先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
女児の下着姿を撮影した疑いで逮捕 男「チョコあげる」
女児の下着の写真を撮影したとして、大阪府警は22日、同府吹田市五月が丘東、無職容疑者(47)を強制わいせつなどの疑いで逮捕、送検し、捜査を終えたと発表した。大阪地検は府迷惑防止条例違反などの罪で起訴した。「女児の下着が好きだった」と話しているという。
捜査1課によると、容疑者は今年2月中旬、府内の共同住宅の階段で、5~7歳(当時)の女児3人の下着姿を携帯電話で撮影した疑いがある。
府警は、2014年5月~今年2月にかけて、容疑者がほかの女児6人(当時4~8歳)を公衆トイレや公園に誘い出し、同様の行為をしていたことを裏付けたとしている。「撮らせてくれたらチョコをあげる」などと誘っていたといい、携帯電話には女児とみられる写真が100枚以上保存されていたという。
引用元 : 朝日新聞 2017年5月22日 12時15分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
純粋な盗撮事件ではなく、女児を唆して下着を撮影したという迷惑防止条例違反事件のようです。
逮捕時の容疑には強制わいせつが含まれていたようですが迷惑防止条例違反などの罪で起訴、とされているところを見る限りでは強制わいせつでは起訴できなかったのでしょうか。逮捕したときの被疑事実で起訴できないこと自体はそれほど珍しいことではないので被疑者にとっては不幸中の幸いだったかもしれません。
女児の下着姿を撮影したとはされていますが当初強制わいせつの疑いがあったことから、お菓子などで釣って同意させた上で単にスカート内へ携帯電話を差し入れたというようなものではないのではと思われます。おそらく衣服を脱がせたとかスカートをめくり上げたなどの行為があり、その行為が強制わいせつにあたると当初は判断されたのでしょうか。
路上で背後から抱きつくなどの痴漢行為をしたとして強制わいせつで逮捕、その後トーンが落ちて強制わいせつではなく迷惑防止条例違反で起訴、というケースも割とありますが、記事にも出ているように当初強制わいせつとして対応した府警捜査1課もしくは所轄署の強行犯係にとっては色々な意味で残念な事件だったでしょう。
デジカメ仕込んだレジ袋を買い物中の女性のスカートに…盗撮の男を逮捕 京都府警
デジタルカメラで女性のスカート内を撮影したとして、京都府警南署などは23日、同府迷惑行為防止条例違反容疑で京都市南区の無職男(34)を現行犯逮捕した。容疑を認めているという。
同署によると、男はデジタルカメラを台紙に取り付けて固定し、その上から茶色のスーパーのレジ袋を重ねる細工をし、正面から見るとレジ袋だけを手で抱えて持っているように偽装。レジ袋には穴が開いていて、女性に近づくと抱えていたレジ袋を下ろし、スカート内に差し入れて盗撮していたという。
逮捕容疑は23日午後5時5分ごろ、同区内の商業施設の通路で、買い物中の大阪府枚方市内の女性会社員(22)の女性のスカートの中をデジカメで盗撮したとしている。
現場近くのJR京都駅で不審な行動をしていた男を府警鉄道警察隊の隊員が見つけ、警戒していたところ、犯行に及んだため現行犯逮捕した。
引用元 : 産経新聞 2017年5月24日 9時0分配信
後述の事件もそうですが、先週は妙な工作をして盗撮に及んだ事件が目に留まりました。たまたま先週の報道に固まっただけでこうした工作も日々行われていると思いますが、鞄や靴に仕込むオーソドックスなタイプとは違ってどことなく稚拙さを感じさせます。
記事の説明を読んでも画がパッと浮かばなかったのですが、記事で具体的な手口を明らかにするのも正直どうなのかと感じます。この方法では失敗だったというだけでこれを参考にしてより巧妙な手口を考える輩がいないとも限りません。
もっとも、目が肥えていると考えられる鉄道警察隊員が発覚のきっかけということなので、どれだけうまくカモフラージュしても挙動が不審ならアウトという口を酸っぱくして申していることと同じことだったかもしれませんが…。
あと、関係ないですが「大阪府枚方市内の女性会社員(22)の女性のスカートの中」というのは変な日本語ですね。
トイレにスマホ内蔵の鏡=盗撮容疑で28歳男逮捕―大阪府警
盗撮用にスマートフォンを仕込んだ鏡をコンビニのトイレに設置したとして、大阪府警和泉署は25日までに、府迷惑防止条例違反の疑いで大阪府和泉市いぶき野の会社員の男(28)を逮捕した。
容疑を認めており、同署は釈放後に男を送検した。
逮捕容疑は2日午後4時15分すぎ、和泉市内のコンビニの女性用トイレに、盗撮用に細工した鏡を設置した疑い。
同署によると、男はマジックミラーの裏側にスマホを貼り付け、プラスチックの外枠で隠した盗撮用の鏡を自作。スマホを録画状態にした上で、コンビニの備品を装ってトイレ個室の便座正面に設置していた。
設置から15分後に店長が発見し、同署へ通報。約1時間後、回収に来た男に任意同行を求め、逮捕した。被害者はいなかった。
府は被害者がいなくても盗撮機器の設置だけで検挙できるよう、4月に同条例を改正していた。改正条例の適用は初めてという。
引用元 : 時事通信 2017年5月25日 17時11分配信
こちらの記事でも取り上げたように大阪府では今年4月から改正された迷惑防止条例が施行されており、この事件は改正により新設された規定が適用された初のケースとなったようです。
条例が改正される前でも回収に来た時点でおそらく建造物侵入等で逮捕されていただろうと思われますが、盗撮目的でのカメラの設置だけで処罰される新設規定が初めて適用される例になったことや、手口がややユニークだったことなどで広く報道されることになりました。
すぐに釈放されていると見られるのは容疑を認めていた点と実際に盗撮被害者がいなかった点が影響しているでしょうか。
しかし、なんとなくではありますが、この被疑者については手口をブラッシュアップしてより巧妙に進化させた上で再犯に及ぶような印象があります。特に根拠があるわけではないもののそう思わせる工作意欲を感じてしまいました。
今回の事件では被害者がおらず、すでに釈放されていて比較的軽微な処分も予想されることから「やり方が悪かった」と懲りない材料になることは十分揃っていると考えられます。被疑者においてはそうならないよう願うところです。
なお、設置から15分後に店長が発見したとされているところ、別の記事では以下のように報道されていますので発見した店長というのは女性と見られます。
書類送検容疑は5月2日午後、和泉市内のコンビニ女子トイレの壁に、動画撮影モードにしたスマートフォンを裏側に貼り付けたマジックミラー(縦20センチ、横18センチ)を設置したとしている。女子従業員がすぐに見つけたため、実際の盗撮被害はなかった。
引用元 : 産経新聞 2017年5月25日 19時22分配信