盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(7月3日~7月9日)

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先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮の疑い 徳島県市議を書類送検

駅の構内で女子中学生のスカートの中を盗撮したとして徳島市議会議員が4日、書類送検されました。県の迷惑行為防止条例違反の疑いで書類送検されたのは、徳島市の市議会議員(39)です。

容疑者はことし5月18日と19日、JR徳島駅の構内に座っていた女子中学生のスカートの中を盗撮した疑いが持たれています。

警察によると、駅構内でスマートフォンを持ち不審な動きをしていた容疑者を見た人が交番に通報、警察官が確認したところ、盗撮した写真が見つかったということです。容疑者は、先月26日に会見を開き、「建設予定がある市のホールへの動線を撮影していた」と盗撮を否定しています。

市議会事務局によると、容疑者が辞職する予定はないということです。
引用元 : 関西テレビ 2017年7月5日 12時18分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

前回の記事でも取り上げていた社民党所属の徳島市議の盗撮疑惑の続報のようです。前回までは警察から任意で事情を聴かれているまでに留まっていたところ、迷惑防止条例違反での書類送検が行われて報道での呼称も容疑者となっています。

「建設予定がある市のホールへの動線を撮影していた」としながらスカート内の下着が写った写真が含まれていたのは事実のようですが、調査のための多くの写真の中で疑いのある写真が2枚だけ、盗撮の目的があって繰り出したにしては非効率に感じていたので偶然と強弁してやり過ごせそうなセーフ寄りの事案のように思っていましたが警察は甘くなかったようです。

何かの腕章をつけたりなどして市議としての活動だという立場を見た目でアピールしたりしていれば現場で通報されることもなかったかもしれないところ、どんな格好をしていたのかはわかりませんがスーツ姿や作業着姿でスマホを構えながら駅構内をうろついていれば不審に思われるのも無理はありません。

まだ書類送検されただけなので最終的には嫌疑不十分などお咎めなしといった処分になる可能性もあります。当初は議員を辞職する意向を示していたものがその後の会見では「しかるべき時期に判断」とトーンが落ち、そしてこの記事では辞職する予定は無いとだいぶ突っ張ってきている印象を受けますが、辞職はせずとも今回の事件によるイメージ悪化は避けられず、次回の選挙ではどうなることでしょうか。被害者が女子中学生というのも印象が非常に悪いものです。

盗撮AV見て「自分でもできる…」 群馬県警巡査部長を盗撮容疑で書類送検

群馬県警に勤務していた30代の男性巡査部長が、2月に東京都内で盗撮をしたとして、都迷惑防止条例違反の疑いで警視庁に書類送検されていたことが分かった。男性は盗撮を認め、「盗撮のアダルト作品を見て自分でもできると思った。恥ずべき行為をした。深く反省している」としている。

書類送検は3月30日付。同日、県警は男性を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とし、男性は辞職した。その後、裁判所から罰金20万円を命じられた。

書類送検容疑は2月18日、豊島区内のデパートでショルダーバッグに隠し持った小型カメラで、女性客を盗撮したとしている。

同日、男性は勤務日ではなかった。

県警監察課は「警察庁の指針を参考にし、事件の概要を検討した上で私的な行為であることから、発表するに至らないと判断した」と説明した。同課は「県民の信頼を損なう事案を起こし、誠に遺憾。再発防止に取り組む」としている。
引用元 : 産経新聞 2017年7月5日 12時19分配信

「自分でもできると思った」というフレーズと警察官による盗撮事件ということで、前回の記事を含めて何度か取り上げている神奈川県警の警察官による事件の話かと一瞬勘違いしましたが、全然別の群馬県警の話でした。

実際に盗撮行為に及ぶくらいの人であればインターネット上で公開・販売されている盗撮動画を視聴したことはあるでしょうから、そういった動画に触発されて自分でもできると思ったというのは今ではよくありがちなきっかけになっていると見られます。そういった見出しで警察官による盗撮事件の報道が続いたのはたまたまかもしれませんが、盗撮で捕まった人の多くがこういった供述をしているとしたら、それを受けて違法な盗撮動画の流通を規制する方向になっていくのかもしれません。

盗撮動画に触発されたということが強調されている点と被疑者が警察官という点以外では、事件そのものは取り立てて珍しい内容でもないですが、群馬県警監察課の「発表するに至らない」という判断には多くの人が疑問に感じるところではないでしょうか。

同様のきっかけ、手口で盗撮行為に及んで逮捕されている神奈川県警の警察官の事件は現に報道されているわけで、近場では警視庁の警察官の場合でもおそらく発表されるだろうと見られるところ、この事件の場合は身内に甘い、不祥事隠しの体質が透けて見えます。

こんなことを言い出したらエスカレーターなどでスカート内にスマホを直接突っ込んで盗撮したというような稚拙で比較的軽微な盗撮事件などは今後群馬では発表できなくなります。指摘されなければ黙っていたのでしょうから「県民の信頼を損なう事案を起こし」たのは捕まった警察官だけの話なのか、と感じてしまいます。

カメラを向けただけで条例違反?「盗撮冤罪」から身を守れ〈アサヒカメラ〉

夏到来! 肌の露出が増えるこの季節、カメラ好きなら気をつけたいのが「盗撮冤罪」。実はこの数年、全国の都道府県で迷惑防止条例が続々と改正され、「カメラを向けただけで条例違反」と疑われかねない事態になりつつあるのだ。われわれはどう対処すべきか。『アサヒカメラ2017年7月号』で、撮影に関する法律問題に詳しい三平聡史弁護士に話を聞いた。

(中略)

次はグレーゾーンの(3)「被写体の承諾はなく、肖像権を侵害」です。もちろん(2)と同様にわいせつ目的ではないことが大前提です。相手の承諾を得ずにこっそり撮影したことに加え、その人の顔をアップで撮る、明らかにその人を狙ったことがわかるように撮った場合です。これは相手から画像の削除を要求されたり、経済的損失が出た場合などは賠償を要求されたりする可能性があります。

(中略)

そして完全に「クロ」なのが、(4)「被写体の承諾はなく、刑罰のある法律や条例に違反する」です。女性のスカートの中を無断で撮影したり、更衣室にカメラを設置し、着替えの場面を隠し撮りしたりするといったわいせつ目的の撮影は迷惑防止条例違反で、明らかな犯罪行為です。

(中略)

最近、各都道府県で迷惑防止条例の改正が相次いでいます。ストーカー規制法などもそうですが、現行の法律や条例でカバーしきれない犯罪が多発すれば、それに応じて新たな法律の制定や、条文の改正が行われます。

ただし、法律には「明確性の原則」という考え方があります。「犯罪行為は、具体的かつ明確に規定されなければならない」というものです。

もし、法律の文章が抽象的で漠然としていたり、不明確だったりすると恣意的な法の適用を招く恐れがあります。

また、そのことによって人々に萎縮的効果をもたらす可能性もあります。

たとえば、条例には<人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法>という一文がありますが、被害者がそう感じるかどうかなのか、加害者が犯行時に抱いていた気持ちなのかは明確ではありません。ほかにも<通常衣服で隠されている下着又は身体>という一文も、具体性に欠けるあいまいな表現です。

これが民事であれば、いくらでも時間をかけて議論することができます。しかし、刑事の場合はその場で身柄が拘束されるわけですから、恣意的な運用がなされるべきではありません。このように犯罪行為の規定は、「明確性の原則」が求められるのです。
引用元 : アエラ 2017年7月6日 16時0分配信

これは盗撮事件の記事ではなく、これまでもたびたび触れている各自治体の迷惑防止条例改正による盗撮の前段行為や準備行為に関する記事です。カメラを向けただけでアウトと短絡されていることから「盗撮冤罪」なる言葉が見出しで強調されています。

朝日新聞出版のアサヒカメラとアエラなので記事の文脈やスタンスとしてはさもありなんとしたところですが、現実問題として盗撮の冤罪が起きる余地は皆無に等しいでしょう。痴漢の冤罪とは異なり、盗撮の目的や悪意といったものは動かぬ証拠として記録されている画像や映像に反映されるものです。

警察はバカではありません。この記事で危惧されているようなケースで事件化することは無いでしょうし、むしろこれまで逃してきていた、本来はクロの事案に網をかけるための条例改正ですので一般の写真好きが恐れることは何もありません。

そもそも、ボーダーラインがどこにあるのか段階的に探るにあたって「被写体の承諾はなく、肖像権を侵害」をグレーゾーンと位置付けているところが不思議です。違法性の有無という点ではグレーゾーンでしょうが、アサヒカメラとアエラはそのようなボーダーラインを探りたい反社会的な読者を想定しているのでしょうか。

「相手の承諾を得ずにこっそり撮影」「その人の顔をアップで撮る」「明らかにその人を狙ったことがわかる」などは事件性が無くとも、相手が知人でない限り世間一般の目線ではアウトとわかりきっています。

条文は明確性や具体性に欠けるとしている点にも疑問を感じます。これまで同様の条文で運用してきて問題があった事例は聞いたことがないのですが、痴漢の冤罪に関する記事では現実に起きた冤罪の事例が紹介されることも少なくないところ、この記事ではそうしたものもなく印象論に終始している点でお察しといったところでしょうか。

いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正に関する話題でもたびたび目にした文言が並んでいることからも、冷静に考えられる人であればこの記事が指摘するような心配は無いと判断できることでしょう。

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