盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(4月2日~4月8日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮と窃盗の2教諭を免職処分 川崎市

川崎市教育委員会は、盗撮容疑で逮捕された市立中学校の教諭(41)と、窃盗容疑で逮捕された市立高校の教諭(61)をそれぞれ懲戒免職処分にした。

市教委によると、市立中学校の教諭は昨年10月、埼玉県新座市で小学生の女児のスカート内を盗撮したとして、埼玉県警に逮捕された。その後の調べで児童ポルノ動画を所持していたことも分かり、埼玉県迷惑行為防止条例違反と児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で略式起訴され、今年3月14日、さいたま簡裁が罰金50万円の略式命令を出した。

市立高校の教諭は川崎市の商業施設で忘れ物の財布から現金を盗んだとして、2月に県警に逮捕された。川崎区検は3月20日、不起訴処分とした。
引用元 : 産経新聞 2018年4月2日 7時1分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

窃盗の方は盗撮と全く関係ないのであまり触れませんが、61歳にして逮捕、不起訴だったものの懲戒免職というのは物悲しく感じます。もう定年退職は迎えていたのでしょうか。まだだったとしたら退職金も無くなるでしょうし、自業自得とはいえ最後にしてつまづくのも恐ろしいものです。

盗撮の方は年齢や犯行現場、事件の内容等を見ると以前の記事で取り上げていた事件の被疑者だった教諭と見られ、「小学生の女児のスカート内を盗撮」というのは望遠レンズ付きカメラで盗撮した件と思われます。


また、別の事件での逮捕後に児童ポルノの所持が発覚するというケースを目にすることも多くなってきています。

これは児童ポルノの単純所持が違法化されて罰則が設けられたためでしょうが、単純所持のみで逮捕という例は聞いたことがなく単体では書類送検に留まっているところ、この事件のように別件で逮捕されていると児童ポルノ禁止法違反でも容赦なく立件されることになります。

埼玉県の迷惑防止条例では盗撮の場合、常習でなければ罰金50万円というのは上限ですので、盗撮事件だけの内容を考えるとやはり児童ポルノの所持の分が重くなっているように思われます。

盗撮事件では自宅のPCやHDDなどを押収された上で、盗撮した画像や映像を販売していないか疑われることに加え、児童ポルノを所持していないかといったことも当然に疑われるようになっていくでしょう。

無許可で民泊、隠しカメラで盗撮容疑 社長を書類送検

福岡市内で無許可の民泊を営み、火災報知機型の隠しカメラで宿泊客を盗撮したとして、福岡県警は4日、不動産会社長の男(48)=福岡市早良区=を旅館業法違反と軽犯罪法違反の疑いで書類送検し、発表した。「カメラは防犯目的だったが、客をのぞき見できると思い、ベッドの方へ向きを変えた」などと供述しているという。

県警によると、男は2016年8月~17年6月、所有する福岡市博多区の賃貸マンションの一室で無許可の民泊を営業。17年6月27~28日には、部屋の天井に取り付けた火災報知機型の小型カメラ(直径10センチ)で、宿泊客の韓国人の男女を盗撮した疑いがある。

男女が天井を見た際に、カメラのランプが点滅するのに気づき、チェックアウト後に韓国総領事館に相談して発覚。県警が調べたところ、カメラのSDカードには、男女がベッドでくつろぐ動画が残っていたという。

宿泊料は1泊5千円、連休中は7千円。県警は男が少なくとも50組を宿泊させたことを確認したが、ほかの動画は見つかっていないという。男は「空き室を使って利益を得られないかと思い、無許可で民泊を始めた。火災報知機型のカメラはネットで購入した」と話しているという。
引用元 : 朝日新聞 2018年4月4日 16時47分配信

記事では盗撮の方がやや強調されていますが、実態は自らが所有するマンションの一室を当初は防犯目的で設置したカメラでのぞき見したということですので軽犯罪法違反に留まっています。

近い状況の事件を過去の記事でも取り上げており、そちらでも同様に旅館業法違反および軽犯罪法違反の疑いで書類送検されています。軽犯罪法違反の罰則はあって無いようなものですので、いずれの事件でも刑事処分はほぼ旅館業法違反の分ということになるのではないでしょうか。

被害者については逮捕ではなく書類送検に留まっており、旅館業法では無許可民泊の罰則として懲役刑も定められていますが公判請求されるような内容にも思えませんのでせいぜい罰金、とはいえ罰金の上限も少額なので場合によっては不起訴もあるかもしれません。

旅館業法 第10条

左の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
  1. 第三条第一項の規定に違反して同条同項の規定による許可を受けないで旅館業を経営した者
  2. 第八条の規定による命令に違反した者

第1項がいわゆる無許可営業で、第2項が営業免許の取り消しや営業停止の命令等に従わずに営業を続ける場合のものですが、旅館業法は改正されており「三万円以下の罰金」については「百万円以下の罰金」として上限額が既に引き上げられています。

しかし改正法の施行は今年(2018年)の6月15日ですので、この事件については上記の改正前の規定が適用されることになろうかと思われます。不動産会社社長の被疑者にとっては罰金刑が課されても微々たる額なのではないでしょうか。

設置されていたのが火災報知器型のカモフラージュカメラだった点も共通しています。民泊で貸し出す部屋に設置できるものとして不自然ではないと考えたのかもしれません。

民泊に限らずラブホテル等でも天井に火災報知器のようなものが設置されていたら念のため位置などに注意すると良いでしょう。妙に壁に寄っていると思っていたら隠しカメラだった、という例もあります。

無許可でなくとも民泊は結局知らない人の家に泊まるということなので個人的には積極的に利用したいと思えるものではありません。女性の場合は盗撮どころか強制わいせつや強姦といったより重大な性犯罪の被害も考えられますので利用にあたっては慎重に検討した方が良いと思っています。

女子トイレに侵入し女児を盗撮 容疑で37歳男を再逮捕 兵庫県警

女子トイレに侵入し、スマートフォンで女児(6)を撮影したとして、兵庫県警は6日、建造物侵入と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の疑いで、兵庫県姫路市白浜町寺家の無職の男(37)を再逮捕した。容疑を認めている。

再逮捕容疑は4日午後3時20分ごろ、同県稲美町加古の施設内にある女子トイレに侵入し、隣の個室からスマホを差し込み、女児の様子を動画で撮影したとしている。

県警によると、男は犯行直後、この施設内で60代女性の服を引っ張るなどしたとして、暴行容疑で現行犯逮捕された。

スマホから女児が映った動画が見つかったため、県警が事情を聴いていた。
引用元 : 産経新聞 2018年4月7日 10時43分配信

女子トイレに侵入して個室の仕切り板の上や下からスマホを差し入れて女性が用を足す姿を盗撮するという、ダイナミックで稚拙な手口も目にすることが多くなってきました。

先月には検察官ですら同様の手口で盗撮して捕まっていますので、検挙されていないだけで同じようなトイレ盗撮は案外多いのかもしれません。

ただ、この事件は現場で被害者にバレたわけではなさそうで発覚の経緯がやや普通でないように思われます。記事からは盗撮後に60代女性の服を引っ張るなどの「余計な」暴行行為を働いて現行犯逮捕され、そこから盗撮による児童ポルノの製造が発覚しているように見えます。

その通りであるなら単に余計なことをしてより重い罪で再逮捕されたマヌケとしか言えないかもしれませんが、暴行行為が盗撮の犯行直後ということなのでこの60代女性に盗撮あるいは女子トイレから出てきたところを見咎められ、揉め事から暴行につながったということもあるかもしれません。

暴行、建造物侵入、児童ポルノ禁止法違反と盗撮事件としては比較的重い罰になりそうに感じます。被疑者の前科関係はわかっていませんが、もし何か前科があるならば公判請求されてもおかしくないでしょう。

初犯で公判請求されなかったとしても罰金30万円程度からの略式命令は避けられないのではないでしょうか。無職のオッサンという属性だけでは判断しかねますが、場合によっては初犯でも公判請求からの執行猶予付き懲役刑もあり得るかもしれません。

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