先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
交際相手の男に指示されて…女性がスマホで女性用脱衣所を撮影
大分県警別府署は29日、住所不定、無職の男(32)と女を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕した。
発表によると、2人は共謀し、28日午後8時5分頃、別府市のホテル内の入浴施設で、女性用脱衣所にスマートフォンを持ち込み女性を盗撮した疑い。容疑を認めているという。
女性が撮られていることに気づき、ホテルが警察に通報した。女は男と交際しており、指示を受けて脱衣所に入ったという。
引用元 : 読売新聞 2021年6月30日 8時2分配信
ホテルの女湯盗撮のようですが、実際に盗撮した被疑者の女性は交際相手の男性の指示を受けて盗撮に及んでいたとの事です。
交際相手の男性などの指示で女性が盗撮するというケースが稀に事件になっています。盗撮事件は被疑者が男性というケースが圧倒的に多い事からも女性が盗撮した方が発覚しにくいと窺えますが、この事件のように女性用の浴場や脱衣所など男性が入る事自体が困難な場所で盗撮しようとなると必然的に女性が行う事になりがちです。
盗撮した動画をネットで販売するつもりだったり、男性側の趣味だったり、経緯は様々かもしれませんが稀にこういった事件が見られます。交際相手の男性の方も共謀したとして逮捕されていますが、実際に盗撮した女性ではなく指示した男性の方が厳しく処分される事も珍しくありません。
尚、大分県の迷惑防止条例でも風呂や更衣室などにおける盗撮行為は処罰の対象になっていますのでこのケースも例に漏れずアウトとなります。
大分県 迷惑行為防止条例 第3条
- 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること。
- 衣服等で覆われている人の下着若しくは身体(以下この号及び次号において「下着等」という。)をのぞき見し、若しくは撮影し、又は下着等を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を下着等に向け、若しくは設置すること(次号に規定する方法により行われる場合を除く。)。
- 衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、下着等の映像を見、若しくは撮影し、又は下着等を撮影する目的で写真機等を人に向け、若しくは設置すること。
- 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、前項第2号又は第3号に掲げる行為をしてはならない。
何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所に当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、若しくは撮影し、又は当該状態でいる人の姿態を撮影する目的で写真機等を人に向け、若しくは設置してはならない。
現場が脱衣所となっているこの事件では第3項に該当していると考えられます。因みに盗撮できていなかったとしても、盗撮準備行為も処罰の対象になる規定がありますので盗撮する目的でスマホを向けていた時点でアウトになります。
2人組で盗撮していたとなるとこれまでにも同様の手口で盗撮していた事が疑われますので余罪が出てくる可能性があります。今回の事件だけでも50万円程度の罰金は避けられないように思われますが、更に余罪が出てくるようだとそれだけでは済まなくなってくるかもしれません。
商業施設のトイレで盗撮の疑い 会社経営者の男を逮捕
兵庫県川西市の商業施設の女子トイレに侵入し、女性を盗撮した疑いで会社経営者の男が逮捕されました。
建造物侵入と迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、宝塚市に住む自称・リサイクル業経営の37歳の男です。男は今年4月、川西市の商業施設「ベルフローラ・かわにし」の女子トイレに侵入し、個室に入っていた女性(24)を盗撮した疑いがもたれています。
警察によると、女性と隣り合うトイレの個室に潜伏し、個室を隔てるパネルの上から覗き込む様な形でスマートフォンをかざし、女性を撮影していたということです。被害に遭った女性とは別の女性が、トイレにいる男を不審に思い、声をかけると逃げ出したことから事態が発覚しました。
警察の調べに対し、男は「スリルを味わうためと性的欲求を満たすためにやりました」と容疑を認めています。男のスマートフォンからは、同様の手口で女子トイレで撮影された複数の動画が見つかっているということで、警察は余罪があるとみて調べを進めています。
引用元 : 関西テレビ 2021年6月30日 17時56分配信
商業施設でのトイレ盗撮事件です。事件そのものは4月の事のようですのでそれから2,3か月程経ってからの後日逮捕の模様です。
女子トイレに侵入した被疑者が個室の仕切りの上からスマホをかざして盗撮していたとの事でトイレ盗撮としてはありがちな手口です。女子トイレにいた被疑者を目撃した女性が声をかけたところ逃走したようで、それで発覚したとの事ですがその場で取り押さえられていればそのまま逮捕されていても不思議ではない内容ですのでその場からは逃げる事ができていたのでしょうか。
ただ、被疑者のスマホからトイレ盗撮の動画が複数見つかっているとの事で、当時現場から逃げていたのであれば盗撮動画をスマホに残したままにしておくとは考えにくく、その場で一度取り押さえられスマホを押収された上で逮捕はされず、在宅のまま捜査されていた事件について今回逮捕されたという事もあるかもしれません。
スマホに保存されていた他の盗撮動画から余罪が立件されるかどうかにもよりますが、建造物侵入と迷惑防止条例違反との事で罰金としても50万円を下る事は無いのではないでしょうか。
穴開きスニーカーに"スマホ"忍ばせ盗撮行為…女子高校生スカートへ入れる 「下着撮りたかった」少年逮捕
スニーカーに仕込んだスマートフォンを女子高校生のスカート内に差し入れたとして、18歳の少年が逮捕されました。
北海道迷惑行為防止条例違反の現行犯で逮捕されたのは、北海道日高地方に住む会社員の18歳の少年です。少年は6月30日午後6時10分ごろ、新ひだか町内の雑貨店で女子高校生のスカート内にスマートフォンを差し入れ、警戒中だった警察官にその場で逮捕されました。
警察によりますと少年は、履いていたスニーカーにスマートフォンを入れカメラレンズ部分に穴を開けて動画撮影ができる状態で雑貨店に入店。商品を見ていた学校帰りの女子高校生2人組に背後から近づき、スカート内に足を差し入れたのを私服警察官が目撃し、その場で逮捕しました。
同町内の商業施設では事件数日前から"若い女性にくっついて歩く男がいる"などと不審者に関する通報が寄せられていて、当時警察が周辺を警戒していました。
調べに少年は「下着を撮りたかった」などと話しています。警察はスマートフォン内の動画などを確認し、少年の余罪なども追及することにしています。
引用元 : UHB北海道文化放送 2021年7月1日 17時50分配信
靴にカメラ等を仕込んで盗撮するいわゆる靴カメを用いた盗撮事件です。被疑者が18歳の事なので少年事件となります。
靴カメでは特殊な小型カメラを靴に仕込んで足の甲部分などから小さなレンズだけ出すという手口がポピュラーなように思っていましたが、靴やサンダルにスマホを入れるというケースも割と多くてこの事件もそうした例の一つとなるようです。スマホサイズの物を靴に仕込んだらシンプルに歩きづらくて傍目にも不自然に見えるようにしか思えませんが…。
元々現場の商業施設では「若い女性にくっついて歩く男がいる」という通報が寄せられていたようで、案の定不審に見えていたのではないでしょうか。歩き方がぎこちなくなっている上にスカートの下に足を入れていたりしていてより具体的に「盗撮なのでは」という通報も出ていたのかもしれません。
そうした通報を受けて私服警察官が張り込んでいたようですがその警察官の前でまんまと靴カメ盗撮をして見せたようで、その場で取り押さえられて逮捕された模様です。靴にスマホを入れるという無茶な手口が不自然な挙動として表れていて捕まるべくして捕まったというような印象を受けます。
商業施設でのスカート内盗撮ですので迷惑防止条例違反となる事に疑いの余地は無さそうですが、被疑者が未成年の18歳ですので少年事件という事になり、手口が悪質とはいえ成人と比べると軽い処分で済まされるのではないでしょうか。厳しくても保護観察処分程度ではと思われますが、被害者との示談の行方、謝罪や反省の態度次第では不処分という事もあり得るかもしれません。