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盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(5月14日~5月20日)

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先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮“常習”元神奈川新聞支社長に有罪判決

神奈川新聞の元支社長に有罪判決。

元・神奈川新聞横須賀支社長の被告(59)は、去年から今年にかけて、常習的に、喫茶店のトイレ内に盗撮目的で小型カメラを設置したなどの罪に問われていた。

15日の判決で横浜地裁横須賀支部は、「犯行態様は誠に大胆で、責任は重い」と指摘したうえで、「失職して社会的制裁を受けた」などとして、被告に懲役2年・執行猶予4年を言い渡した。
引用元 : 日本テレビ 2018年5月15日 18時20分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

先月の記事でも取り上げていた神奈川新聞の元支社長に対する住居侵入、迷惑防止条例違反事件で判決が出たようです。記事の内容からすると迷惑防止条例違反についてはやはり常習として起訴されていたと見られます。

先の記事では懲役1年に執行猶予3年ほどと見ていましたが、1年も予想を上回る厳しい判決に他人事ながら軽い衝撃を受けています。

神奈川県の迷惑防止条例で常習盗撮として起訴された場合の法定刑は先の記事でも触れている通り2年以下の懲役となります。住居侵入でも起訴されているので法定刑の上限はもう少し上にあり、また、執行猶予が付けられているとは言え、児童ポルノなどが絡まない盗撮事件としては非常に厳しい罰になりました。

執行猶予が付いているので少なくとも公判請求は初めてと見られますが、盗撮の犯行態様や常習性によっては初回から常習として起訴されて厳しい罰を受けるという事例になりますので注目しておくべきでしょう。

また、最近は盗撮による迷惑防止条例違反に加えて建造物侵入などでも逮捕されるケースが珍しくなくなっています。多くの場合で迷惑防止条例違反と建造物侵入の被害者は異なりますが、いずれの被害者も被害届や告訴を取り下げずに検察官が公判請求するに至れば初回といえども罰金では済まされないことになります。
(こちらの記事でも触れているように住居侵入と建造物侵入は刑法上は同じ罪です)

この事件の場合は盗撮目的での住居侵入やトイレ盗撮、その他カモフラージュカメラを使用した盗撮が繰り返されるなどしていて特に悪質で常習的という事情はありますが、盗撮において初回だから罰金、2回目だからまだ罰金などという定説は通用しなくなってきているのかもしれません。

阪急甲東園駅ホーム、しゃがんでスカート内盗撮 大学生を逮捕

女性のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、兵庫県警西宮署は16日、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、大阪府豊中市の大学3年の容疑者(22)を逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めている。

逮捕容疑は、15日午後5時40分ごろ、西宮市甲東園の阪急今津線甲東園駅の上りホームで、電車待ちをしていた若い女性に背後から近づき、しゃがみ込んでスカート内にスマートフォンを差し入れたとしている。

同ホームでその様子に気づいた男性客2人が、容疑者と同じ電車に乗車。阪急西宮北口駅で下車した容疑者を取り押さえ、駅員の通報で駆けつけた同署員に引き渡した。
引用元 : 産経新聞 2018年5月16日 11時0分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

こちらの記事でも取り上げているようにスマホを使って盗撮することの大きなリスクの1つが誰が見ても盗撮だと気付く姿になることであってこの事件でもそうした様子が窺えます。

駅のホームで電車を待っていた女性の背後に近付き、というところまでは理解の範疇ですが、そこでしゃがみ込んでスカート内にスマホを突っ込むという行動はまるで理解できず常軌を逸しているように思えます。

普通の人ならそんなことをしたら周囲から見てバレバレだと考えますし、たまたま周囲の目が無いような状況でもどこかに防犯カメラなどがあるのではとも考えるでしょう。

この事件の被疑者はそうした状況の中でもたまたま捕まらずに何度か成功を重ねる内に感覚が麻痺していき、ホーム上でスカート内にスマホを突っ込む自分の姿が異様だと思えなくなっていたのではないでしょうか。

成人しているとは言えまだ学生なのでやり直しもできるでしょうが、間違ってもこれを教訓にしてより巧妙な手口での盗撮に発展させるようなことが無いよう願うところです。

「盗撮ハンター」逮捕 「示談金払え」脅す

東京・原宿の路上で女性を盗撮していた男性から現金100万円を脅し取ろうとしたとして、警視庁捜査1課は18日、東京都大田区南雪谷、職業不詳の容疑者(29)ら男2人を恐喝未遂容疑で現行犯逮捕したと発表した。逮捕は17日。

容疑は5月12日、渋谷区のJR原宿駅前で、男性会社員(39)に「盗撮していたでしょ。見てましたよ」「示談金を払え」などと言い、現金100万円を脅し取ろうとしたとしている。容疑者は「自分一人でやった」と容疑を認めている。こうした手口から、捜査員は2人を「盗撮ブラックハンター」と呼んでいた。

同課によると、男性は実際に女性の足などを盗撮していた。容疑者は女性の交際相手を名乗って脅迫し、男性を消費者金融に連れて行って現金を借りさせようとした。

男性が現金を借りられなかったため、容疑者が後日、100万円を持って来るよう指示。17日に五反田駅近くで待ち合わせをしていたところ、容疑者ら2人が現れたため、被害の相談を受けていた捜査員らが逮捕した。女性は容疑者らとは無関係で、盗撮にも気づかないまま現場から立ち去っていたという。

12日の現場には他に女性の兄を名乗る男らもいたといい、同課が行方を追っている。
引用元 : 毎日新聞 2018年5月18日 12時30分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

一時期話題になっていた盗撮ハンターが検挙されたという事件のニュースで、久しぶりに各報道機関が大きく報じています。

盗撮ハンターによる恐喝は盗撮という違法行為がきっかけになりますので盗撮ハンターが検挙されるには恐喝被害者が自らの盗撮行為を明かして警察などに助けを求めるしかない場合が多く、そのハードルが高いのでこうした恐喝が明るみに出ることはあまりありません。

しかし、盗撮ハンターに関する記事でも触れているように未遂であっても恐喝罪は盗撮よりはるかに重い罪なので、脅して金を取ろうというのは必ずしも割が良いとは言えません。

刑法 第249条

  1. 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
  2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

なお、この事件で盗撮ハンターらに盗撮被害者とされた女性は「盗撮にも気づかないまま現場から立ち去っていた」とのことなので、恐喝被害者の男性は本当に盗撮行為に及んでいたとしても今回の件で迷惑防止条例違反に問われる可能性は小さいでしょう。

盗撮被害者が現場におらずどこの誰だかわからなければ厳重注意程度で終わることが多く、恐喝しようという場面で相手がそれを把握しており、かつ女性が既に立ち去っていることも知られると脅すネタが無いことになりますので非常に立場が悪くなります。

それを見越して盗撮ハンターらも盗撮被害者とされる女性は別の場所で待ってもらっているなどとして会わせまいとしてきますが実際にはハッタリであって、この事件のように既に現場から立ち去っているケースもあることは留意しておくべきでしょう。

また、先の記事や他の報道でもオレオレ詐欺のように組織化された盗撮ハンターグループの存在が指摘されています。

盗撮された女性の交際相手を名乗っていたが、実際は女性と関係なかったという。調べに対し、29歳の男は「1人でやった」と供述。23歳の男は「覚えてない」と容疑を否認している。
引用元 : 読売新聞 2018年5月18日 12時30分配信

上記の記事でも取り上げられているように主犯が1人でやったと主張してグループへの延焼を防ぐマニュアルなども存在しているのでしょう。

ただ今回の件に関しては、金を払えと具体的に要求すると恐喝が成立するので表現を工夫して回避したり、盗撮被害者の女性をどうにか留めておいて脅すネタが無くならないように押さえておくなどできていないようですので、あまり充実したマニュアルではないようです。

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