埼玉県教育委員会によって6月16日に発表された、公立高校教諭2名の懲戒免職処分。前編では「自身の性的欲求を満たすため」に教え子の女子生徒と関係を持った31歳教諭の事案を報じたが、南部地区の県立高校に勤務する32歳の男性教諭が起こしたもう一つの事件も、極めて悪質なものであった。
【写真】埼玉県教育委員会が発表した32歳高校教諭の懲戒処分事案の詳細
運動部の顧問を務めていた当該教諭は、自校の男子生徒への不適切なLINE送信に加え、合宿所で36名もの男子部員を盗撮したとして今年2月に逮捕されている。【前後編の後編。前編から読む】 事件の概要について、大手紙社会部記者が語る。
「教諭は2024年4月から翌年12月にかけて、自身が顧問を務める運動部の特定の男子部員に対し、LINEで性的行為を示唆する不適切なメッセージをかなりの回数送信していた。さらに同年7月から翌年6月までの間、校内の合宿所の脱衣所において、シャワーを浴びた後の複数の男子部員の性器などを、私物のスマートフォンを使って複数回にわたり盗撮。今年2月10日、性的姿態等撮影処罰法違反および児童買春・ポルノ禁止法(製造)違反の疑いで警察に逮捕されています」 手口は巧妙かつ大胆なものだった。県教育委員会の担当者は、盗撮の悪質な手口についてこう語る。
「教諭は、校内の合宿所において、部員がシャワーを浴びた後に体重測定をする際、床にあぐらをかいて座った状態で、バインダーの上に自身のスマートフォンを置き、部員に向けて動画を撮影していたようです。聴取の中で、3回に分けて合計36名の部員の性器等を盗撮したとみられますが、いずれも部員は盗撮に気づいていませんでした」(県教育委員会担当者・以下同) 事件が発覚したのは、今年1月下旬。警察が当該教諭の自宅へ家宅捜索に入ったという連絡が校長に入ったことで事態が急転したという。
「その後の県の聴取に対し、教諭は盗撮の目的について『部員の筋肉のつき方を確認したかった』と述べており、『大変御迷惑をおかけして申し訳ない』と述べています。県としては、教員の個人のスマートフォンの校内での持ち歩き自体は禁止していませんが、個人的に撮影することは当然禁止としております」 さらに、この事案では学校側の隠蔽ともとれる管理体制の甘さも露呈している。当該教諭から不適切なLINEメッセージを送られる被害に遭った男子部員から、令和7年12月の時点で別の教諭へと相談が寄せられ、当時すでに校長(54)へも報告が上がっていたのだ。
「校長は、教員と生徒のSNSのやり取りが禁止されているにもかかわらず、内容も確認せず、報告を受けただけで放置していたため、今回、懲戒処分(戒告)としました。なお、不適切なLINEメッセージについて教諭は『生徒に対して申し訳ない。ただ、恋愛感情はない。男性が好きという性的嗜好もない』と回答しております。この教諭は教員歴9年目でした」 教員歴9年目の中堅教諭による異常な行動に対し、教育現場は揺れている。
「逮捕を受け、生徒や職員もショックを受けております。ただ、部活動においては他にも数名顧問がいるため通常通り行っており、被害生徒も部活動を続けているということです」 県立高校で立て続けに明らかになった2つの不祥事。教員個人のモラル欠如はもちろんのこと、生徒からのSOSを軽視した管理職の責任も極めて重い。安全であるべき教育現場の信頼回復には、まだ長い時間がかかりそうだ。
(了。前編から読む)
NEWSポストセブン – 2026/06/19 10:59