先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
スカートの下にスマホ… 盗撮疑いで塾講師逮捕 JR岩国駅
山口県警岩国署は12日、駅のホームで女子高校生の下着を盗撮しようとしたとして、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、佐賀県鹿島市高津原、塾講師(48)を現行犯逮捕した。容疑を認めている。
逮捕容疑は同日午後2時10分ごろ、JR岩国駅で女子高校生(16)のスカートの下にスマートフォンを差し出し、盗撮しようとした疑い。
同署によると、女子高校生の友人が容疑者の不審な様子に気付き、駅員に相談した。容疑者は「旅行中だった」と話している。
引用元 : 産経新聞 2017年3月12日 21時0分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
岩国駅へは行ったことがないので午後2時頃のホームの状況は把握していませんが、鞄や靴にカメラを仕込んで盗撮するならまだしも、ホームでスカートの下にスマホを直接差し出すのは無理すぎるだろうと感じてしまいます。
友人の女子高生が被疑者の不審な様子に気づいたとされているところ、実際にはスマホを差し入れる瞬間だったりその前後の姿を目の当たりにして確信を持って駅員に相談したのではないでしょうか。スマホでの盗撮はそれだけ誰の目にも明らかになります。
ちなみに山口県の迷惑防止条例ではカメラなどの撮影機器をスカートの中に差し向けるだけで処罰できる厳しめの規定になっている以外にも、手鏡を使って覗き込んだりスカートをまくり上げたりする行為を禁じる規定が明記されていて他の都道府県よりやや具体化されています。
山口県 迷惑行為防止条例 第3条
- みだりに他人の身体に接触する行為(衣服等の上から接触する行為を含む。)
- 他人の身体又は下着(これらのうち現に衣服等で覆われている部分に限る。以下同じ。)を見る目的で行う、手鏡を他人のスカートの下に差し出す行為、他人のスカートの下からのぞき込む行為、他人のスカートをまくり上げる行為その他の周囲の状況からみて著しく異常な行為
- 他人の身体又は下着を撮影し、又は録画する目的で行う、撮影機器を他人のスカートの下に差し出す行為その他の周囲の状況からみて著しく異常な行為
- 他人の身体又は下着を見る目的で行う、赤外線を利用して衣服等を透かして身体又は下着を見ること(以下「透視すること」という。)ができる機器を透視することができる状態で使用して、他人の身体又は下着の映像を当該機器の映像面に表示させ、又はこれらを撮影し、若しくは録画するような行為
しかし、山口県では2016年1月1日まではこの第3条に違反した場合の罰則が「20万円以下の罰金又は科料」という驚きの軽さだったようです(現在は条例が改正されて「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と他の道府県と同程度になっています)。
なお、この事件の被疑者については同姓同名で過去にも事件報道があったようで関連が指摘されています。
長崎県警諫早署は14日、軽自動車を盗んだとして、佐賀県立白石(しろいし)高校の教諭(41)=佐賀県鹿島市高津原=を窃盗の疑いで緊急逮捕し、発表した。容疑を認めて「出来心で足がわりに使った」と話している、と同署は説明している。
同署によると、容疑者は14日午後3時10分ごろ、長崎県諫早市のJR諫早駅のタクシー乗り場で、鍵がついたまま止まっていた同県南島原市の男性(47)の軽乗用車(時価40万円相当)を乗り逃げした疑いが持たれている。
諫早駅から10キロほど離れた諫早市高来町の駐車場で、署員が被害車両を発見。近くにいた容疑者から任意で事情を聴いたところ、容疑を認めたという。
引用元 : 朝日新聞 2009年11月15日 8時18分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
いずれも記事では実名になっていて同じ名前であることや約7年半前の事件ということで年齢が概ね合致していること、職業等から同一人物ではないかと思われます。高校の教員をやっているときに窃盗で逮捕されて退職、その後塾講師になったものの再び盗撮で逮捕、といったところでしょうか…。
置き時計型カメラで盗撮か スタジオ経営者の男逮捕 神戸
兵庫県警東灘署は15日、写真撮影用の貸しスタジオの更衣室で盗撮したなどとして、県迷惑防止条例違反と暴行の疑いで神戸市東灘区田中町、スタジオ経営の容疑者(48)を逮捕した。
スタジオのホームページによると、コスプレやモデル撮影の用途で、貸衣装やソファのセットなどを用意し営業していた。同署は、ほかにも被害者がいないか調べている。
逮捕容疑は今月8日夜、東灘区のスタジオの更衣室に置き時計型のカメラを置き、大阪市の専門学校生の女性(27)の動画を撮影し女性の腕を引っ張るなどした疑い。不審に感じた女性が、カメラを持ち出そうとしたため、容疑者が制止しようと暴行を加えたという。女性が9日、県警に届けて発覚した。
容疑者は盗撮容疑を認め、暴行容疑は「カメラを取り返そうとしただけ」と否認している。
引用元 : 産経新聞 2017年3月15日 21時19分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
更衣室に置き時計があったら誰でも不審に感じるという指摘もありましたが、置く位置や向きによってはそれほど不自然ではない場合もあるかなと感じます。おそらく、より良いアングルで盗撮しようと欲が出て模索しているうちに不自然な位置や向きになったのではないでしょうか。
暴行については「カメラを取り返そうとしただけ」と否認しているとされているところ、すでに犯行を認めている盗撮に使用したカメラを取り返すという理由に正当性が無く、それでいて暴行の事実は残っているので否認の理由にはならないのではと感じます。
また、他にも被害者がいないか調べているとのことですが普通に考えれば他にもたくさんいるでしょう。コスプレやモデル撮影用の貸しスタジオはそれほど競争過多な業種ではないと思いますので、同業者にも疑いの目が向けられかねないのは残念に思います。
女子トイレで盗撮繰り返す 一部動画をネットで販売 容疑で自衛官懲戒免職
陸上自衛隊新町駐屯地(群馬県高崎市)は17日、盗撮を繰り返したとして第12旅団所属の30代の男性2等陸曹を懲戒免職処分とした。名前や年齢は明らかにしていない。
同駐屯地によると、平成26年11月ごろから昨年10月ごろ、群馬県内の女子トイレで計5回の盗撮をし動画の一部をインターネット上で販売したほか、東京の量販店などで計4回、女性のスカートの中を盗撮した。
ネット上での動画販売に絡み、福岡県警がわいせつ電磁的記録頒布の疑いで2等陸曹の自宅や職場を捜索したため、本人に確認して発覚した。
第12旅団長の清田安志陸将補は「誠に遺憾。隊員の指導を徹底し再発防止に万全を期します」とのコメントを出した。
引用元 : 産経新聞 2017年3月17日 18時45分配信
約2年間で女子トイレの盗撮を5回、スカート内の盗撮を4回というのは少なすぎるように思われますので、おそらくデータ等から確認できた分がそれだけだったということでしょうか。2年間もあれば実際にはもっと多くやっていると感じます。
群馬県や東京都での盗撮事案を福岡県警が捜査しているとのことで、「ネット上での動画販売に絡み」とされていることからこちらの一連の事件との関連も窺えます。あの事件で摘発されたサイトに盗撮動画を提供していて、それで捜査線上に浮かんできたということなのかもしれません。
自宅や職場への捜索が入っていて本人も認めているようなので容疑としては濃厚なのでしょうが、この記事では懲戒処分が発表されているだけで刑事上の処分などには触れられていません。自衛官を免職されると逃亡等の恐れが強くなることで今後逮捕などされる可能性はあるかもしれません。