盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(8月7日~8月13日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮目的…更衣室にカメラ設置 小学教師逮捕 神戸市

勤務する小学校の女子更衣室に盗撮目的でカメラを設置したとして、神戸市の公立小教師が逮捕されました。

兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、神戸市立の小学校で1年生の担任をしている教師(30)です。容疑者は先月28日、勤務先の小学校で盗撮をしようと、プールの女子更衣室内にある高さ1メートルほどの棚の上に、小型カメラを設置した疑いが持たれています。掃除をしていた保護者がカメラを見つけ、学校が警察に通報しました。カメラが見つかった日はプールの開放日で、多くの女子児童が更衣室を利用していたということです。

警察に対し容疑者は、「盗撮しようとしたことに間違いない」と容疑を認めています。市教委は、「事実を確認して、厳正に処分したい」とコメントしています。
引用元 : 朝日放送 2017年8月9日 18時57分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

被写体として狙っていたのが小学生女児と見られますので盗撮できていれば児童ポルノの製造という可能性もあったところ、逮捕容疑も「盗撮目的でカメラを設置した」というまでに留まっていますので実際には盗撮できていなかったということでしょうか。

兵庫県では昨年の条例改正で、盗撮目的でカメラを設置する行為自体を罰している他、迷惑防止条例違反が適用できない自治体もある公共の場所や乗物以外の場所での盗撮も罰することができるようになっています。

兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
  2. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
第2項
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
  2. 前項第2号に掲げる行為
第3項
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

この事件の場合は女子更衣室とのことなので第3項の適用でしょうか。こうして改めて見てみると兵庫県の条例は比較的厳しく規定されていることがわかります。

カメラを発見したのは掃除をしていた保護者とのことですが、高さ1メートルほどの棚の上となると小学生からでも自分の目線より下になりますのでだいぶ目立つのではないでしょうか。記事の中でカメラのカモフラージュに触れられていないところ、まさかむき出しのカメラを置いていたわけではないでしょうが、この日に見つかっていなかったとしてもそのうち見つかっていただろうと感じてしまいます。

なまじ盗撮が成功してそれを続けた結果、児童ポルノの製造となって罪が一気に重くなるよりはまだ良かったのかもしれません。

54歳養護学校教諭を盗撮で逮捕 バックにカメラ 信号待ちの女子大生狙う

女子大学生のスカート内を盗撮したとして、大阪府警南署は9日、島根県立出雲養護学校教諭(54)=島根県出雲市知井宮町=を府迷惑防止条例(卑わいな行為の禁止)違反の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めている。

逮捕容疑は9日午後2時20分ごろ、大阪市中央区難波3の繁華街で、信号待ちしていた10代の女子大学生の足元にかばんを置き、中に入れたビデオカメラをスカート内に差し向けたとしている。

南署によると、ビデオに大学生や別の女性の下着が映った動画が保存されていたという。容疑者は8日に京都府内であったIT講習会に参加し、9日は休暇中だった。
引用元 : 毎日新聞 2017年8月9日 20時23分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

こんな状況で盗撮しても信号待ち中では短時間しか撮れず、停まっているので映像として動きも無い上に足元に置いた鞄からの撮影ではスカート内まで遠い、と映像だけ想像しても良いことがまるで無いように思われますが、被疑者はそれで満足だったのでしょうか。

駅のホームで電車待ちしている間などであればまだわかりますが、繁華街の交差点で信号待ちしている間に盗撮できるほど足元に寄せて鞄を置くのは誰が見ても不自然です。別の記事では以下のように報道されていますのでやはり不自然な挙動と見られ職務質問に至っているようです。

逮捕容疑は同日午後2時20分ごろ、大阪市中央区難波の交差点で、ビジネスバッグにビデオカメラを隠し、信号待ち中の10代の女子大学生のスカート内に差し入れたとしている。

同署によると、パトロール中の署員が不審な動きをする容疑者に職務質問したところ、バッグのポケットから録画モードにしたカメラが見つかった。
引用元 : 産経新聞 2017年8月9日 20時42分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

得物にいくら工夫を凝らしてもやり方や挙動で台無しになる好例と言えなくもありませんが、ここまであからさまに不審な挙動ではそれ以前の問題かもしれません。今後、懲戒処分からの依願退職という恒例のコンボが待っていると考えると、たいしたモノになりそうもない映像(これは想像ですが)の代償は非常に大きくなったと感じます。

高校教師 盗撮しようとした疑いで書類送検 大阪

大阪府内のコンビニエンスストアで女性のスカートの中を盗撮しようとした疑いで、大阪市阿倍野区に住む大阪府立高校の教師の男(34)が書類送検されました。

男は、今年5月~6月にかけて合わせて3回、大阪府警和泉警察署管内にあるコンビニエンスストアで、レジで精算中だった20代の女性客のスカート内にかばんを差し入れ、カメラ付き音楽プレーヤーで動画を撮影しようとした疑いがもたれています。去年11月、コンビニエンスストアの店長(20代・女性)から、「盗撮している人がいる」と通報を受け、警察が捜査しましたが被害が確認できず、捜査はいったん打ち切りに。今年5月に再び店からの通報を受けて捜査を再開したところ、店内の防犯カメラの映像から女性のスカートにかばんを差し入れる男の姿を確認したということです。

男は、「女性の隠された見てはいけない部分をのぞき見たかった」と容疑を認めています。
引用元 : 朝日放送 2017年8月10日 17時25分配信

この事件では捜査がいったん打ち切りになっているとのことで、去年11月に通報があったときの防犯カメラ映像では盗撮していると客観的に判断できるほどの記録が無かったと見られます。本体自体が小さいと思われるカメラ付き音楽プレーヤーを使用していたことなどでスカート内に撮影機材等を差し入れていると確認できなかったのかもしれません。

その後再び通報を受けて検挙にこぎつけていますが、前回捜査を打ち切らざるを得なかった理由などは通報した店長に説明していて店長自身も相当警戒していたと思われますので、カメラ付き音楽プレーヤーの使用など店長の目撃証言も込みで検挙に至ったのではないでしょうか。

記事では書類送検となっていて被疑者が逮捕されているのかどうかわかりませんが、直近でも2,3か月前の盗撮行為に対するものなので後日検挙の事件と言えます。去年11月の時点で「狩場」を変えていれば捕まっていなかったかもしれませんので、通報されていることを知らないまま盗撮を続けたことが命取りになっています。

一方、別の記事では以下のように報道されており、「狩場」を変えずに同じ場所で続けていた理由が垣間見られます。

送検容疑は5~6月、大阪府内のコンビニエンスストアで3回にわたり、レジで精算中の同じ20代女性に背後から近づき、バッグに隠したカメラ機能付き音楽プレーヤーをスカート内に向けたとしている。

和泉署によると、昨年11月に同じ女性が盗撮被害を受けたと店が通報。5月にも店から同様の通報があり、防犯カメラを解析するなどして男性教員を割り出した。プレーヤーに今回の盗撮動画は残っていなかったが、別の場所での盗撮動画十数点が見つかった。
引用元 : 産経新聞 2017年8月10日 18時33分配信

5月から6月にかけて同じコンビニ店内で3回盗撮に及んでいるというのは最初の記事と同じ内容ですが、その3回とも被害者が「レジで精算中の同じ20代女性」とされています。3回ともとなると偶然とは思えませんのでこの20代女性の被害者を狙い撃ちしていたのでしょう。

ターゲットが誰でも良いのであれば「狩場」を変えてもよさそうなところ、この女性を狙って盗撮することが目的だったのでこの女性が利用するとわかっているコンビニで続けていたのではないでしょうか。

コンビニを出た後も自宅まで尾行するなどしている可能性がありますし、個人的にはこの部分をもう少しクローズアップしても良いのではと感じます。

短パン姿の女性をスマホで盗撮か 前生安課長を書類送検

女性の後ろ姿を隠し撮りしたとして、千葉県警は10日、君津署の前生活安全課長の男性警部(45)を県迷惑防止条例違反容疑で千葉地検木更津支部に書類送検し、減給100分の10(6カ月)の懲戒処分にした。警部は同日付で依願退職した。県警への取材でわかった。

県警によると、警部は7月18日午後7時ごろ、木更津市の店舗で30代の短パン姿の女性客の臀部(でんぶ)をスマートフォンで撮影した疑いがある。女性客が不審な動きをしているのに気づき、店員らが取り押さえた。警部は勤務外で1人で買い物に来ていたという。

スマートフォンには別の女性を撮影したとみられる同様の写真が数千枚記録されており、下着が写り込んでいる物もあった。警部は県警の調べに「6月からやっていた。仕事がうまくいかず、盗撮することで、ストレスが軽減できたと思うようになった」などと供述したという。
引用元 : 朝日新聞 2017年8月11日 5時3分配信

スマホに保存されていた画像の中に下着が写っているものもあったようですが、検挙された事件そのものは女性の後ろ姿の撮影とのことなので迷惑防止条例違反というのはやや厳しいように感じます。盗撮事件を扱う生活安全課の課長だったという立場にも関わらず、という事情もあるのでしょうが…。

この内容であれば都道府県によってはもちろん、事件を担当する所轄署の刑事(およびその上司)レベルでも事件性無しと判断して注意する程度で帰してもおかしくありません。スマホに記録されていた数千枚の写真というのも本人が正直に話したことで盗撮を繰り返していたことがわかっただけで、女性の後ろ姿を撮影した本件とは直接関係ないはずです。

生活安全課長としての立場や、別の記事で報道されているシャッター音が消えるアプリの使用などの事情も積み重ねていった結果かもしれませんが、事件の内容と比べるとバランスが悪いように感じてしまいます。

捜査関係者によると、課長は7月18日午後7時頃、同県木更津市内の量販店でスマートフォンを使い、女性客の尻などを盗撮した疑い。この日は勤務日だった。課長は女性客に気づかれて逃走したが、店外で店員らに取り押さえられた。「仕事のストレスが軽減できた」と盗撮を認めているという。

スマホにはシャッター音が消えるアプリが入っており、複数の女性の画像が保存されていた。県警は「スマホを提出し、証拠隠滅などの恐れがないため、逮捕はしなかった」としている。
引用元 : 読売新聞 2017年8月10日 18時53分配信

なお、事件の内容を反映してか、当初は軽犯罪法違反での立件を予定していたようですが、より罰則が厳しい迷惑防止条例違反に切り替えられています。

捜査関係者によると、書類送検容疑は、7月18日午後7時ごろ、同県木更津市内のディスカウントストアで、30代女性の後ろ姿を携帯電話のカメラで断りなく撮影した疑い。容疑を認め「ストレスを軽減できた」と供述しているという。

県警は軽犯罪法違反容疑での立件を検討していたが、最終的に県迷惑防止条例違反容疑に切り替えた。
引用元 : 産経新聞 2017年8月10日 13時41分配信

千葉県の迷惑防止条例では現在のところ、沖縄県などと同様に盗撮に関して細かく規定されておらず、粗暴行為としてある意味拡大解釈できる規定になっている点も今回の厳しい処分につながった理由の1つかもしれません。

千葉県 迷惑防止条例 第3条

何人も、道路、公園、広場、駅、ふ頭、飲食店、興行場その他の公衆が出入りすることができる場所(以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公衆が利用することができる乗物(以下「公共の乗物」という。)において、多数でうろつき、又はたむろして、通行人、入場者、乗客その他の公衆に対し、言い掛かりをつけ、すごむ等の不安を覚えさせるような言動をしてはならない。
第2項
何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。男子に対するこれらの行為も、同様とする。
第3項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、みだりに、刃物、鉄棒、木刀その他これらに類する物で人に危害を加える器具として使用できるものを振り回し、突き出す等公衆に不安又は迷惑を覚えさせるような行為をしてはならない。
第4項
何人も、祭礼又は興行その他の娯楽的催物に際し、多数の人が集つている公共の場所において、みだりに、わめき、人を押しのけ、物を投げ、物を破裂させる等により、その場所における混乱を誘発し、又は助長するような言動をしてはならない。

盗撮の場合は第2項に該当することになりますが、同じく首都圏にあって定義も罰則も厳しく規定している東京都や神奈川県と比較するとこの曖昧さは若干異質に感じられます。事件の内容によって平等に判断されるべきところ、都道府県によって大きな違いが出てしまうのはいかがなものかと思います。

盗撮と言っても種類や方法は様々で、用いられる機材の進化も著しい中、判断が微妙なケース等においてもし今後条文上の穴などが出てくると特定の自治体が盗撮特区のようにならないとも限りません。

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