慶応大学に通う鈴木我信さんは、左目の視力がない。また右目も視力0.02という「弱視」だ。移動では白杖を使いながら歩くが、日常生活に欠かせないのがスマホだという。「スマホの拡大鏡を使って見ています。目の代わりに近いですね」。スーパーやコンビニで買い物をするにも、スマホで拡大しなければ、どんな商品なのか、値段はいくらなのかがわからない。
【映像】弱視の人の視界 コンビニで「店内での写真・動画の撮影はご遠慮ください」とアナウンスが流れるようになった。また電車の中でも「今どの駅にいるんだろう」と、社内の路線図や電光掲示板をスマホで拡大しようとかざしたところ、無断撮影や盗撮と疑われることにもつながったという。そんな鈴木さんは、自身が弱視である体験を踏まえて情報を発信、さらにアプリの開発も手掛けるという。「ABEMA Prime」に出演した鈴木さんは、日々の苦労と今後目指すものを語った。
鈴木さんは、先天性の「前眼部形成異常」という指定難病を患っている。視力が「0」の左目には義眼を装着。「0.02」の右目は疲労が溜まると視界がぼやける。小学校の時、音読をするにもタブレットが必要で「音声の読み上げを聞きながら自分で話していた」と振り返る。細かい文字は、かなり拡大しないと認識できず、人の顔もよくわからない。ただ、スマホの拡大機能を使って人の顔を見るようなことも「それは失礼だから」としないと決めている。
中学校からは国立盲学校で寮生活。「勉強は人の何倍も時間がかかった」が、大学は難関で知られる慶応義塾大学に合格し、現在はSFC(湘南藤沢キャンパス)に通う1年生だ。動画を作るなどして自身の経験を発進、弱視に関する啓発活動も行っている。
全く見えない「全盲」とは異なり、ほとんど見えない「弱視」だからこその悩みがある。その一つが勘違いだ。電車内でスマホの拡大機能を使っていると「盗撮だと間違えられる可能性がある」。また、道を歩いている際に鬼ごっこをしている小学生が「あの人は見えない人だから、ちょっと道を開けようというようなことを言ってくれた」が、道に迷っていたこともありスマホで地図アプリを見ると「あの人、見えてるじゃん」と周りの子どもから言われてしまったという経験もある。子どもたちにとっても、弱視という状況はなかなか理解しがたいものだ。
また明るい日中はいいが、夜になるとさらに視界は悪くなる。「夜だと特に見えづらくて、本当に全盲に近い状態になる。車止めとかも、道路と同じ色のコンクリートとかだと、同化してしまってわからない」。
ABEMA TIMES – 2025/11/29 11:00