盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(5月3日~5月9日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

福井市の小学校教諭が盗撮で逮捕

福井市内の公立小学校の教諭の男が、パチンコ店で女性従業員のスカートの下にカメラを差し入れ、盗撮しようとしたとして現行犯逮捕された。男は容疑を否認している。

県迷惑防止条例違反で3日、現行犯逮捕されたのは、福井市内の公立小学校の教諭で、福井市高柳3丁目の容疑者28歳。

警察の調べによると、容疑者は3日夕方、福井市内のパチンコ店で、女性従業員のスカートの下にカメラ機能付きの音楽プレーヤーを差し入れ盗撮しようとした疑い。不審な動きに気付いた店員が声をかけ、その場で現行犯逮捕したもので、警察の調べに対し容疑者は「覚えがありません」と容疑を否認している。

警察は音楽プレーヤーを押収し、データを調べるほか、店内の防犯カメラの映像を分析して裏付け捜査を進めている。
引用元 : 福井放送 2021年5月4日 19時6分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

小学校の教員によるパチンコ店従業員のスカート内盗撮事件です。現場で気付かれて現行犯逮捕されているようですが、本人は「覚えがありません」として認めていないようです。撮るつもりはなかった的な供述ではなく覚えが無いとの事なので全面的に否認しているという感じでしょうか。

また、逮捕容疑は盗撮した疑いとはされておらず盗撮しようとした疑いという事になっていますので撮った事は確認できていないようです。得物の音楽プレーヤーは押収されているようですので盗撮したデータが記録されていれば動かぬ証拠という事になりますが、逆にデータが無ければ気付いた従業員の証言以外に証拠が無いという事にもなりかねません。

店内の防犯カメラの映像も調べているようで、それに盗撮しようとした瞬間が収められていればこれもやはり動かぬ証拠となり得ますが、それさえも無いと裏付けは困難と思われます。パチンコ店ですので防犯カメラは多数設置されていて何れかには捉えられているのかもしれませんが、もし死角と知っていて、さらに盗撮はできておらずデータが無いのも分かった上で否認しているという事も考えられます。

その場合、実は盗撮しようとしていたのが事実だったとしても従業員の証言だけでは弱いという事でお咎め無しとなる可能性もあるのではないでしょうか。福井県の迷惑防止条例では盗撮しようとしてスカート内などにカメラを向けるだけでアウトになる規定がありますが、少なくとも防犯カメラがその瞬間を捉えていないと立証は難しいように思えます。

福井県 迷惑防止条例 第3条

何人も、公共の場所(第四項に規定する場所を除く。)にいる人または公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上からまたは直接人の身体に触れること。
  2. 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見ること。
  3. 下着等を撮影する目的で、写真機、ビデオカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話その他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を下着等を写すことができる位置に置き、または人に向けること。
  4. 写真機等を使用して、下着等を撮影すること。
  5. 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所(第四項に規定する場所を除く。)にいる人または送迎バスその他の特定かつ多数の者が利用するような乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 下着等を見ること。
  2. 下着等を撮影する目的で、写真機等を下着等を写すことができる位置に置き、または人に向けること。
  3. 写真機等を使用して、下着等を撮影すること。
第3項
何人も、正当な理由がないのに、衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、前二項に規定する場所にいる人または乗物に乗つている人に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 下着等を見ること。
  2. 下着等を撮影する目的で、当該写真機等を下着等を写すことができる位置に置き、または人に向けること。
  3. 下着等を撮影すること。
第4項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服等の全部または一部を着けない状態でいるような場所にいる人に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 当該状態の姿態を見ること。
  2. 当該状態の姿態を撮影する目的で、写真機等(衣服等を透かして見ることができるものを含む。次号において同じ。)を当該状態の姿態を写すことができる位置に置き、または当該状態の人に向けること。
  3. 写真機等を使用して、当該状態の姿態を撮影すること。

現場となったパチンコ店は公共の場所と言って良いかと思いますのでそこでの盗撮準備行為という事で第1項第3号に該当する可能性があると考えられます。

被疑者が否認しているので盗撮したデータや防犯カメラ映像などの証拠がどれだけあるかによって大きく変わってきそうに感じます。盗撮した証拠となるデータや盗撮しようとした事を示す防犯カメラ映像などがあるなら30万円までの罰金が科せられそうですが、そうした物的証拠が何も無ければ不起訴という事もあるのではないでしょうか。

「盗撮目的で」"カメラ内蔵"の腕時計所持か…温泉の男湯の脱衣場侵入 50歳男逮捕

温泉施設に正当な理由なく侵入したとして、50歳の男が逮捕されました。男は「盗撮目的だった」と話しています。

北海道札幌市手稲区に住む自称・アルバイト従業員の50歳の男は5月4日午後3時50分ごろ、手稲区にある温泉施設に正当な理由なく侵入した建造物侵入の現行犯で逮捕されました。

警察によりますと、当時男が男湯の脱衣場で不審な動きをしているのを従業員が見つけ、警察に「盗撮しているような男がいる」などと通報。駆け付けた警察官が、男が小型カメラが内蔵されているとみられる腕時計を持っているのを確認し逮捕しました。

調べに男は「盗撮目的で脱衣場に入った」などと話しているということで、警察が男が盗撮をしたのかも含め詳しく調べています。
引用元 : UHB北海道文化放送 2021年5月5日 10時49分配信

盗撮目的での温泉施設侵入事件です。今回の逮捕容疑は建造物侵入のみなので盗撮していたのかどうかは確認できていないようですが、本人は盗撮目的だったと認めていて実際に盗撮していたかについては今後調べるようです。

得物は腕時計型のカモフラージュカメラだったようで挙動不審だったところを温泉施設の従業員が発見して通報に至ったとの事です。この手のカメラは一見するとカメラが内蔵されている事には気付かないようなレンズの小ささだったりしていますが、当然ターゲットに向ける必要がある訳ですので腕に巻いたまま向けているのは不自然に見えたのではないでしょうか。

男湯の脱衣場ですので男性の裸などを盗撮しようとしていたのだろうと思われますが、客は気付けなくても客とは目線の違う従業員には不審に映っていたのでしょう。或いは、なかなか浴場へ行かずに長時間脱衣場にいたなどの事情もあったのかもしれません。

北海道の迷惑防止条例では浴場や更衣室における盗撮行為は勿論、そうした場所で盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする盗撮準備行為も処罰の対象になっています。今回は現行犯逮捕との事で建造物侵入のみになっていますが、盗撮に至っていた事が裏付けられれば迷惑防止条例違反が追加されると思われます。

北海道 迷惑行為防止条例 第2条の2

何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
第1号
公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
  1. 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている身体若しくは下着をのぞき見し、又は映像面に衣服等を透かして身体若しくは下着の映像を表示する機能を有する機器を使用して当該映像を見ること。
  3. ア及びイに掲げるもののほか、卑わいな言動をすること(次号に掲げる行為を除く。)。
第2号
公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等(集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所及び乗物をいい、公共の場所及び公共の乗物を除く。第4号において同じ。)にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
  1. 衣服等で覆われている身体又は下着を撮影すること(次号に規定する状態の他人に対して行う場合を除く。)。
  2. アに掲げる行為をするため、写真機、ビデオカメラその他の撮影する機能を有する機器(次号及び第4号において「写真機等」という。)を向けること。
第3号
住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。
第4号
公共の場所若しくは公共の乗物若しくは集会場等にいる者の衣服等で覆われている身体若しくは下着又は住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること。

今回の事件では現場が浴場又は更衣室に当たると思われますので、盗撮していれば第3号に該当する迷惑防止条例違反になると考えられます。また、盗撮できていなくても盗撮目的でカメラを向けていた事も認めるようであれば盗撮準備行為になりますのでこの場合の迷惑防止条例違反は免れないと思われます。

実際に撮っていたのかどうかによって変わってきそうですが、撮っていた事が確認できて迷惑防止条例違反が追加されると30万円から50万円程度の罰金、盗撮にまでは至っていなかったのであれば10万円から20万円程度の罰金といったところではないでしょうか。

受けている風俗サービス、元警部が隠し撮り…カバンに入れた携帯電話使い

風俗店の従業員から性的サービスを受けている様子を隠し撮りしたとして、軽犯罪法違反(のぞき見)の容疑で書類送検された大阪府警の元警部の男性(52)について、大阪区検は同法違反で大阪簡裁に略式起訴した。4月20日付。簡裁は同日、科料9900円の略式命令を出した。

起訴状などによると、元警部は3月20日、大阪市中央区内のホテルで、風俗店の女性従業員(当時39歳)からサービスを受けている様子を、カバンに入れた携帯電話で隠し撮りしたとされる。

大阪府警は4月13日、元警部を本部長訓戒とし、元警部は同日、依願退職した。
引用元 : 読売新聞 2021年5月7日 18時14分配信

警察官による風俗嬢の盗撮事件ですが、刑事処分も懲戒処分も既に下されていて事件としては終結しています。迷惑防止条例違反ではなく軽犯罪法違反という事になっており、罰金でもなく過料ですので相当軽い処分になっています。

一見すると警察官という事で身内を庇って軽い罪にしているようにも思えますが、大阪府の迷惑防止条例では現場となったホテルの客室内での盗撮行為を処罰できる規定が無いのではと思われますので軽犯罪法違反しか無かったのかもしれません。

大阪府 迷惑防止条例 第6条

何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
  2. 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
  3. みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。
第3項
何人も、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影してはならない。
第4項
何人も、第一項第二号若しくは第三号又は前二項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。

第1項は公共の場所や乗り物を対象としており、第2項は公衆が利用できる浴場やトイレ、更衣室が対象です。第3項は教室や事務所などの不特定又は多数の者が利用する場所、要するに学校内や会社内などが対象ですが、ホテルの客室はいずれにも該当しないと考えられます。

それで仕方無く軽犯罪法違反を適用したものと思われますが、罰金ですらない過料の罰ですので正に微罪と言えます。警察官でしかも警部というそれなりに上位の階級だから甘くしたとは必ずしも言えない内容ですが、都道府県ごとに異なっている迷惑防止条例ですので場所にとってはこうした事も起こり得るということでしょうか。

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