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「県警本部長が署員の盗撮事件を隠蔽しようとした」――守秘義務違反に問われ逮捕された元生安部長…公判は2度目の越年へ 弁護側は「公益通報」を主張、焦点は証拠の開示

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 職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、2024年6月に国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴された鹿児島県警・元生活安全部長の被告男(62)の裁判は、25年中も日程が決まらなかった。関係者によると、起訴内容では直接触れられていないものの、被告が「野川明輝前本部長が犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と主張する元枕崎署巡査部長による盗撮事件(懲役2年執行猶予3年)に関連する証拠について、鹿児島地裁が開示の要否を検討しているという。

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 起訴状などによると、被告は退職後の24年3月下旬、生安部長の名義で同2月に作成した、男性警察官によるストーカー容疑事件の捜査経過や被害女性の個人情報が記された書面を基に、作成日と名義などの記載を除いた写しの文書を外部に漏らしたとされる。鹿児島市から札幌市のライターに郵送し、同4月に受け取らせたとしている。

 県警が同月、別事件の関係先として福岡市のウェブメディア「ハンター」を家宅捜索した際、押収したパソコンからPDFにした文書が見つかり発覚。札幌市のライターからメールで送られてきたもので、作成者を被告と特定した。

 文書にはストーカー容疑事件だけでなく、盗撮事件についても記載があった。被告は同6月に鹿児島簡裁であった勾留理由開示手続きで、両事件において「野川本部長が隠蔽しようとした」と言及。検察側は同月、盗撮事件には触れずストーカー事件に絞って被告を起訴した。

■晴れぬ「疑惑」  盗撮事件を巡っては、23年12月に県警が認知。当初から元巡査部長の関与が疑われたが、野川前本部長は「署で捜査を尽くし、教養(研修)の実施を」と指示した。県警によると、幹部間の情報伝達に問題があり、直後に捜査は一時中断した。

 捜査再開後の24年3月、署は容疑者浮上報告書を作成。元巡査部長の実名や動向を記した上で「被疑者の可能性が高い」と結論付けた。ただし、逮捕したのは被告の文書を把握した後の同5月だった。

 県警は3〜5月の動きについて「より強い証拠を見いだすべく捜査していた。捜査が遅いとの批判は真摯(しんし)に受け止めるが、(被告の主張により)事件を隠せなくなったから捜査したという事実はない」と説明している。

■公判前整理  弁護側は被告の行為は情報漏えいではなく「公益通報」に当たると主張している。「明らかにしようとした内容は国家公務員法が保護する『秘密』に該当しない。正当行為として無罪になる」との考えだ。違法な捜索や差し押さえの可能性も指摘し、これも無罪を訴える根拠にしている。

 これまで県警側は被告の主張を否定し、ハンターへの家宅捜索も適正だったとの認識を示している。

 弁護側は24年7月、争点整理が必要だとして鹿児島地裁に公判前整理手続きを請求。同9月、地裁は適用する決定をした。以降、裁判所、検察側、弁護側の3者が証拠を厳選しており公判の準備を進めている。

 盗撮事件に関連する証拠も含めて審理するかどうか、地裁の判断が焦点となっている。

南日本新聞 - 2025/12/30 06:23


 

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