先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
税務署職員、女性のスカート内盗撮の疑いで逮捕 「腕の曲げ伸ばしをして、しびれを取りたかった」
出勤途中の駅のエスカレーターで女性のスカートの中にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、税務署職員の男が逮捕されました。
大阪府の迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたのは、大阪国税局「北税務署」の上席国税調査官(49)です。
警察によると12日午前7時半ごろ、南海本線「なんば」駅の上りエレベーターで女性のスカートの中にスマートフォンをかざしたりポケットに戻したりして不審な動きをしている容疑者を会社員の男性が目撃しました。エレベーターを上り切ったところで、男性が呼び止め追及すると容疑者は「何やねん！」などと叫び、逃げようとしたため、駆け付けた駅員が取り押さえました。警察が容疑者のスマートフォンを調べたところ、女性のスカートの中などが撮影された1分程度の映像が残されていました。
調べに対し容疑者は「女の人に対してスマホを出したりひっこめたりしたのは、腕の曲げ伸ばしをして、しびれを取りたかったから」と容疑を否認しています。職員の逮捕を受け大阪国税局の萩尾大介・国税広報広聴室長は「誠に遺憾。事実であればあるまじき行為であり、組織として厳正に対処する所存です」とコメントしています。
引用元 : 関西テレビ 2021年7月12日 16時0分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
税務署職員によるスカート内盗撮事件ですが、被疑者は否認しているとの事です。被疑者の不審な動きを見ていた男性が声をかけたところ逆ギレして逃げようとしたとの事で、その場で取り押さえられたようですが妙な言い訳で否認しているようです。
曰く「スマホを出したりひっこめたりしたのは、腕の曲げ伸ばしをして、しびれを取りたかったから」という事ですが、言い逃れとしてはちょっと苦しいのではないでしょうか。そうするにしてもスマホを持ったままやる必要が無いし、録画状態だったのは何故かと誰しもが思うところでしょう。
被疑者のスマホを調べたらスカート内が撮影された動画が残されていたとの事で、ここから録画状態だった事が窺えますが、上述の通り腕の曲げ伸ばしで痺れを取りたかったのならスマホを持たなくてもいいし録画状態になっているのも変ですし、最悪誤操作でそうなっていたとしても偶々スカート内が撮れるようなスマホの向きになっていたというのもおかしな話です。
素人でもそう感じるのですから取り調べで刑事に詰められているのは必定で、認めないでいるのもだんだん苦しくなってくるのではないでしょうか。その内折れて認めるのではという気がします。
一方で盗撮事件としては特殊な手口でもなくスマホをスカート内に直接差し入れるというありがちな内容ですので、被害者との示談ができれば不起訴という可能性もあるでしょうし、示談ができなくてもせいぜい罰金30万円といったところではないでしょうか。
病院の更衣室を隠しカメラで盗撮…“病院食を作る調理師”が逮捕 神戸市西区
神戸市西区の神出病院で、女性用の更衣室を隠しカメラで盗撮したとして、病院に出入りする調理師の男が逮捕されました。
兵庫県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは調理師の容疑者（５０）です。容疑者は神戸市西区の神出病院で病院食を作る仕事をしていて、２０１９年以降に病院内の女性用の更衣室に小型カメラを設置して、女性職員２人（２０～３０代）の着替える様子を盗撮した疑いがもたれています。
警察によりますと、「明石市の集合住宅の通路にカメラが設置されている」と住民から通報があり、カメラの映像記録には病院の更衣室や容疑者の顔が映っていたということです。
容疑者は「覚えていません」と容疑を否認しています。
神出病院をめぐっては、２０２０年に入院患者同士に無理やりキスをさせるなどの虐待を繰り返したとして、元看護助手ら６人が有罪判決を受けています。
引用元 : MBS 2021年7月15日 10時41分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
病院に出入りしていた調理師による着替え盗撮事件のようで、こちらも被疑者が否認しているようです。
病院の更衣室における着替え盗撮で逮捕されていますが発覚したきっかけはその盗撮ではなく全く別で、「集合住宅の通路にカメラが設置されている」という通報だったようです。設置されていたカメラに病院の更衣室での盗撮が記録されていて、更に被疑者の顔も映り込んでいた事で特定に至ったと見られます。
ただ、その更衣室における盗撮が行われたのが2019年以降と表現されている事から割と古い話と思われ、否認しているというのももしかすると古い話だという事で白を切れると考えているのかもしれません。実際のところ「やっていない」という否認ではなく「覚えていない」という事なのでこちらもその内言い逃れできなくなって認めるのではないでしょうか。
尚、兵庫県の迷惑防止条例では風呂やトイレ、更衣室などでの盗撮行為は公共の場所や公衆が利用できる場所といった制限が無いので病院の更衣室で行われたこの事件も当然アウトとなります。
兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2
- 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
- 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器（以下「写真機等」という。）を設置する行為
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所（公共の場所を除く。）又は乗物（公共の乗物を除く。）において、次に掲げる行為をしてはならない。
- 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
- 前項第２号に掲げる行為
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。
この事件では第3項に該当していると考えられます。因みに、盗撮目的でカメラ等を設置する盗撮準備行為に関する規定もありますので、盗撮できていなくても更衣室などに仕掛けるだけでアウトになります。
別件の通報から事件が発覚しているため他にも余罪が出てくる事があり得ますが、着替え盗撮となると今回逮捕された事件だけでも50万円程度の罰金は覚悟しておいた方が良いのではないでしょうか。
レントゲン技師が女子中学生盗撮で逮捕 千葉・市川市
千葉県市川市の診療所内にあるレントゲン室で、女子中学生が服を脱ぐ様子をスマートフォンで盗撮したとして、レントゲン技師の男が逮捕されました。
児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたのは、東京・墨田区のレントゲン技師（３０）です。容疑者は去年１１月、勤務先の市川市の診療所でレントゲンを撮影する際に、レントゲン室の棚の上に隠して設置していたスマートフォンで、女子中学生の上半身や服を脱ぐ様子を盗撮した疑いがもたれています。
警察によりますと、別の事件の捜査で押収した容疑者のスマホから女子中学生を盗撮した画像データが見つかったため、事件が発覚したということです。容疑者は、調べに対して容疑を一部否認していますが、容疑者のスマホからは他の女性を盗撮したとみられる画像も見つかっていて、警察は余罪があるとみて捜査を進めています。
引用元 : TBS 2021年7月16日 12時51分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
レントゲン技師がレントゲン室で服を脱ぐ患者を盗撮したという事件で、被害者が女子中学生との事ですので逮捕容疑は児童ポルノ禁止法違反になっています。また、こちらの事件でも全面的ではないようですが被疑者が一部否認しているようです。
レントゲンというと経験のある方も多くいらっしゃるかと思いますが、撮影する部位によっては服を脱ぐ場合がありますのでそれを悪用したのでしょう。女子中学生がレントゲン撮影するという事で事前にスマホを仕掛けていたのであろうと思われます。
しかし、その時の盗撮がバレて事件が発覚した訳ではないようで、別件の捜査で押収した被疑者のスマホからその時の盗撮データが出てきて発覚しています。別件というのも盗撮である可能性はありますが、新たに発覚したのが迷惑防止条例違反より重い児童ポルノの盗撮製造だったのは警察にとっては掘り出し物であったのかもしれません。
一部否認しているというのがどういう点を否認しているのか定かではありませんが、被疑者のスマホからは更に別の盗撮データも出てきていて余罪多数と見られますので逃げ切る事は難しいように思われます。この事件に限らず何故犯罪の証拠となり得る盗撮データをスマホに保存したままにしておくのか理解に苦しむところですが…。
今回の事件だけであれば罰金としても50万円程度で済むかもしれませんが、元々捜査が進められていた事件に加えてスマホから出てきたまた別の余罪もありますので複数で事件化されると罰金では済まされず公判請求される事もあるのではないでしょうか。
