「撮られたかもしれなくて」。駅のホームでこわばった表情の女子高校生に、専門学生の長谷川寧さん(19)=千葉市中央区=が声をかけるとこう返ってきた。
5月21日午後9時前、学校の実習帰りだった長谷川さんは、京成勝田台駅(八千代市)のエスカレーターに乗っていた。すぐ横を慌てた様子の女子高校生が駆け上がっていった。駅のホームに着くと女子高校生はしきりに端にいた男を気にしていた。
「どうしたんですか」。長谷川さんが声をかけると、高校生は盗撮されたかもしれないと打ち明けた。すぐさま駅員に知らせ、盗撮容疑での男の逮捕につながった。
八千代署は今月4日、容疑者の逮捕に貢献したとして、長谷川さんに感謝状を贈った。山田幹司署長は「声かけのおかげで高校生はほっとできたと思う」と行動をたたえた。
後日、高校生から長谷川さんに「ありがとうございます」と電話があったという。長谷川さんは「勇気を出して、声をかけてよかった」と話した。
(大村慧)
千葉日報オンライン - 2025/07/04 20:30