自身を「探偵」と偽り、電車で乗り合わせた男性に「盗撮行為を目撃した」などと因縁をつけて現金を脅し取ったとして、神奈川県警南署は4日、横浜市南区の無職の男(52)を恐喝容疑で逮捕し、発表した。容疑を認め、「キャバクラなどに行くお金が欲しかった」と話しているという。
被害者の50代の男性は1年半近くにわたり、「男に毎月1~3回、1回あたり5万~200万円を渡していた。総額で3千万円を超えていると思う」などと説明しているといい、南署で裏付けを進めている。
■「もうお金が無い」被害者が相談し発覚 署によると、逮捕容疑は2月9日、同区内の路上で、会社員男性から現金20万円を脅し取ったというもの。同月12日、男性が「もう男に払うお金がない」などとして、署に相談していた。
男性の署に対する説明によると、きっかけは朝の通勤電車でのできごとだった。
一昨年10月、朝の通勤電車で、たまたま同じ車両に乗っていた男から後をつけられた。男は路上で自身を探偵だと名乗り「あんた盗撮しただろう。警察に行くか、示談金を支払うかを選べ」などと声をかけてきて脅したという。この際、男性は現金約50万円を支払い、さらに住所や氏名、勤務先などを男に伝えていた。
以降、男性はひんぱんに男から呼び出され、「被害者との示談金」「慰謝料」「弁護士費用」などの名目で金を支払わされていたという。支払い続けた理由を「周囲に話されたり、警察沙汰にされたりするのが怖かった」などと話しているという。(奥田薫子)
朝日新聞 – 2025/12/04 18:57