盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(4月29日~5月5日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

女性盗撮目的か 容疑の県税事務所員逮捕 和歌山

女性のスカートの下に携帯電話のようなものを差し入れたとして、和歌山東署は29日、和歌山県迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)容疑で、県税事務所の男性主査(37)を逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めているといい、盗撮目的とみて調べる。

逮捕容疑は、25日午後6時半ごろ、和歌山市内の路上で、駐車中の車から荷物を搬出しようとしていた市内在住の女性(30)のスカートの下に、携帯電話のようなものを差し入れたとしている。近くにいた女性の知人が目撃していた。

県税事務所によると、この日は家族の看病を理由に午後から休暇を取得していた。南出明彦所長は「誠に遺憾。厳正に対処していく」とコメントした。
引用元 : 産経新聞 2019年4月30日 8時9分配信

県税事務所に勤務する公務員による盗撮事件ですがやはり公務員はこうしたニュースで報じられる割合が依然大きいように感じられます。

携帯電話のようなものとしてバールみたいにぼかして表現されていますが、おそらく得物は携帯電話かスマホでしょう。それを直接スカートの中に差し入れたようなので手口としては珍しいものではありませんが、現場の周辺状況がやや特殊でしょうか。

被害者が路上で駐車中の車から荷物を搬出しようとしていたというのは車の座席や荷室に置いた荷物を取り出して運ぼうとしていたのでしょうが、状況を想像しても満足に盗撮できるほど被害者に動きが無かったとはあまり思えません。

荷物の搬出作業中に被害者が一時的にスマホを見ていたり電話したりしていて盗撮する隙があったのかもしれませんが、それでも屋外ですので不意に動かれたりして気付かれる可能性が高いように思われ、スカート内の盗撮に向いた環境だったとはとても思えません。

さらに、被害者が1人でいたわけではなかったようで、結局近くにいたという女性の知人に目撃されたことで後日逮捕に繋がっています。これについても離れて少し観察していれば、被害者が1人でいるのではなく他に人がいることには気付けたのではないでしょうか。

そんなことを考える余裕も無く衝動的にやってしまったのかもしれませんが、当日に午後休を取っていた理由が家族の看病とされており、それが本当ならばそんな日に盗撮して捕まったことで当の家族はどう感じるのか残念でなりません。

なお、逮捕容疑は「携帯電話のようなものを差し入れた」疑いとのことで現に盗撮したのかどうかにはまだ問われていません。和歌山県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラ等を差し入れるだけでアウトですので実際に盗撮していなくても迷惑防止条例違反となると考えられます。

和歌山県 迷惑防止条例 第4条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を覚えさせるような方法で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
  2. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見ること。
  3. 着衣等で覆われている他人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。
  4. 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、写真機等を使用して着衣等を透かして見る方法により、みだりに着衣等で覆われている他人の下着等の映像を見、又は撮影してはならない。
第3項
何人も、次に掲げる場所又は乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を覚えさせるような方法で、着衣等で覆われている他人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
  1. 集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所
  2. バスその他の特定かつ多数の者が利用するような乗物
  3. タクシーその他の不特定の者が利用するような乗物(公共の乗物を除く。)
第4項
何人も、浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる人に対し、みだりに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 姿態をのぞき見ること。
  2. 姿態を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

この事件では現場が路上ですので第1項第3号に該当するでしょうか。目撃証言からの後日逮捕ですので逮捕する時点までに実際に盗撮したかどうかを確認していないため、まずは差し入れた疑いで逮捕、実際に撮ったかどうかは今後の調べで証拠を押さえるということになろうかと思われます。

データが既に削除されていて復元もできない場合は盗撮したことが裏付けられないので処分の対象はスマホ等をスカートの中に差し入れた行為までに留まることになるでしょう。そうならずに盗撮の事実が確認できたり余罪が発覚して裏付けられたり、被害者と示談できなかったりしてくると罰金刑を免れるのは難しくなってきますが、そうした展開にならずにうまくすれば不起訴の可能性もあるかもしれません。

盗撮容疑で会社員逮捕、駅開業遅れる 京都

ショッピングセンターで中学3年の女子生徒(14)のスカート内を盗撮したとして、京都府警京丹後署は1日、府迷惑行為防止条例違反容疑で、同府京丹後市峰山町の会社員(58)を逮捕した。

容疑者は、京都丹後鉄道(丹鉄)の駅の業務を委託されている会社に勤めていたが、逮捕されたために出勤できず、1日の丹鉄・峰山駅は通常より約45分遅れて開業した。

逮捕容疑は4月30日午後4時15分ごろ、同市峰山町のショッピングセンターで、女子生徒のスカート内に小型カメラを差し入れ、盗撮したとしている。容疑を認めているという。

丹鉄を運営するウィラートレインズによると、1日午前6時10分ごろ、同駅の利用者から「窓口が開いていない」と連絡があった。乗客6人がいたが、改札業務を受けずに乗車した。その後、容疑者の勤務先の業務委託会社が別の駅から駅員を派遣し、改札業務を行ったという。
引用元 : 産経新聞 2019年5月2日 11時28分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

丹後鉄道の駅員による盗撮事件を報じたニュースですが、事件そのものの内容より駅業務に支障が出てしまったことの社会的な影響が大きかったためかそちらの点が強調されています。

おそらく前日に盗撮事件を起こして逮捕され身柄が拘束されたまま勤務先への連絡ができず、勤務先が事態を把握しないまま朝を迎えてしまったのだろうかと思われますが、被疑者に同居の家族などはいなかったのでしょうか。

任意同行などでまだ逮捕されていない状況なら自分で電話をかけることができますが、ひとたび逮捕されてしまうと相手が誰であってもどんな事情があっても自分で電話するということはできなくなります。この場合、担当の刑事や知り合いの弁護士、当番弁護士などに連絡を依頼することになります。

盗撮程度の事件では、特に初犯の場合は逮捕されて身柄が拘束されても翌日または翌々日の送検後に釈放されて在宅捜査になるケースもありますが、それまでは警察署の留置場にいることになります。私物は押収または領置されていますので弁護士を呼んでも手元に携帯電話やスマホが無く、連絡先の電話番号を記憶していないと連絡の依頼ができません。

捜査を担当している刑事なら押収物または領置物の携帯電話やスマホから電話番号を確認して連絡できるので、逮捕されたことをいち早く伝えるには刑事に頼んだ方が確実で手っ取り早いのですが、この被疑者は勤務先に知られることを恐れてそれができなかったのかもしれません。

同居の家族などがいればまずはその人に連絡してもらい、勤務先には急な体調不良等として誤魔化してもらうことができたと思いますが、単身住まいだったのか、あるいは家族などへの連絡もできないほど気が動転していたのでしょうか。

こうしたことは何も駅員に限ったことではなく、少なくとも仕事を持った社会人なら逮捕されれば仕事に穴を開けてしまうことになるのはわかるはずです。況してやこの被疑者の場合は駅を開ける業務に就いていたわけで、その仕事に対する責任や穴を開けた場合の影響を軽んじていたと言われても仕方ないでしょう。

事件の詳しい経緯等には触れられていないので刑事処分の推測は難しいところですが、定番のスマホ盗撮ではなさそうなので30万円程度の罰金と、勤務先の会社からの信頼を失うことになるのは避けられないかもしれません。

女性のスカート内を盗撮・消防本部の係長の男現行犯逮捕 GWのショッピングセンター 山形・三川町

山形県三川町のショッピングセンターで女性のスカートの中を盗撮したとして、新庄市の消防本部に勤務する男が現行犯逮捕された。

県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されたのは、新庄市新町の最上広域消防本部予防課設備係長(39)。警察によると、容疑者は3日正午ごろ、三川町のショッピングセンター内で、庄内地方に住む20代女性のスカートの中にカメラ付きのICレコーダーを差し入れて盗撮した。

犯行を目撃した40代女性が容疑者を取り押さえ、通報を受けた警察官に引き渡した。警察に対し容疑者は容疑を認めているという。

最上広域消防本部によると、容疑者は公共施設や飲食店などに消防用設備の設置指導をするなどの仕事をしていて、勤務態度はまじめだったという。
引用元 : さくらんぼテレビ 2019年5月3日 18時41分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

消防本部に勤務する公務員による盗撮事件です。勤務態度は真面目だったとのことですが、窃盗や覚醒剤などの薬物関係等他の検挙数が多い犯罪と比べると痴漢や盗撮をする人は四大卒など学歴の良い割合が比較的大きい傾向があり、結果的に勤務態度についても大抵こう言われます。

この事件で使われた得物はカメラ付きICレコーダーとされていますが、記事を読む限りではスカートの中に直接差し入れているようですのでスタイルとしてはスマホ盗撮とあまり違いは無いでしょうか。傍から見て盗撮だとすぐにわかるのでこの事件でも目撃者に取り押さえられて現行犯逮捕されています。

40代女性がよく消防署に勤務する38歳の男性を取り押さえられたものだと感じますが、現場がショッピングセンター内とのことなので途中から他の利用客が助けに入っているのでしょうか。総合的な腕力等に明らかな差があっても騒ぎになる前に逃げようとしている被疑者にとっては服を掴まれるだけでも大きな障害になるので、取り押さえたという表現はそういうことなのかもしれません。

なお、山形県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラ等を差し入れたり設置したりする行為を処罰できる規定が今のところありません。しかしこの事件では公共の場所で実際に撮影まで行っていますので小難しいことは無く普通に迷惑防止条例違反ということになるでしょう。

山形県 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、公共の場所等又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、正当な理由がないのに、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣場その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所において当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、又は撮影してはならない。

若干特殊に思えなくも無い得物だったという点以外はよくありがちな盗撮事件ですので厳しくてもせいぜい罰金30万円、被害者との示談ができれば不起訴になる可能性もあるのではないでしょうか。

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