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SNS中傷、盗撮… 対応へ神奈川県高野連が弁護士と顧問契約 都道府県単位では全国初

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 試合中のチアリーダーの盗撮や、交流サイト(SNS)での選手たちへの誹謗(ひぼう)中傷など、高校野球の現場で急増する問題に対応するため、県高野連は今年4月、弁護士との顧問契約を結んだ。県高野連によると都道府県単位では全国で初めて。担当する池田賢史弁護士(49)=横浜北仲通り法律事務所=は、「横浜スタジアムが満員札止めになって盛り上がる神奈川は高校野球のメッカ。責任を感じながら務めていきたい」と話す。

 横浜市出身の池田さんは、進学した芝中高(東京都港区)で軟式野球の投手として活躍。中大、明大法科大学院を経て、2008年に弁護士となった。「甲子園を目指す硬式(野球)の球児たちには、今でも純粋な憧れと畏敬の念がある」と話す。

 親交のあった横浜隼人高の水谷哲也監督(60)から紹介を受けて、18年から個別の案件ごとに県高野連の問題解決に携わるようになった。榊原秀樹専務理事(60)からは「教員だけでは解決できないこともある。専門家がいる安心感は大きい」と信頼を寄せられている。

 主に教員が運営する高野連に起きるさまざまな問題で、法的観点から解決策をアドバイスする。一つの例が、新型コロナウイルスの感染拡大による大会中止の対応。高野連事務所に保護者たちからのクレーム電話が相次いだ。1件1時間に及ぶものもあり、事務局は業務の停滞に悩まされた。

 相談を受けた池田さんは「『困ったことがあれば弁護士に相談するように言われています』と返してもらうようにした」。すると長いクレームは減り、抑止力となったという。

 今夏の甲子園では広陵高(広島)による部員間の暴力を伴う不適切な行為がSNSで拡散され、大会期間中の出場辞退に追い込まれた。池田さんは「被害者へのフォローがきちっとできておらず、やはり初動(対応)が間違っていたと思う。処分が1度出ているのにもかかわらず出場辞退となってしまったのも問題。(顧問弁護士がいたら)だいぶ変わっていたと思う」と分析。この一件を「対岸の火事」とせず、SNSでの個人情報流出など新たな問題にも、各学校や行政、報道機関などと連携しながら対応していきたいと話す。

 「私の役割はただ一つ。高校球児が日頃の練習の成果を発揮するためにバックアップすること」と池田さん。競技レベルだけでなく、注目度も高い神奈川の高校野球、さらなる成長へ力強い存在になっている。

カナロコ by 神奈川新聞 – 2025/09/19 05:01


 

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