愛知県みよし市立の中学校で7月、男性教員による女子生徒らへの盗撮事案が相次いだ問題で、市のプロジェクトチーム（PT）は24日、「学校の安全管理体制や教職員の倫理観にさまざまな課題がある」などとする調査報告書を小山祐市長に手渡した。小山市長は「子どもたちを守るため、やれることは全てやっていく」と述べた。
【写真】調査報告書を受け取る小山祐・みよし市長（左）=2025年12月24日、愛知県みよし市三好町、松島研人撮影 同市では7月16日、非常勤講師の男性が勤務先の中学校の女子更衣室の壁の隙間から、スマートフォンで着替え中の女子生徒を盗撮した。また同日に別の中学校では、男性教諭が卒業後に中学校を訪問した女性のスカート内を盗撮していたことも発覚。県教委は2人を懲戒免職処分とした。市は弁護士や大学教授によるPTを設置し、原因や再発防止策を検討していた。
いずれの事案も私用のスマホが使われており、PTが市内の小中学校の教職員にアンケートをしたところ、約3割の教員が校内で私用スマホを持ち歩いていたことが分かった。「私用スマホで児童生徒や卒業生とやりとりしたことがある」と答えた教員も6%ほどいたという。
市は事案発覚後、私用スマホの教育現場への持ち込みを禁止した。調査報告書は、校外学習時や緊急時への不安を感じる教員もいるとして、公用スマホの整備を検討するよう求めた。
また、生徒や保護者へのアンケートでは、「異性の教員から個人的な手紙やプレゼントをもらった」「男性教員から頭をなでられた」「水泳の授業で水着姿を批評された」などの回答があった。報告書では「性暴力につながるおそれのある不適切行為」だとして、早急な対策を求めた。（松島研人）
朝日新聞 – 2025/12/24 16:59