盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(3月15日~3月21日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

エスカレーターでスカート内にスマホ、盗撮の男逮捕 神戸・三ノ宮駅

女性のスカートの中をスマートフォン(スマホ)で撮影したとして、兵庫県警葺合署は16日、県迷惑防止条例違反の疑いで、神戸市西区の自称会社員の男(40)を現行犯逮捕した。

逮捕容疑は同日午前0時すぎ、JR三ノ宮駅の上り線ホームに向かうエスカレーターで、飲食店経営の女性(48)のスカートの中をスマホのカメラで撮影した疑い。容疑を認めているという。

同署によると、脚に何かが当たった感触で女性が振り返ると、男がスマホをポケットに入れようとしていた。盗撮を疑った女性が男にスマホを見せるよう求めたところ、動画撮影モードになっており、スカートの中を写した動画がスマホに残っていたという。女性がホームにいた駅員に通報を依頼し、駆け付けた署員が男を取り押さえた。
引用元 : 神戸新聞 2021年3月16日 9時23分配信

エスカレーターでスカート内にスマホを差し入れて盗撮したところ被害者の脚に当ててしまって気付かれたという事件です。こちら以外にも先週はスマホで盗撮して捕まっている事件が目立っています。

状況としては実に定番なもので、駅の上りエスカレーターでおそらくはすぐ前にいた女性のスカート内にスマホを直接差し入れて盗撮したとの事です。被害者の女性が「脚に何かが当たった感触」を感じたという事はおそらく盗撮に慣れていなかったのか、或いは偶々手元が狂ってしまったのか、勢い余ってスマホを脚に当ててしまったのでしょう。

それで気付かれてしまった上、動画撮影モードになったままのスマホを被害者に見せろと求められてしまってお縄となったようです。被害者の女性は飲食店経営というだけあって疑わしいスマホを見せるよう求めたり、駅員に通報を依頼したりなど毅然とした態度で対応していた事が窺えます。

盗撮の手口や状況が定番過ぎて、こうして捕まっている人が毎日出ているのだろうかと感じてしまいます。何となく示談をするには難しそうな被害者ではありますが、示談ができずに処罰されるとしても罰金が30万円を超えてくる事は無いのではないでしょうか。

電車でスカート内盗撮か、府職員懲戒処分 迷惑条例違反疑い

京都府は16日、電車内で女性を盗撮したとして、府民環境部の非常勤職員の男性(61)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性職員は同日付で依願退職した。

京都府によると、男性職員は2月9日朝、通勤中に京都市営地下鉄の電車内で女性のスカート内をスマートフォンで動画撮影したとして、府警に府迷惑行為等防止条例違反の疑いで逮捕されたという。

京都府の聞き取りに男性はスカート内の撮影は否定したが、女性の足元にカメラを向けた行為は認めている。府はこの行為自体が条例に違反するとして処分を決めた。

府人事課は「府民の信頼を損ねる行為があったことは遺憾で、大変申し訳ない」としている。
引用元 : 京都新聞 2021年3月16日 19時33分配信

非常勤ですが府職員による盗撮事件で、停職の懲戒処分にしたとのニュースです。逮捕容疑は女性のスカート内をスマホで盗撮した疑いとされていますが、府からの聴き取りではスカート内の撮影は否定しているとの事で内容が割れています。警察の取り調べでもスカート内は撮っていないと否認していたという事なのでしょうか。

府からの聴き取りには女性の足元にカメラを向けたと答えており、これが迷惑防止条例違反に当たるかどうかは別としても逮捕容疑と食い違っているように思えます。惑防止条例違反に当たるかどうかという点に戻るとこれで逮捕するだろうかという疑問もありますし、スカート内盗撮という事で逮捕されている点とはどうしても違ってきます。

単にどちらの調べでも否認しているのか、又は警察の調べではスカート内盗撮を認めて府からの聴き取りには嘘を吐いているという事でしょうか。尤も、後者だとして府が被疑者の言い分を鵜吞みにしたとしても足元にスマホを向けたという程度の軽い行為の方で懲戒処分を受けているのでスカート内盗撮をしていたとしても懲戒処分は避けられないのかもしれません。

京都府の迷惑防止条例が示す盗撮ではなく卑わいな言動に当たるとして処分する事自体は可能だと思いますが、もし本当に足元にスマホを向けただけであれば逮捕までしていただろうかと感じるところもありますので処分としては若干厳しいようにも思われます。

京都府 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 他人の身体の一部に触ること(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触ることを含む。)。
  2. 物を用いて他人の身体に性的な感触を与えようとすること。
  3. その意に反して人の性的好奇心をそそる姿態をとらせること。
  4. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体の一部(以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
  5. 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は着衣等の中が見える位置に鏡等を差し出し、置く等をすること。
  6. 着衣等を透かして見ることができる機器を使用して、着衣等で覆われている他人の下着等の映像を見ること。
  7. 異性の下着を着用した姿等の性的な感情を刺激する姿態又は性的な行為を見せること。
  8. 人の性的好奇心をそそる行為を要求する言葉その他の性的な感情を刺激する言葉を発すること。
  9. 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動(次項から第4項までに規定する行為を除く。)をすること。
第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
  3. 前項第6号に規定する機器を使用して、通常着衣等で覆われている他人の下着等の映像を撮影すること。
第3項
何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
第4項
何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。

府としては第1項第9号に該当すると判断したという事でしょうか。

刑事的にはもし本当に足元にスマホを向けただけならば示談等をしなくても厳重注意されて不起訴という事も十分にあり得ますが、スカート内盗撮が事実であれば被害者との示談が無いと罰金は避けられないのではと思われます。その場合でも罰金は精々30万円程度ではないでしょうか。

名古屋市の男性消防士(31)が女性のスカートの中を盗撮し逮捕・不起訴処分 懲戒免職に

名古屋市消防局の男性消防士が、女性のスカートの中をスマートフォンで撮影したとして懲戒免職処分を受けました。

懲戒免職処分を受けたのは、名古屋市消防局中川消防署の男性消防士(31)です。

名古屋市によりますと、男性消防士は去年10月、瑞穂区内の路上で「病院への行き方を教えてくれ」と道を尋ね、案内した女子高校生2人のスカートの中をスマートフォンで撮影したとして、愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで警察に現行犯逮捕され、不起訴処分となっていました。

市の調査に対し男性消防士は、2019年の4月ごろから同様の方法で8回ほど盗撮を行ったと話していて、「仕事が終わると衝動に駆られた」と供述しているということです。
引用元 : メ~テレ 2021年3月19日 23時56分配信

消防士によるスカート内盗撮事件ですが、現行犯逮捕されているものの不起訴となっているようで事件としては終わっています。しかし、懲戒免職処分となったようなのでおそらく盗撮行為自体は事実として認めているのではないかと思われます。

女子高生に「病院への行き方を教えてくれ」と尋ね、隙を見てスカート内を盗撮したのでしょうか。スマホなどでいくらでも調べられますし病院のようなわかりやすい建物への行き方を尋ねるなど今時ちょっと怪しいと言わざるを得ません。しかし親切な女子高生らだったのか、態々案内してあげていたようです。

そこから現行犯逮捕に至るまでの経緯に触れられていないのでわかりませんが、おそらくは盗撮している様子を通行人などの第三者が見つけたのか、或いは被害者の女子高生自身が気付いたのか、結局バレてしまってその場で取り押さえられたのでしょう。

不起訴にはなっていますが職場からの懲戒処分としては免職にまでなっていますので、実は盗撮していなかったから不起訴だったという事では流石に無いと思われます。盗撮行為は認めた上で被害者との示談ができたなどの理由で不起訴になったのではと考えられますが、その場合盗撮行為に及んだ事は事実ですので刑事で不起訴になっていても懲戒処分を受ける事はあるでしょう。

同様の手口で何度も盗撮していたとも話しているので停職まででは済まされず免職になってしまっているのかもしれません。公務員であっても教員でなければ一発で免職になる例はあまり見ないのですが、何度も繰り返していて悪質と判断されたのでしょうか。

なお、示談ができたとしても被害者の女子高生は2人のようなので不起訴となっている事からすると両方と示談をしているのではと窺われます。スカート内盗撮の場合だと示談金としてはおそらく30万円から高くて50万円程度でしょうが、示談をせず罰金刑を受けたとしてもその程度の額になっていたと思われますので倍額の2人分を支払って前科を免れるかどうかという検討もしていたのかもしれません。

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