盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(7月10日~7月16日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮摘発、過去最多ペースの県 カメラ性能向上、規制強化を検討

福井県内で盗撮事件の摘発が増えている。県警によると今年は5月末までに16件を摘発、昨年1年間の5件を大きく超え、過去5年で最も多かった2014年の22件を上回るペースとなっている。スマートフォンの普及やカメラの性能向上が背景にあり、県警は迷惑行為に対する規制強化を検討している。

福井市で東京ディズニーリゾートのキャラクターによるパレードがあった4月23日、妻と訪れた坂井市の60代男性は、通りを埋めた観衆の中に、女性2人の後ろを付きまとう不審な男を見つけた。男の動きを注視していると「片手に持ったかばんを女の子に押しつけ、もう片方の手に持った携帯電話の画面に女の子のお尻が写っていた」。盗撮していると確信して取り押さえ、駆け付けた警察官に引き渡した。

逮捕された50代の男が盗撮に使っていたのは、無線機能が付いた小型のウエアラブルカメラ。手提げかばんの外ポケットに入れ、女性のスカートに押し付けて盗撮、無線を使ってスマホにデータを送り、その場で確認していた。男は公判で、小型カメラを「盗撮目的で買った」と供述。パレード中、ほかに15人を盗撮したと認めた。

(中略)

盗撮の取り締まり強化に向け、全国では迷惑防止条例を改正する動きが広がっている。これまでの規制は、道路や公園など「公共の場所」や、電車など「公共の乗り物」での盗撮を禁じていたが、改正後は会社事業所や学校の教室などにも拡大。さらに、盗撮目的でカメラを人に向けたり、カメラを設置することも規制の対象としている。富山県議会も6月議会で県迷惑防止条例改正案を可決、9月に施行される。

福井県警も規制の強化を検討しており、岡田治和生活安全部長は、4日開かれた県議会土木警察常任委員会で「方針、方向性がまとまれば、県民から意見を聞きたい」と述べた。
引用元 : 福井新聞 2017年7月12日 11時0分配信

盗撮事件に関する報道が主ではなく福井県でも迷惑防止条例の改正による規制強化が検討されているという内容の記事です。記事の中で触れられている東京ディズニーリゾートのキャラクターによるパレードの日の事件は以前の記事でも取り上げたもののようで、取り押さえられるまでの経緯が紹介されています。

その事件で使用していたとされるのは小型のウェアラブルカメラとのことですが、Wi-FiやBluetoothなどでスマホと接続させ、カメラの映像をスマホでモニタリングしながら録画の開始や停止等の操作を行うことができる機能が最近では珍しくありません。

盗撮に用いようとした場合、カメラ本体に直接触れずにスマホから操作できればそもそも便利ですし傍目にも不自然に見られにくくなりますが、それよりもカメラの映像をリアルタイムでモニタリングする機能は効率的に盗撮できるという点や盗撮のリスクを小さくできるという点などにメリットがあります。

丈が短いスカートでもその下に短パンなどを着用して下着を見られないようにしている女性が非常に多くなっているところ、一見しただけではスカートの下が下着なのか短パンなのかわからず、実際に盗撮してみないと確認できないのが普通でしたが、下着だろうと短パンだろうと盗撮行為自体のリスクに違いは出てきません。

しかしながら、いざ盗撮して得た画像や映像に写っていたものが下着ではなく短パンだったりすると無駄だったと考える人が多いので、本格的な盗撮行為に及ぶ前にスマホでモニタリングしてスカートの中を「チェック」できれば無駄なことに時間を費やさずに済むことになり、また、無駄なことによるリスクを避けることもできます。

これでは盗撮に用いられるようになるのも仕方ないと感じますが、上記の記事の中で触れられているような落とし穴もあります。最近のスマホは画面サイズが大きく、特に人が多い場所などではスマホの画面を覗き込むのは比較的容易なので、スカートの中をモニタリングしているスマホの画面を誰かに見られる恐れがあります。

また、この事件ではスマホの画面を見られる恐れ云々以前に「女性2人の後ろを付きまとう不審な男」として挙動を怪しまれているので、テクノロジーの進歩により便利に盗撮できるようになっても結局は挙動が肝心ということを証明してもいます。

それでも盗撮における利便性や効率性、リスクを小さくできる点などに大きなメリットがあるので今後もこうしたカメラが盗撮に用いられるようになることは増えてくると見られます。

元常勤講師、起訴内容認める 地裁尼崎支部初公判 /兵庫

女子生徒のスカート内を盗撮したとして県迷惑防止条例違反の罪に問われた報徳学園中学の元常勤講師(33)の初公判が12日、神戸地裁尼崎支部(澤田正彦裁判官)であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

起訴状によると、被告は昨年7月~今年1月、宝塚市や西宮市内で、クラブ活動の合同練習に参加した私立中・高校の女子生徒計4人のスカートの中をスマートフォンで盗撮した、とされる。

検察側は冒頭陳述で、撮影時の音を消すアプリを使って11年か12年ごろに駅などで、14年ごろから合同練習で盗撮をし、年間300回以上繰り返していたと指摘。被告が今年3月に電車内で女性を撮影してトラブルになり、西宮署員にスマホを任意提出し、自宅も捜索されたが、新しいスマホを買って盗撮を続けていたことも明らかにした。

被告は5月に同署に逮捕された。報徳学園によると、被告は1年契約の常勤講師だったが、逮捕後まもなく契約を解除した。
引用元 : 毎日新聞 2017年7月13日 14時51分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

先々月の記事で取り上げていた事件で、珍しく裁判のことまで報道されています。盗撮に限らず一般の事件に関する報道となるとそのほとんどが逮捕したといった内容ですが、たまにこうして裁判まで報道されることがあります。

盗撮動画の販売が絡むなどして逮捕時は大々的に報道されていてもその後に起訴をした、裁判をした、といった報道が無いことは往々にしてありますが、この事件については逮捕時に報道されていた経緯が盗撮事件としてはありがちでそれほど珍しい内容でもなかっただけに、捜査の過程で明らかになったこととのギャップが大きかったのかもしれません。

記事によると駅などでの盗撮は11年か12年頃からとのことなので最短でも5年間といったところでしょうか。今から3年前からはクラブ活動の合同練習も「狩場」として加わったようですが、この間に年間300回以上というのは明らかに常習性が認められる頻度と言えます。

冒頭陳述での話なのでその全てが裏付けられているわけではないと思いますが、その点に争いがあるような内容でもなく本人の供述に基づいているのでしょうから実際にそれくらいの頻度で盗撮していたのだろうと見られます。裏付けられない分は過少申告している可能性もあるので、場合によってはもっと多いのかもしれません。

さらに今年3月に盗撮の疑いを持たれ、その際にスマホを任意提出して自宅の家宅捜索も受けていながら盗撮のためにまた別のスマホを調達しているとのことで、盗撮への欲求が病的なほど根深いことも窺えます。

気になるのは被告人の前科前歴などに触れられていないのでこれが初犯なのかどうかといった点と、常習として起訴したのかどうかといった点でしょうか。後者については常習と判断しても差し支えないと思われますが、前者についてはこれが初犯だとしたら罰金の略式命令が飛ばされていきなり公判請求されていることになるので相当厳しい処分と言えます。

別の記事について上述しているように迷惑防止条例の盗撮に関する規定が全国的に厳しく改正されていっている中、態様や常習性などによっては初犯といえども罰金では済まされないケースが増えてくるのかもしれません。

盗撮容疑 携帯が女性の脚に触れて発覚 国交省職員を逮捕

大阪・梅田の地下街で40代の女性会社員のスカート内を携帯電話で盗撮したとして、大阪府警天満署は15日、国土交通省兵庫国道事務所係長(42)=大阪府枚方市南中振2=を府迷惑防止条例違反(卑わいな行為)の疑いで現行犯逮捕したと発表した。携帯電話に女性のスカート内を撮影した動画が残っており、容疑者は「盗撮した」と認めているという。

逮捕容疑は14日午後8時ごろ、大阪市北区梅田1の曽根崎地下歩道のエスカレーターで、女性のスカート内を盗撮したとされる。容疑者の携帯電話が女性の脚に触れて発覚。通行人男性3人が逃走した容疑者を取り押さえ、天満署員に引き渡した。

同署などによると、容疑者は兵庫国道事務所(神戸市中央区)の管理第2課に所属し、帰宅途中だったという。
引用元 : 毎日新聞 2017年7月15日 11時10分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

携帯電話が脚に触れて盗撮が発覚、というありがちな凡ミス事案です。大抵はガッツリ当たるわけではなく何かが軽く触れた程度の感触だと思われますが、脚に何かが軽く触れても気づかない、または気にしない女性や気づいて振り返ったときに盗撮の疑いを持っても声を上げられない女性もいる中、「盗撮です!」と大声を上げる女性に当たってしまったのは運が悪いと言えば悪いです。

携帯電話やスマホを直接差し入れた場合はこうした凡ミスが起きやすくもなるでしょう。もちろん鞄などにカメラを仕込んで盗撮する場合でも近づけすぎて脚に触れるといったことは起き得ますが、よほど不自然な状況でない限り、例えば電車の中などでは盗撮ではなくとも鞄が当たるくらいのことはありえるので、脚に鞄が当たったことがイコール盗撮とはなかなか結び付きません。

しかし、脚に何かが当たって振り返ってみたらすぐ後ろにいた人がスマホを持っていた、という状況では確信に至らずともすぐに盗撮の可能性を疑う女性は少なくありません。というか普通は盗撮されたと思うことでしょう。

また、こうした凡ミスをやらかしたとき、挙動不審にオロオロしたり逃走したりといった行動で被害者が確信を持って盗撮を追及してくることが考えられるので挙動や対応などの工夫で逆に勘違いだと思わせる、といった対策が聴こえてくることもあります。

もっとも、どのように対応したところで逃げられないように囲まれた上でスマホを見せろと言われたら拒否し続けることは困難と思われますので、むき出しの携帯電話やスマホで盗撮する向きにおいては致命的な凡ミスということになるでしょう。

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