アスリートの盗撮被害根絶に向け、社会で問題に向き合っていきたい。心ない視線がどれほど選手たちを傷つけるのか、競泳元日本代表の寺川綾さんに話を聞いた。
◇ 現役時代、ちょっと嫌だなという経験をしたことがあります。レース前のアップのとき、泳いでいるときはカメラを持っていないのに、泳ぎ終わってプールから上がる瞬間にカメラを構える人たちがいました。アップの水着はいわゆるハイレグタイプ。そこの瞬間を狙われているなという気がしました。
特に女性選手に対し、競技会場での盗撮や競技中の画像、映像を性的意図をもって切り取ったり、編集するなどして拡散したりする行為が相次いでいます。選手はそういった部分にフォーカスしてほしくてスポーツをやっているのではありません。自分の人生をかけ、その瞬間に結果を出すためにそのウエアを着て取り組んでいます。
15、16歳の頃、名前の横に美人スイマーと見出しをつけていただき、応援してくれる人が目に見えて増えました。プラスもあった一方で、人として、選手として許容範囲以上に興味を持たれ、競技の結果に関係のないところで左右されたことがありました。大変なこともあった半面プラスになることもあり、ニュースの取り上げ方には難しい側面があると感じます。
時代が進み、盗撮やAIを使っての写真加工などがどんどん増えている印象があります。しかしそれは選手にとって防ぎようがなく、どれだけ言っても声が届かない現状があります。
だからこそ『RESPECTion!』というアクションを起こし、声を大きく上げることで、盗撮などの性的ハラスメントから選手を守る盾となりたいですし、そんな風潮が広がってほしいと強く願っています。
(聞き手 角かずみ)
産経新聞 - 2026/03/29 09:00