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女性の顔やスカート内を盗撮し動画サイトにアップ 容疑で男2人逮捕

更新日:

盗撮サイト運営、2容疑者再逮捕

こちらの記事で挙げていた事件について、別件ではありますが続報が出ておりますので改めて触れてまいりたいと思います。

なお、先の記事では有名アイドルグループのメンバーが被害者に含まれている可能性として挙げておりましたが、詳しく確認したところ、今回の一連の事件と乃木坂46の橋本さんは関係ないとのことでした。

件の盗撮動画については何らかの事情により公開されなかったのでその点は不幸中の幸いですが、その動画の公開が予定されていたサイトは今回の事件で摘発されたグループとは関係なく、今現在もサイトは稼働しています。

女性の顔やスカート内を盗撮し、盗撮動画配信サイトにアップしたとして、福岡県警は沖縄県警と合同捜査を進め、8日、男2人を名誉毀損(きそん)容疑などで逮捕した。

県警によると、1人は東京都内の無職男(27)で、昨年10月ごろ、東京都港区内で、女性(20代)のスカート内を盗撮した容疑。

もう1人は沖縄県宜野湾市のクレジットカード決済代行業の男(49)で、今年5月ごろ、市内の事務所で、盗撮した動画を、盗撮動画配信サイトにアップする作業をして、不特定多数の利用者が閲覧できるようにし、女性の名誉を毀損(きそん)した疑い。

県警は、このほか、この盗撮動画に関連するインターネット広告バナーを、今年8月に、自分が管理するウェブサイトに掲載したとして、福岡市中央区のアフェリエイターの男(35)を、名誉毀損(きそん)容疑で、福岡地検に任意送致した。
引用元 : 西日本新聞 2016年11月8日 15時17分 配信

女性を盗撮した動画などを有料配信するサイトの運営会社が摘発された事件で、県警は8日、同社の実質的経営者の沖縄県宜野湾市宇地泊(うちどまり)、男性(49)=リベンジポルノ防止法違反などで起訴=と、東京都中央区月島4、無職、男性(27)=名誉毀損(きそん)罪で起訴=の両被告を名誉毀損などの疑いで再逮捕した。男性(49)は容疑を否認し、男性(27)は認めているという。

再逮捕容疑は5月ごろ、男性(27)が東京都港区などで盗撮した20代女性2人のスカート内の動画を、女性が特定できる文言とともに配信し、名誉を毀損したとしている。
引用元 : 毎日新聞 2016年11月9日 16時00分 配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

先の事件ではトイレや更衣室における盗撮とその動画の公開ということでわいせつ電磁的記録有償頒布目的保管やリベンジポルノ防止法違反が強調されていましたが、今回の事件ではいわゆる逆さ撮りとされるスカート内の盗撮と、被害者を特定できる文言とともにその動画を配信した名誉毀損という点が強調されています。

逮捕容疑が「など」でまとめられていたり若干判然としない点があるのですが、従来の解釈からすると「おや?」と感じる点がいくつかあるのでそれらについて見てまいります。

この事件のポイント

先の記事でも書いているように、盗撮動画をネット上で公開することがそもそも問題と言えばそれまでという点は変わりませんが、リベンジポルノという特殊な点以外は珍しい内容ではなかった先の事件と違い、逆に気になる点として挙がってきたのが以下のポイントです。

この事件のポイント

  1. 盗撮行為自体が名誉毀損にあたるのかどうか
  2. 広告バナーを掲載したアフィリエイターの基準

今回は筆者自身の感想が多く含まれますが、これらについて見てまいります。

盗撮行為自体が名誉毀損にあたるのかどうか

上記報道ではいずれも「名誉毀損などの疑いで逮捕」とされていますが、西日本新聞では「昨年10月ごろ、東京都港区内で、女性(20代)のスカート内を盗撮した容疑」と罪名を明記していない一方、毎日新聞では「男性(49)と男性(27)の両被告を名誉毀損などの疑いで再逮捕」と一括りにしています。

男性(27)の盗撮行為が名誉毀損の共犯として扱われていて2人の逮捕容疑が名誉毀損だけであれば「など」は要らないはずで何か別の罪名があると見ていますが、一方で男性(27)についてはすでに名誉毀損で起訴されてもいますので、従来通りの迷惑防止条例違反の後日逮捕と名誉毀損の共犯ということなのかもしれません。

ただ、特に後者においては、(被害女性に関する具体的な言及は避けますが)それなりのネームバリューがある被害女性の盗撮動画について、被害女性を特定できる文言とともに配信する前提で盗撮していたなどの意思が立証できないと共犯扱いにするのが難しいのではないかと思っています。そういったやり取りがメールなどで残っているのであれば話は別ですが、そんな緩いことするかな?という気もしますし、また、盗撮するにあたってその前提にも無理があるように感じます。

今回の事件に関する動画については静止画のサンプルをパラパラ確認した程度で実物は見ておりませんが、スカート内が下着ではなく黒の短パンという映像も含まれていたようで、盗撮する側の心理としては必ずしも満足するものではなかったように感じています。配信を前提としたならより多くの売上が見込めると思われる下着の映像のみにするのではないかという気もしますし、少なくとも盗撮した時点では配信の前提がなかったのではないかと考えています。

逆に見方を変えて配信が前提で盗撮したのであれば、ミス〇〇などそれなりのネームバリューはありつつも現在においては一般人に近い被害女性を事前に特定した上で盗撮したということになるのでその方が怖いですし、報道でその点に触れないことも疑問に感じます。

いずれにしても盗撮の実行が名誉毀損に該当するケースは見たことがなかったので、詳しい情報が知りたいところです。

広告バナーを掲載したアフィリエイターの基準

毎日新聞の報道では触れていませんが、西日本新聞の方では盗撮動画に関する広告バナーを掲載したということでアフィリエイターが1名、在宅事件になっていることが示されています。

この事件に関する盗撮動画を宣伝するための広告バナーは筆者も確認していますが、これらのバナーを自らのサイトに掲載していたアフィリエイターはこの人以外にも無数にいましたし、それどころか今現在でも掲載したままのサイトが存在しています。

また、今回の一連の事件で摘発されたグループが運営していたサイトを宣伝していたアフィリエイターには福岡県警から当該サイトに関するアフィリエイトを停止するよう求める警告メールが送付されています。警告に応じない場合は検挙も辞さないという内容で、本当に福岡県警が送付したのか直接問い合わせたアフィリエイターもおり、それによると送付は事実とのことでした。

そんな中でアフィリエイターが実際に検挙されたことが報道されましたが、この人が警告に応じなかったから検挙されたのかもしれない一方で、いまだにバナーを掲載したままのサイトも存在することからどういう基準でその1名を検挙したのかが気になっています。

福岡市在住のアフィリエイターとのことなので捜査を担当している福岡県警ではひとまず近場のアフィリエイターを見せしめ的に検挙したと考えられなくもないですが、おそらくバナーを掲載したまま放置しているのであろうと見られるサイトが今も存在していることを考えると今後同様に検挙されるアフィリエイターも出てくるのかもしれません。

まとめ

以上のように、個人的には従来の運用や解釈から踏み込んだ摘発と感じていますが、実際そうなのか、報道から拾える情報だけでは判断には不十分なのか今のところわかりません。

逮捕状の被疑事実や起訴状の公訴事実、裁判になっている分は検察官の冒頭陳述を知りたいところですが、この事件については引き続き注視していきたいと思っています。

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