盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(5月6日~5月12日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

手薄な出動中に設置か 消防職員盗撮、関与否定...一転「自供」

盗撮目的で福島県郡山市の郡山地方消防本部の女子トイレにカメラを設置したとして、建造物侵入と県迷惑行為等防止条例違反の疑いで郡山署に逮捕された郡山市、郡山地方消防本部職員、容疑者男(30)がカメラを設置したのは、大規模な林野火災が発生している最中とみられることが8日、同本部への取材で分かった。

同本部によると、容疑者がカメラを設置したとみられる4月9日は、同市田村町で山林約100ヘクタールを焼く火災が発生。多くの職員が出動しており、同本部内にいた職員は少なかったという。

容疑者は総務課庶務係の消防士長で、カメラが設置されたトイレのある4階で勤務しており、同日は午後11時ごろまで庁舎内にいたという。

事件は女性職員がカメラに気付き発覚。同本部によると、容疑者は同23日の聞き取り調査では関与を否定していたが、同26日に自分から申し出たという。
引用元 : 福島民友新聞 2019年5月9日 11時36分配信

消防本部に勤務する公務員によるトイレ盗撮事件です。前回の記事でも消防本部勤務の公務員による盗撮事件と取り上げていましたが、続いてしまっているのは偶然でしょう。

発覚のきっかけはトイレに仕掛けていたカメラに気付かれたという当たり前と言えば当たり前なものですが、当初は聞き取り調査に対して否認していたものの逃げ切れないと観念したのか、その後自ら申し出たようです。

この当初の聞き取り調査というのはこの被疑者への疑いが前提にあったようなものではなく、上司等が1人1人に尋ねていたものだったのかもしれません。林野火災が発生していて本部内が手薄だったときに仕掛けられた可能性が高いとされて、当時出動していなかった自分に捜査の手が回るのも時間の問題と考えたのでしょうか。

なお、逮捕容疑は建造物侵入に加えて迷惑防止条例違反とされていますが、後者では盗撮目的で女子トイレにカメラを設置した疑いに留まっているようです。これはカメラを仕掛けただけで実際には盗撮に至らなかったものと思われますが、単に確認未了で今後の調べによっては現に盗撮した事実も出てくる可能性があります。

福島県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置する行為が処罰の対象となりますので、実際に盗撮できていなかったとしてもアウトということになります。

福島県 迷惑行為等防止条例 第6条

何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、著しい羞恥心又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
  2. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. その他卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を使用して着衣で覆われている他人の身体を透視する方法により、裸体(その一部を含む。以下この項において同じ。) の映像を見、又は裸体を撮影してはならない。
第3項
何人も、みだりに、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、当該状態でいる他人の姿をのぞき見し、若しくは撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
第4項
何人も、みだりに、集会場、事務所、教室、貸切バスその他特定かつ多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。

この事件では現場が女子トイレですので、盗撮できていようができていまいが盗撮目的でカメラを設置したということで第3項に該当していると考えられます。

災害対応のため多数の同僚が出動する中で行った犯行、そして女子トイレを狙った盗撮ということで印象が悪く、建造物侵入も加えられていますので甘い見通しはできませんが、カメラを設置しただけに留まっているのが被疑者にとっては救いでしょうか。

今後の調べで実際に盗撮に至っていた証拠や余罪などが出てくると話が違ってきますが、そうしたものが無ければ10万円程度の罰金で済むかもしれず、場合によっては不起訴となる可能性もあるかもしれません。

車の鍵型カメラで女性を盗撮 倉敷市の男性職員を停職9カ月の懲戒処分に 岡山

停職9カ月の懲戒処分を受けたのは、倉敷市住宅課の26歳の男性主事です。

男性主事は4月11日、倉敷市の大型商業施設で24歳の女性に後ろから近づき、スカートの中を車の鍵型の小型カメラで盗撮したとして現行犯逮捕されました。その後、倉敷簡易裁判所から罰金40万円の略式命令を受け、すでに納付しています。

倉敷市では去年12月にも別の職員が盗撮行為で懲戒免職処分を受け、再発防止に向けてコンプライアンス研修などをしていました。

倉敷市の内海彰也総務局長は、「職員一丸となって職務に精励し、市民の皆様からの信頼回復に努めていく所存です」とコメントしています。
引用元 : KSB瀬戸内海放送 2019年5月10日 11時57分配信

昨年12月に盗撮行為で懲戒免職処分を受けた別の職員というのは以前の記事で取り上げている盗撮再犯の公務員の事件のことでしょうか。倉敷市ではそれから半年足らずでまた盗撮で逮捕された職員が出たようです。再発防止のための取り組みはしていたようですが役に立たなかったのでしょう。

先の記事で懲戒免職処分を受けたとされる職員も1回目の逮捕の際の懲戒処分は停職1年、この事件の被疑者となった職員も停職9か月とのことですので、倉敷市の職員の不祥事においては盗撮事件(少なくともスカート内の盗撮)の場合、1回目は停職までで済むのかもしれません。

この事件で使われた車の鍵型の小型カメラというのはいわゆるキーレス型のカモフラージュカメラでしょうか。一見しただけでは確かにカメラには見えないかもしれませんが、スカート内を盗撮しようとすれば結局直接差し入れるスマホスタイルになりますので、逆に一見しただけで盗撮を疑われることでしょう。

なお、この事件で被疑者は(おそらく)初犯と思われますが、既に納付済みの罰金額が40万円と「相場」より若干額が大きいのはキーレス型のカモフラージュカメラを盗撮のために用意したことなどが悪質と判断されたのかもしれません。

同じように逮捕されて懲戒処分を受け、職場に知られて最悪免職または依願退職で職を失うという事態に際しては30万円も40万円もたいした違いは無いと感じますが、得物によってもこうした点に違いが出る可能性があるということは注意しておいた方が良いのではないでしょうか。

大阪・茨木市 57歳の府立高校教師 女子高生盗撮容疑で逮捕 スマホでスカートの中を

大阪府立高校の57歳の教師が、スマートフォンで女子高校生のスカートの中を盗撮したとして現行犯逮捕されました。

迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたのは、大阪府立北千里高校の教師(57)です。

容疑者は11日午後10時ごろ、大阪府茨木市の阪急京都線茨木市駅のホームで、女子高校生(10代)のスカートの中を盗撮した疑いが持たれています。

警察によると、容疑者がスマートフォンをスカートの中に差し入れているのを目撃した男性が駅長室に連れて行き、スマートフォンからは盗撮した写真が見つかったということです。

容疑者は女子高校生と面識はなく、調べに対し「撮影はしていません」と容疑を否認しています。
引用元 : 関西テレビ 2019年5月11日 13時8分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

高校の教員による女子高生のスカート内盗撮事件ですが、学校内で行った盗撮ではなく、また、被害者との面識は無いとされているのでおそらく勤務先の生徒でもないのでしょう。なお、撮影はしていないと否認しているようです。

女子高生のスカート内にスマホを差し入れているのを目撃した男性に捕まり、そのスマホから盗撮した画像が見つかっている状況で「撮影はしていません」というのはどういう理屈なのか理解が難しいですが…。スマホから見つかったのは過去に盗撮した画像やネットから拾った画像などで、スカート内にスマホを差し入れはしたが撮影まではしていない、という意味なのでしょうか。

大阪府の迷惑防止条例では盗撮目的でスカート内にスマホを差し入れるという行為は明確にアウトとされますので「差し入れたが撮影はしていない」でももちろんアウトです。

大阪府 迷惑防止条例 第6条

何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
  2. 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
  3. みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。
第3項
何人も、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影してはならない。
第4項
何人も、第一項第二号若しくは第三号又は前二項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。

スマホから見つかった盗撮画像を調べればいつ撮影されたものなのかわかりますので、それがこの事件が起きた時間帯であればどれだけ言い逃れして否認していても無駄でしょう。スマホに記録された動かぬ証拠と目撃者の証言があれば有罪はまず確実と思われます。その場合はその内折れて盗撮を認めるのではないでしょうか。

57歳というと定年退職が見えてきている年齢なのでここで懲戒免職となるか停職で済むか、退職金の行方も含めて考えると非常に大きなやらかしだったと言えます。勤務先の学校内で生徒を狙った盗撮ではないので際どいところですが、性犯罪を起こした教員に対する処分には昨今厳しいものがありますので懲戒免職の覚悟は必要でしょう。

事件の経緯を読む限りでは否認しても無駄な状況と思われ、否認している限りは釈放も被害者との示談交渉もままならないので時間だけが過ぎてどんどん不利になっていくでしょう。途中で折れて認めても勾留期限までの時間が無くなって示談できなかったということになると30万円程度の罰金という処分を迎えてしまうかもしれません。

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