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盗撮動画の販売は摘発が難しい?

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盗撮動画を販売するとどんな罪になるのか

盗撮動画ビジネスの実態としてこちらの記事で少し触れていますが、今回は盗撮動画を販売すると具体的にどんな罪に該当する可能性があるのかを見てまいります。

なお、先日来からの一連の事件と絡めて動画としていますが、動画ではなく画像の販売でも趣旨としては変わらないので画像も含むものとします。

盗撮動画の販売を取り締まることができる法律がない

まず、盗撮行為自体は刑法などに盗撮罪が規定されているわけではなく各都道府県の迷惑防止条例などで取り締まっている実態があるように、盗撮動画の販売を網羅的に取り締まることができる法律が現在は存在していません。

そもそも法で取り締まるには違法なものでなければならないわけですが、市販されている強姦モノや痴漢モノのAVを見て即通報する人がいないように、盗撮動画だからといってそれが違法な盗撮によって撮影されたものかどうかはわからないわけなので、盗撮動画という理由だけで取り締まることはできません。

そのため、これまでの盗撮動画の販売に絡んだ事件では、盗撮動画の販売をきっかけに何らかの既存の犯罪が成立したことによって摘発されています。それらが成立しなければ販売自体を取り締まる法律がないことで犯罪にはならないので事実上野放しとも言える状況になっています。

盗撮動画の販売から成立する可能性のある罪とは

盗撮動画の販売をきっかけにして成立する可能性のある罪とはどんなものがあるでしょうか。

挙げられるものとしては各都道府県の迷惑防止条例違反住居(建造物)侵入わいせつ物頒布等名誉毀損児童ポルノ禁止法違反リベンジポルノ防止法違反などがありますので、どういったケースが該当するのか1つずつ見てまいります。

迷惑防止条例違反

これは各都道府県の迷惑防止条例で規制されている、スカート内にカメラを差し入れて撮影する行為などに及んだとして該当することになりますが、要は盗撮の後日逮捕と同様のケースです。

販売されている盗撮動画からいつ、どこで、誰が、どうやって撮影したのかということを読み取るのは通常困難なところ、中には詳しく調べれば読み取ることができる要素が含まれている場合もあります。

例えば

  1. 服装の季節感、新聞やテレビ映像、その他日時限定のイベントやセールなどの映り込み、アナウンス放送等によって日時が特定できる可能性がある
  2. 駅構内や商業施設内、その他周辺状況の映り込み等によって場所が特定できる可能性がある
  3. 防犯カメラの記録やIC乗車券の乗降記録等によって撮影者や撮影方法が特定できる可能性がある

こういった要素が揃えば盗撮動画の販売をきっかけにして、盗撮したということで各都道府県の迷惑防止条例違反に該当する可能性はあります。

なお、3などから感じ取れるかもしれませんが、このケースでは被害者本人や関係者等から通報があるなどして捜査が始められていることがほぼ前提になっています。いつどこで撮影された映像なのかを第三者が特定したとしても被害届や通報などがなければ捜査が始まりません。

それ以前に第三者ではヤラセなのかガチなのか判断しようがなく、違法に撮影された盗撮動画なのかどうかは撮影者と被害者にしかわからないことです。そのため、このケースでは被害者や関係者等からの被害届や通報があって捜査が始められている場合ということになるでしょう。

住居(建造物)侵入

これは上述の1や2などとも関係してきますが、いつどこで撮影された映像なのかが特定できる場合、その場所を看守する人や法人などが建造物侵入で被害届を出すという可能性があります。

例えば商業施設や学校の文化祭などでは、その場所において撮影された盗撮動画がヤラセなのかガチなのかに関わらず正当な理由で立ち入っているとは言い難く、特に盗撮の手口が巧妙と見られる場合などは最初からその目的で立ち入っていると考えられます。

こうした例ではその商業施設や学校を看守している立場からすると建造物侵入に該当すると判断される場合もあり、ある有名ショッピングモールにおいては実際にこうした理由で建造物侵入の被害届を出している例があります。

わいせつ物頒布等

刑法においてわいせつ物頒布等の罪としてまとめられていますが、データの販売で該当する場合はわいせつ電磁的記録記録媒体頒布などといった罪名となります。

このケースでは局部へのモザイク処理などが適切に行われていないことで成立しますので、必然的に衣服を脱ぐ場面、例えばトイレや更衣室、浴場などを盗撮した映像を販売した場合ということになります(スカート内を盗撮したら下着を着けていなかったという極めてレアな状況も考えられますが…)。

これまで上述したケースでは被害届などが前提にありましたが、わいせつ物頒布等の場合はそういったものがなくとも捜査が始められます。局部が無修正の盗撮動画の販売を警察が認識したら販売サイトなどへ照会をかけ、販売者が特定できたら逮捕ということになるでしょう。

名誉毀損

名誉毀損は公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したときに成立するとされていますが、この規定は非常に曖昧なものです。盗撮動画の場合では被害者の社会的評価を低下させ得る文言等を用いて販売したケースで適用されています。

直近で報道されている事件としてはこちらの記事でも取り上げている盗撮動画サイトの件ですが、氏名やプロフィール等の被害者女性を特定できる文言とともに配信したことで名誉毀損となっています。しかしながら何をもって社会的評価を低下させ得ると解されるのかという点については比較的高いハードルが設けられていると考えられます。

これまでの法解釈には仮に裸体を盗撮されてその映像を公開されても、人は衣服を脱げば誰でも裸なのでそれだけでは社会的評価を低下させることにはならないというものもありました。裸体でもこういった解釈なのでスカート内の盗撮でも同様と言えますが、その上で何らかの社会的評価を低下させ得る文言を付け加えると名誉毀損が成立するとされています。

わかりやすいものとしては例えば「淫乱」「ヤリマン」などといった文言を画像や映像に添えるケースです。現在は後述のリベンジポルノ防止法においても規制される行為ですが、元交際相手への嫌がらせとして交際中に撮影していた裸などの画像にこういった文言を添えたビラを撒くといったことで名誉毀損で逮捕されている事例が数多くあります。

また、温泉で盗撮した映像を販売したことによって名誉毀損で摘発されている有名な事件があります(この事件の裁判の判決はこちら)。このケースでは被害者が自らの裸体を誰かに撮影させてそれを公開させ、そういったビデオに自ら進んで出演する人物であるとの印象を与えかねないということが被害者に対する否定的評価が生じるとして名誉毀損の成立を認めています。

逆に言うとこういった文言による事実の摘示がなければ名誉毀損は成立しないということになりますが、昨今の盗撮動画の販売において1つ注目すべき点があります。

販売サイトでは利用規約によって被写体の同意を得ていない盗撮動画の販売を禁止している場合が多く、そういった規約違反を回避するために建前として被写体をモデルと表現したり、被写体の同意を得て撮影した動画であることを説明文に記述することがスタンダードとなっています。

実際に被写体の同意を得て撮影した動画、つまりヤラセであれば問題はありませんが、そうではなく建前としてこういった記述をしている場合は上述の温泉盗撮の事件で名誉毀損が成立しているのと同じ論理が適用される可能性があると言えるでしょう。

児童ポルノ禁止法違反

これに該当するケースとしては被写体が18歳未満の児童という場合に限られますが、児童ポルノの製造の罪が提供の罪になるだけで該当する動画の内容などはこちらの記事に挙げているものと同様です。

なお、児童ポルノの販売では被害児童を特定する必要はなく、必然的に被害届なども不要です。販売されている動画が児童ポルノの定義に収まっていて被写体が児童であると警察が判断すれば摘発に動くことになるでしょう。

リベンジポルノ防止法違反

リベンジポルノとは私事性的画像記録として定義されていますが、こちらの記事の文末に挙げたものが法律上の定義となります。記事中でも触れていますが、こういった私事性的画像記録を、第三者が撮影対象者を特定することができる方法で販売したときにリベンジポルノ防止法違反が成立しますので、上述の名誉毀損とやや似ている面があります。

児童ポルノと同様に法律上の定義でそれなりに対象が絞られているので、トイレや更衣室などで衣服の全部または一部を脱いでいる姿態を撮影した映像など、盗撮動画の中でも内容が限定されています。それぞれの記事でも触れているように、いわゆる逆さ撮りによってスカート内の下着を盗撮した映像は定義から外れるので該当しないと考えられます。

最後に

盗撮動画の販売をきっかけに成立する可能性のある罪を挙げてまいりましたが、こうしたリスクが存在するビジネスだということは従来から販売者の間でも知られているところです。そのため、販売者においても摘発への対策を講じている例があります。

それは盗撮動画を撮ってからすぐには販売せず、一定期間寝かせてから販売するというやり方です。よく挙げられるのは3年という期間ですが、これは各都道府県の迷惑防止条例違反などの公訴時効の期間であったり、制服姿の学生が被写体という場合でもそれだけ経っていれば通常は卒業してすでに在籍していないという期間だったりします。

児童ポルノ以外はそういった動画を所持していても罪にはならないので、こうした対策によって販売におけるリスクを低下させようとする販売者も存在しています。

犯罪とはいえもともとは個人の性的嗜好によるものという面が強かった盗撮ですが、現在ではそれがお金になるということが認知されつつあるので、今後もこうした盗撮動画の販売は続くものと見ています。

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