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盗撮者を狙っているのは警察だけではない

そのうち触れようと思っていましたが、いわゆる盗撮ハンターに関する新鮮なニュースが舞い込んでまいりました。せっかくなので見てまいりたいと思います。

“盗撮ハンター”の男2人を逮捕

東京・町田市で、盗撮している人を見つけて現金を脅し取るいわゆる「盗撮ハンター」の男2人が逮捕された。

恐喝の疑いで逮捕されたのは男性A(22)と男性B(20)の2人。警視庁によると男性Aらは先週、小田急線の町田駅のホームで、女子高校生のスカートの中を盗撮していた20代の男を捕まえ、「撮っただろう。連れが被害者といる。数十万円じゃ足りないよ」などと言って、現金341万円を脅し取った疑いがもたれている。男性Aらが更に犯行を重ねるとみて、17日に捜査員が町田駅に張り込み逮捕したという。

調べに対し、男性Aは「脅したつもりはない」などと容疑を一部否認し、男性Bは容疑を認めている。

警視庁はグループで組織的に犯行を繰り返していた可能性もあるとみて調べている。
引用元 : 日本テレビ系(NNN) 2016年11月18日 12:35 配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

盗撮ハンター側の被疑者2人が若い点も気になりますが、別の報道ではいずれも無職とのことなのでオレオレ詐欺グループなどと同じように元締めのいるグループに所属していた上で組織的に行っていた可能性もありそうです。

盗撮ハンター事情を調べてみると最近はグループ化に加えて手口が荒っぽくなってきている傾向があるようで、恐喝を拒否するとボコボコにされるというケースも聞き及んでいます。盗撮した側には明確な弱味があるので何をされても通常は泣き寝入りだろうと考えられるところ、荒っぽくなっても不思議ではありません。

恐喝の方が圧倒的に罪が重い

犯罪者相手に弱味を突いて金銭を喝取するという、盗撮という点を除いては昔からある類の強請りですが、恐喝罪の罰則はかなり厳しいものになっています。

刑法 第249条

  1. 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
  2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪は未遂でも罰せられますが今回は既遂で金額も少なくなく、上記の通り罰金の規定もありませんので公判請求は避けられないでしょう。この場合の被害者(盗撮した人)との示談も困難と見られますし、前歴や情状によっては一発で実刑もありえる事件となっています。

恐喝する相手がより重いか同程度の罪であればこの類の強請りも「割が良い」のかもしれませんが、相手が盗撮となると非常にアンバランスなように感じてしまいます。上述したように拒否するとボコボコにされるなどの可能性に目をつぶれば、相手に居直られてしまうと未遂でも罰せられる以上は状況としてかなり不利になるのですが、事件化していないケースではそういったこともあろうと見られます。

とはいえその状況で居直るのもなかなか難しい

しかしながら仮にそういった事情を知っていたとしても、まず自分が盗撮で捕まるのを避けたいと考える側にとっては居直って自爆するというのも難しいことです。お金を払えば盗撮で捕まることを回避できるならばと恐喝に応じてしまう気持ちも理解できます。

そういう意味では今回の事件においては恐喝により喝取した額が多すぎたようにも感じられます。盗撮で警察などに捕まったと仮定した場合に見込まれる罰金額と同程度であれば、警察沙汰にならずに前科も付かない分だけ「儲かった」と考えていたかもしれませんが、額があまりにも多いとこういった形で警察に駆け込んでしまうことになりかねません。

今回の事件では最初に41万円を口座から引き出させ、その後カードローンを組ませてさらに300万円を払わせたようなので、最初の41万円で終わっておけば盗撮した側の泣き寝入りで終わっていたかもしれません。

同署によると、男性は口座から41万円を引き出したほか、金融機関でカードローンを組まされていた。同日午後に男性が同署を訪れ、「盗撮したことについては責任を取るが、現金を取られた」と申し出た。
引用元 : 時事通信 2016年11月18日 13:11 配信

また、オレオレ詐欺グループなどのように組織化していると、捕まえた際に十分な証拠を押さえるなど恐喝のマニュアルが無駄に充実している可能性もありますが、中途半端な証拠の押さえ方をしているとその後に警察に駆け込んでも盗撮自体は立件できないケースも考えられます。

ただ、今回の事件では盗撮においても十分な証拠があったようで在宅事件として捜査されるようです。

同署は男性についても、都迷惑防止条例違反容疑で書類送検する方針。
引用元 : 時事通信 2016年11月18日 13:11 配信

そういった交渉の余地があると仮定しても盗撮ハンターに捕まって気が動転している状況下ではやはり「お金さえ払えば」という気持ちになるのは無理からぬことですが、警察だろうが盗撮ハンターだろうが捕まってしまえばそれで終わりと思えばここまでの被害にはならなかったのではないかと感じます。

まとめ

罰則がそれほど重くないとはいえ犯罪である盗撮を行っている以上、こういったリスクもあるでしょう。また、これまで捕まらずに盗撮している人も含めると、盗撮ハンターにとっては相当数の「カモ」がいると思われていても不思議ではないので今後もこういった恐喝は続くと思っています。

さらに盗撮する人に対して、プロレスラーのように屈強な人というイメージは一般的にはなく、脅せば泣き寝入りしがちと考えているからこそ強気に脅してくることでしょう。そこで居直ることが突破口とも言えますが、通常はなかなか難しいことです。

誰に捕まろうが捕まってしまえばそれで終わりです。こういったケースではジタバタせずに自爆する勢いも必要と言えなくもありませんが、まずはそのような状況に陥る可能性を無くすことが重要です。

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