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有名人トイレ盗撮、サイトへ動画提供した男に実刑判決

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リベンジポルノ防止法違反で懲役6か月の実刑

こちらの記事に掲載していた事件に関して、実際に動画を撮影してサイトへ提供した人の裁判で判決が出たようなので見てまいりたいと思います。

また、重ねてお伝えしますが、乃木坂46の橋本奈々未さんが盗撮された映像は今回の一連の事件と関係ないとのことです。

まず、流出映像等と言われていますが、その映像については販売告知はされていたものの何らかの事情により結局販売はされておらず、出回っている画像はそのときの告知で使用されたサンプル画像です。次に、販売告知を行っていたサイトは今回の一連の事件で摘発されたグループが運営するサイトではなく、後者は事件の影響で運営停止に追い込まれましたが前者は今もなお運営が続けられています。

盗撮被害に遭ったこと自体は間違いないと見られますが、その映像は世に出ておりませんし今回の事件とも直接的な関係はありませんので改めてお知らせしておきます。

トイレで盗撮した有名人の動画を盗撮サイトに提供したとして、リベンジポルノ防止法違反罪に問われたコールセンターオペレーターの被告人(34)=福岡市中央区=に対し、福岡地裁は16日、懲役6カ月(求刑懲役10カ月)の実刑判決を言い渡した。

判決などによると、被告人は福岡市内の商業施設内にある男女兼用トイレにビデオカメラを設置。女性が用を足す様子を盗撮し、昨年5月、被害者が特定できる状態で動画4点を盗撮サイトに提供した。

平塚浩司裁判官は「動画がネットに公開され、被害者は多大な精神的苦痛を被った」と述べた。過去に盗撮で有罪判決を受け、執行猶予の期間が終わってすぐに今回の盗撮に及んだことから「規範意識が鈍麻している」と指摘、実刑が相当とした。

公判で検察側は、被告人が有名人5人の盗撮動画をサイト側に計110万円で売ったと指摘していた。

このサイトをめぐっては運営者ら十数人が同法違反などの容疑で逮捕された。
引用元 : 朝日新聞 2016年11月16日 20時07分 配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

記事を見たときの第一印象としては「求刑も判決もずいぶん軽いなぁ…」と感じました。

執行猶予期間が終わってすぐに今回の盗撮に及んでいるとのことなので実刑になるのは妥当と考えられますが、罰則が厳しいリベンジポルノ防止法違反で起訴しているのにだいぶ軽い判決になっているように思います。

「過去に盗撮で有罪判決を受け」とあるように以前盗撮事件を起こして公判請求され、そこで執行猶予付きの有罪判決を受けていると見られますが、盗撮で1回目から公判請求されることは通常ありませんのでそれより前の前科もあると窺えます。おそらくやはり盗撮などで罰金刑といったところでしょうか。

そうなると罰則が厳しいリベンジポルノ防止法違反ではなく、今回の事件とは関係なしに再び迷惑防止条例違反で捕まって起訴されていたとしても量刑としてはたいして変わらなかったのではないかと思われます。サイトに提供した動画4点分すべてで裏付けを取って起訴しているのかどうかは記事からは読み取れませんが、少なくともこの判決では迷惑防止条例違反だったと仮定したときとの差があまり感じられないので威嚇効果が不足しているように思います。

本当に軽いのか?

と、第一印象としては以上でしたが実際に条文を確認したところ、そもそも罰則が厳しいというわけではありませんでした。

リベンジポルノ防止法 第3条

  1. 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
  2. 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
  3. 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
  4. 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
  5. 第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

上記はリベンジポルノ防止法、正しくは私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律の罰条ですが、第1項の「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」がすべてと認識していたので第一印象で感じたように「軽い」と思ったところ、今回の事件では第3項が適用されていると見られます。

配信を行っていたサイト運営者側は第1項または第2項が適用されますが、実際に盗撮を行ってサイトへ提供した今回の被告人については「第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、配信させる目的で私事性的画像記録物を提供した者」ということになりますので適用されるのは第3項と思われます。

第3項の場合は「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」で、検察官としては上限に近い割と厳しい求刑を行っていたことになります。

この罰則ですと東京都や神奈川県の迷惑防止条例違反のケースとほとんど変わりません。リベンジポルノ防止法の立法趣旨を考えると実際に配信した側の罪が厳しくなるのは当たり前とも思われますが、動画を提供したネタ元の罰則がこれだけ軽いのはどうなのかなと感じるところです。

なお、今回の事件では「トイレだから」「盗撮だから」という点はあまり関係なく、配信方法を承知した上で私事性的画像記録を提供したという点が問われていますので、混同しないよう切り分けて見ることが必要です。

まとめ

第一印象では「軽い」と感じて実際に条文を調べたところ「軽いわけじゃない」となり、改めて考えてみると「やはり軽いのでは」と変遷してまいりました。

この一連の事件では今回の分以外でも実際に盗撮を行った人の罰が軽めにされている傾向がありますが、確かに配信行為とその方法に大きな問題があったとはいえ、盗撮した動画を提供したネタ元とこれだけ差があるのはいかがなものかと感じています。配信側もネタ元も罰則としては同じで良いのではなかろうかと感じますが、時間ができたらこの部分に差ができていることについても調べてみたいと思います。

また、当初思っていたよりも続報が出てきておりますので、一連の事件について引き続き見ていきたいと考えています。

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