環境も過酷なため、この検事調べがある日は非常に憂鬱になります。稀にこれが好きという人もいますが、多くの人は嫌がります。

警察署の留置場から東京地検へ

出頭する被疑者は手錠と縄を付けられて留置されている警察署へ迎えに来る護送バスに乗せられて東京地検へ向かいますが、朝に迎えに来る時間は警察署の所在地によって微妙に差があります。

護送バスは効率良く警察署を回るため、東京地検から概ね放射状に分けられたルート(系統)に沿って警察署を回ります。例えば23区最北の竹の塚警察署から最南の東京空港警察署に回っていては無駄が多すぎるので、…蒲田→大森→大井→品川…などのように同じ方向で順繰りに回れるルートが設定されています。

都心から遠い警察署から回るようになっていますが単純に距離だけで決められているわけではなく、基本的には首都高で端まで行ってそこに近い警察署から都心へ戻るように各警察署を回るという形で設定されているようです。そのため、都心から離れていて、かつ首都高の出口に近い警察署では朝食後すぐに迎えに来るという慌ただしさを見せます。

護送バスで東京地検へ向かっている間は外界を見ることができる貴重な機会なのでこれだけはありがたいという人もいますが、土地鑑のある場所を通る人においてはホームシックのような得も言われぬ感覚に襲われることでしょう。筆者はそうでした。

この時点から会話を禁じられるので、ただひたすら外を眺めながら東京地検へ向かうことになります。

東京地検の地下にある同行室へ

東京地検に着くと縄で数珠つなぎにされたまま地下にある同行室という待機場所へ向かいます。以前は階段で地下へ降りていましたが、今はエレベーターで降りるようになっています。

東京地検では送られてくる人員が多くて1つの同行室には入らないので第一同行室と第二同行室に分けられています。中の作りはどちらも同じで、鉄格子と網が張られた小部屋が一列にズラリと並んでおり、送られてきた被疑者が5,6人程度の小分けにされて各小部屋に収容されて検察官からの呼び出しを待つことになります。

この小部屋は5坪程度の細長い形で、両側に木製の硬い椅子が設置されており、2人または3人ずつ座るようになります。椅子の背もたれはほぼ直角でクッションなど当然ありませんので座って待っている間が非常に苦痛です。もちろんここでも会話は禁止で、テレビや本など娯楽になるようなものは一切ありませんのでせいぜい考えごとをするか寝るかくらいのことしかできません。

概ね10時前後には全人員が揃うようにスケジューリングされており、その辺りから検察官の呼び出しが始まります。しかし、こちらの記事に書いているように特に難しい事件でなければ検察官の取り調べはせいぜい1時間弱で終わりますので、それ以外の間はすべての取り調べが終わって書類が出揃う16時から17時辺りまでずっとその硬い椅子に座って待ち続けなければなりません。12時にパンの昼食があり、昼食中は手錠が片手だけになるいわばブレークタイムとなりますが、この待機時間は非常に辛いものです。

お役所なので前時代的なのは仕方ありませんが、ここでの検察官からの取り調べは警察署からSkypeでもつなげば十分だと感じます。護送中の逃走防止などに気を遣う必要もなくなりますし、護送のための警察官をもっと別の仕事に割り当てることもできます。余計な通信を行うなどしないよう警察署の取調室で担当刑事が見張っておくだけでいいので非常に効率が良くなると思いますが、ぜひ検討していただきたいものと思っています。

なお、東京都の場合は新件調べと勾留質問が2日に分けて行われますが、勾留質問の人もいったん東京地検の同行室にまとめて入れられ、その後勾留質問の人だけ東京地検の隣にある東京地裁へ連れて行かれます。東京地裁にも同行室があってそこで待機することになりますが、小部屋ではなく大部屋、東京地裁では昼食中も手錠が両手という違いがある点以外は特に大差なく、退屈な待ち時間を過ごすことになります。

すべての取り調べが終わって東京地検から出発

概ね16時から17時になると予定の取り調べが終わり、書類も出揃ったら各警察署の留置場へ帰る準備が始まります。このとき、朝やってきたルート(系統)ごとに各警察署から送られてきた人員をチェックする逆送点呼という作業が行われます。

自分が留置されている警察署が呼ばれたら小部屋の中で立ち上がり、それを担当者が目視確認して人員のズレがないかチェックするという非常にアナログな確認方法ですが、これがあるとやっと帰れるという空気になってきます。

一連の確認作業などが済んだルート(系統)から小部屋の外に出され、朝来たように再び縄で数珠つなぎにされた上で同行室から出て護送バスへ向かいます。全員がバスに乗ったらすぐ出発、基本的には朝と同じ経路で各警察署を回ることになりますが、丸の内警察署など東京地検からすぐ近くにあるところは先に回って下ろされます。

首都高の出口から離れていて、かつ東京地検からも中途半端に離れている警察署では帰り着くのがとても遅くなります。遅くなるといっても19時を過ぎることはあまりないのですが、留置場での就寝時間が21時なのでほぼ丸一日東京地検にいたことになり、どっと疲れがやってきます。

警察署の留置場へ到着

警察署へ戻ってくると留置担当の警察官が迎えに出てくれます。その警察官に縄を引かれながら留置場まで行き、中に入って留置場の扉が施錠されたところでようやく手錠と縄が外されます。

すぐに夕食をとり、そして留置場内の自分の居室に入れられますが、なぜかここで「帰ってきた」と思わされてしまいます。留置場なので帰るも何もなく、早く自宅に帰りたいはずなのですが1日中手錠と縄で拘束されて緊張を強いられる状況にあったせいか、留置場なのにほっと一息つかされてしまう感覚に襲われるので不思議なものです。

その日が新件調べだと翌日もまた勾留質問で行くことになるので憂鬱が続く一方、その日が勾留質問だったり中間調べだったりすれば翌日はゆっくり過ごすことができます。ゆっくり過ごすとは言っても何もすることがないので結局事件のことを考えるか寝るかくらいしかありませんが、硬い椅子とカーペットとでは大違いです。

何度か経験しているのであまり説得力がありませんが、身柄が拘束されている間の中でも特に嫌なもので、もう味わいたくないと感じる場面です。

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