盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(1月27日~2月2日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

神戸大「卒業生」が大学の女子トイレに侵入…盗撮目的でカメラ設置した疑いで逮捕

神戸大学の女子トイレに侵入して盗撮目的で小型カメラを設置した疑いで、神戸大学の卒業生の男が逮捕されました。

迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕されたのは、奈良市の会社員の男(24)です。

男は去年11月、神戸市東灘区の神戸大学の体育館にある女子トイレに侵入し、盗撮する目的で小型カメラを設置した疑いがもたれています。部活動で大学に来ていた女子学生がカメラを発見して通報し、警察が調べたところ、カメラには複数の女子学生の姿が映っていたということです。

男は去年3月に神戸大学を卒業していて、警察の調べに対し、「女子トイレに侵入してカメラを設置したことに間違いありません」と容疑を認めています。

警察は余罪も含めて調べを進めています。
引用元 : 関西テレビ 2020年1月27日 15時42分配信

会社員による大学でのトイレ盗撮事件です。被疑者の会社員が卒業した大学だったようで逮捕容疑はおそらく迷惑防止条例違反と建造物侵入と思われ、前者は盗撮目的でのカメラ設置の疑いに留まっているようですが、「カメラには複数の女子学生の姿が映っていた」ともされていますので今後盗撮行為が裏付けられてまた逮捕となるかもしれません。

いつ逮捕されたのか出ていませんが、昨年11月に女子トイレへ侵入してカメラを仕掛けた行為について先週逮捕されたという後日逮捕のケースでしょうか。同大学の卒業生とのことですので盗撮を企ててチョイスしたのが勝手知ったる大学だったのかもしれませんが、在学中からやっていて卒業後も続けていたという可能性もあるでしょう。

部外者でも立ち入ることができる大学は珍しくありませんが、卒業生であれば尚更何らかの理由を付けて立ち入ることは容易だったのかもしれません。しかし、トイレからカメラが発見されて警察が捜査に入ってから今回の逮捕に至るまでにはそれが逆に仇となっていることも考えられます。

誰が仕掛けたのかという話に当然なるわけですが、仕掛けたカメラに本人が映り込んでいたり、そうでなくとも大学内の防犯カメラ等に撮られていたり、不審者が映り込んでいた時の特定にあたっては全くの部外者より行き着きやすかったのかもしれません。

なお、兵庫県の迷惑防止条例ではトイレ盗撮について公共の場所や公衆が利用できる場所に限られておらず、盗撮目的でカメラを設置する盗撮準備行為への規制もありますので、同大学のトイレが公共の場所と判断されなくても、又、盗撮には至っていなくても迷惑防止条例違反となります。

兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
  2. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
第2項
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
  2. 前項第2号に掲げる行為
第3項
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

この事件においては第3項に該当していると考えられます。

「カメラには複数の女子学生の姿が映っていた」とされていて現に盗撮行為に至っていることを窺わせますので今後の捜査によっては盗撮準備行為に留まらず盗撮行為でも検挙される可能性がありますが、それが無ければ10万円から20万円程度の罰金、別件の盗撮行為が追加されれば30万円からの罰金になってくるのではないでしょうか。

2m後ろからスカートにスマホ向け「盗撮準備」で逮捕 容疑の男、条例改正で初の検挙

盗撮目的で女子高校生にスマートフォンを向けたとして、京都府警鉄道警察隊と中京署は29日、府迷惑行為等防止条例違反(盗撮準備行為)の疑いで、大阪市城東区、会社員の男(46)を逮捕した。

盗撮行為の規制を強化するため、1月18日に施行された改正条例を適用した初のケース。従来はスカート内を盗撮したり、スカート内に撮影機器を差し出す行為を禁じていたが、改正条例で撮影機器をスカート内に向ける行為も取り締まり対象になった。

逮捕容疑は29日午前7時半ごろ、京都市中京区の地下鉄駅の階段で、高校2年の女子生徒(17)のスカート内を盗撮する目的で、約2メートル後ろから動画撮影モードにしたスマホを向けた疑い。

京都府が改正し、1月に施行した迷惑行為防止条例は、盗撮目的で撮影機器を向けたり、設置したりする行為自体も新たに禁止するほか、スマホに搭載されているデータ通信機能を悪用し、周囲の人にわいせつな画像を送り付ける行為も処罰する。またスマホの普及に伴い、住居内などにおける盗撮被害が深刻化している中、プライベート空間が条例の「抜け穴」になっていたことを受け、新たに住居や宿泊施設の客室での盗撮を処罰対象に加えた。
引用元 : 京都新聞 2020年1月29日 18時27分配信

会社員によるスカート内盗撮事件ですが、見出しの通り実際に盗撮までしたという事件ではなく盗撮目的でスカート内にスマホを向けたといういわゆる盗撮準備行為を検挙した事件です。京都府で先月施行されたばかりの改正条例を適用して逮捕に至った初のケースとのことです。

京都は観光名所も多いせいか首都圏を除くと盗撮被害が比較的多いようで取り締まりも厳しい印象がありましたが、今回の条例改正までは盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする盗撮準備行為が処罰の対象ではなかったり、風呂やトイレ、更衣室などでの盗撮は公衆が利用できる場所という条件があったりと抜け穴が割とあったようです。

そうした抜け穴を埋めて改正した条例が先月施行され、今回地下鉄駅の階段で下から女子高生のスカート内にスマホを向けた被疑者が早速捕まったことでニュースになっています。都道府県ごとの条例の違いや条例の改正状況を把握して緩い場所で盗撮しようとか改正条例が施行されたから止めようという人はあまりいないような気がしますが、この事件も改正条例の施行前であれば逮捕されていなかったかもしれません。

なお、京都府で先月施行された改正条例で盗撮に関する部分は以下の通りとなっています。

京都府 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 他人の身体の一部に触ること(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触ることを含む。)。
  2. 物を用いて他人の身体に性的な感触を与えようとすること。
  3. その意に反して人の性的好奇心をそそる姿態をとらせること。
  4. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体の一部(以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
  5. 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は着衣等の中が見える位置に鏡等を差し出し、置く等をすること。
  6. 着衣等を透かして見ることができる機器を使用して、着衣等で覆われている他人の下着等の映像を見ること。
  7. 異性の下着を着用した姿等の性的な感情を刺激する姿態又は性的な行為を見せること。
  8. 人の性的好奇心をそそる行為を要求する言葉その他の性的な感情を刺激する言葉を発すること。
  9. 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動(次項から第4項までに規定する行為を除く。)をすること。
第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
  3. 前項第6号に規定する機器を使用して、通常着衣等で覆われている他人の下着等の映像を撮影すること。
第3項
何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
第4項
何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。

この事件では地下鉄駅構内で女子高生のスカート内を盗撮する目的で動画撮影モードにしたスマホを向けたとのことなので第2項第2号に該当していると考えられます。

盗撮に関して処罰の対象となる行為や場所が拡大されたとは言っても処分についてはおそらく他の都道府県に準じると思われますので、実際に盗撮するに至っていない盗撮準備行為に留まっているのであればせいぜい10万円から20万円程度の罰金で済むのではないでしょうか。

“盗撮トラック運転手”逮捕…仕事で全国回りながら100件程犯行か 入浴中の女性をスマホで動画撮影

仕事の合間に三重県の住宅の敷地内に侵入し、入浴中の女性をスマートフォンで盗撮したとして大阪府のトラック運転手の男が逮捕されました。男は仕事で全国を回りながら、先々で100件ほど犯行に及んでいたとみられます。

逮捕されたのは大阪府堺市のトラック運転手(39)です。

容疑者は去年5月と1月14日、三重県四日市市内でそれぞれ別の住宅の敷地内に侵入し、入浴中の女性をスマートフォンのカメラで盗撮した疑いが持たれています。

警察によりますと、容疑者は愛知県内で入浴中の少年(17)を盗撮したなどとして、1月20日にすでに逮捕されていて、押収したスマホから今回の女性2人の動画が見つかったということです。

容疑者は「女性の裸を撮影したかった」と容疑を認めているということです。また、容疑者のスマホからは女性の裸の動画がおよそ70件見つかっていて、調べに対し「約3年前から宮城県から山口県まで全国で100件くらいやった」と供述しています。

警察は仕事で全国を回りながら、立ち寄り先で盗撮を繰り返していたとみて余罪を追及しています。
引用元 : 東海テレビ 2020年1月30日 21時24分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

トラック運転手による盗撮事件です。何の罪の疑いか記載されていませんが、逮捕容疑を見たところでは迷惑防止条例違反と住居侵入でしょうか。

しかし、今回の逮捕より前の1月20日に既に逮捕されていたとのことで、先の逮捕については「入浴中の少年(17)を盗撮した」とされています。盗撮被害者がこの年齢で入浴中ということは児童ポルノになりますので1月20日に逮捕されている分は児童ポルノ禁止法違反の疑いによるものかもしれません。

被疑者は長距離トラックの運転手でしょうか。高速道路で見かけるイメージが強いので一般道では現場との行き来ばかりで今回の事件の現場となった住宅街にはあまり行かない印象がありますが、盗撮できそうな家を物色して実行に移せる行動ルートや時間の余裕はあったのでしょう。

先の逮捕が児童ポルノの盗撮製造によるものかどうかハッキリしないものの押収したスマホから見つかった盗撮動画で余罪を裏付けて改めて逮捕したというのは警察にそれなりのやる気があることを窺わせます。もしかすると今後も別件の盗撮での逮捕が待っているかもしれません。

ただ、愛知県における風呂盗撮は公共の場所でなくとも処罰の対象となりますので先の事件で児童ポルノの盗撮製造に当たらないとしても迷惑防止条例違反になりますが、今回逮捕された事件の現場となった三重県では公共の場所以外での盗撮行為や盗撮準備行為を処罰できる規定が無いため、住宅敷地内の風呂を盗撮する行為が迷惑防止条例違反に該当しない可能性があります。

愛知県 迷惑行為防止条例 第2条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機、ビデオカメラその他の機器(以下「写真機等」という。)を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、人に対し、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、学校、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用することができる場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物に該当するもの及び次項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
第3項
何人も、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の姿態をのぞき見し、又は撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は人の姿態に向けること。

三重県 迷惑防止条例 第2条

(第1項略)
第2項
何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第3項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。

愛知県の場合は第3項に該当すると考えられますが、三重県では公共の場所や公衆が利用できる場所に限られているので住居侵入のみに留まっているのかもしれません。

入浴中の17歳少年を盗撮した行為が児童ポルノ禁止法違反に当たると判断されればそれが重いので三重県での盗撮行為が迷惑防止条例違反に当たるかどうかは最終的な処分や量刑にはあまり影響しない可能性があります。良くても50万円からの罰金、厳しければ罰金では済まされず公判請求されて執行猶予付きで懲役1年から1年6月といったところではないでしょうか。

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