盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(9月14日~9月20日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

家族旅行中に旅館で入浴女性を盗撮 容疑で30歳男逮捕

家族旅行中に岡山県内の旅館で女性用の露天風呂を盗撮したとして、兵庫県警高砂署は15日、建造物侵入と岡山県迷惑行為防止条例違反の疑いで、兵庫県姫路市の会社員の男(30)を逮捕した。

逮捕容疑は今年1月3日午後10時半ごろ、家族と旅行で訪れた岡山県真庭市内の旅館で、従業員専用のスペースに侵入し、入浴中の女性をスマートフォンで撮影した疑い。調べに対し、黙秘しているという。同署によると、男のスマホには他の施設で撮影したとみられる画像や動画も保存されており、余罪を調べる。

男は今年8月、別の女性に対する強制わいせつ致傷の疑いで同署に逮捕されていた。示談が成立し、不起訴処分になったが、同署は逮捕した際に男のスマホを押収。捜査したところ、今回の犯行が写った動画が残っていたという。
引用元 : 神戸新聞 2020年9月15日 19時34分配信

旅館の女湯における風呂盗撮の事件です。盗撮行為に及んだのが今年1月との事なので随分時間が経ってからの後日逮捕なのかと思いましたがそうではなく、別件の強制わいせつ致傷事件で逮捕された際に押収されていたスマホを調べたところ発覚した事件のようです。

被疑者は黙秘しているようですが、示談成立により不起訴になったとはいえ強制わいせつ致傷の事実がありますので非常に疑わしいとは言えるでしょう。スマホには他の盗撮データも記録されているようなので余罪として延焼するのを避ける目的で余計な事を話さないように黙秘しているのかもしれません。

被害届や通報などが先にあるのではなく盗撮(が疑われる)データだけある場合、いつ撮ったのかについてはデータの作成日時などを調べればわかりますが、どこで撮ったのかについては特徴的な物など場所が特定できる何かが映っていないとわかりづらくなってきます。

今回逮捕された事件では家族旅行に行っていたという事でどこの旅館なのか裏が取れたのかもしれませんが、何もヒントが無い状態から画像や動画だけで現場がどこなのか調べるのは難しい場合もあるでしょう。それがわかっていて迷宮入りする事を期待して黙秘しているという可能性はあります。

なお、被疑者は兵庫県住まいと見られ事件を扱っているのも兵庫県警、先の強制わいせつ致傷もおそらく兵庫県内における事件と思われますが、今回逮捕された盗撮事件は岡山県内での行為ですので岡山県の迷惑防止条例の対象になり、風呂盗撮は処罰の対象となっています。

岡山県 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物(次号及び次項において「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
  2. 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物において、通常衣服等で覆われている人の下着又は身体(以下この条において「下着等」という。)をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影し、若しくは撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。(次項及び第3項に該当するものを除く。)
第2項
何人も、正当な理由がないのに、衣服等を透かして見ることのできる写真機等を用いて、公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物にいる者の下着等の映像を見、又は撮影してはならない。
第3項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる者の下着等を見、又は撮影する目的で、その姿態をのぞき見し、若しくは写真機等を用いて撮影し、又は写真機等を差し向け、若しくは設置してはならない。

事件の現場が浴場ですので第3項に該当していると考えられます。

先の強制わいせつ致傷事件は不起訴にする事ができていますが、今回の迷惑防止条例違反と建造物侵入はどうでしょうか。盗撮の方は被害者が特定できれば示談の可能性はあるかもしれませんが、建造物侵入は被害者が旅館という事になりますので示談というのはなかなか難しいかもしれません。

余罪と見られている他の盗撮についての捜査の行方にもよりますが、今回の事件のみであれば30万円から50万円程度の罰金といったところではないでしょうか。

児童の着替えを盗撮した疑い 死亡の小学教諭を書類送検

滋賀県近江八幡市立小学校に勤務していた男性教諭(当時41)が、校内で児童の着替えを盗撮していたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで容疑者死亡のまま書類送検されていたことが市教育委員会への取材でわかった。送検は8月19日付。

市教委によると、6月12日、心電図検査のため着替えをしていた女子児童が「輪ゴムの箱の中からカメラみたいなもので撮られている気がする」と訴えた。箱は教諭が回収し、中に入っていたとしてデジタルカメラを示したが、児童たちは「スマートフォンだった」と否定した。

学校側は同日、市教委と近江八幡署に相談。教諭は翌朝、県外で死亡しているのが見つかった。その後の捜査で、教諭のスマホに児童の着替え中の画像が残っていたことがわかった。SNSなど外部への流出は確認されなかったという。

日岡昇教育長は「信頼を裏切る行為で、被害に遭われた子どもたちや保護者、地域の皆様に深くおわびする」とコメントした。
引用元 : 朝日新聞 2020年9月16日 11時22分配信

小学校の教員による児童の着替え盗撮事件ですが、発覚後に被疑者の教員が死亡したとの事で被疑者死亡で書類送検されています。現場の状況などから自殺と見られているようですが、盗撮がバレて逃げられないと判断し思い詰めた上で自殺に至ったのかもしれません。

心電図検査のため着替えをしていたとの事なので学校で健康診断を行っていたのでしょうか、着替えに使われる教室に予めスマホを仕込んて盗撮を企てていたと見られますが、女子児童がそれを発見したようで被疑者本人へ訴え出たようです。

「中に入っていたとしてデジタルカメラを示した」というくだりは、おそらく盗撮に使用していたスマホではなく何も記録されていないデジカメを持ち出してきて誤魔化そうとしたのでしょうが、女子児童らがスマホだった事をしっかり見ていて否定されたようです。もしかすると下手に誤魔化そうとした事で一気に疑いの目が向いていたのかもしれません。

もっとも、その後学校が警察へ相談しているので遅かれ早かれ足はついていたと思われますが、捕まる事を恐れて自ら死を選んだのでしょうか。何も死ぬ事は無いのでは…と感じてしまいますが、逮捕して身柄を拘束するというのはこういった事態を防ぐためでもあるという事がわかります。

なお、児童の着替えを盗撮するのは児童ポルノの製造になりますので児童ポルノ禁止法違反に該当する事は明らかですが、「児童買春・ポルノ禁止法違反など」とされており、迷惑防止条例違反にも該当している事が窺われます。滋賀県の迷惑防止条例では学校における盗撮行為や、盗撮目的でカメラ等を設置する盗撮準備行為も処罰の対象になっていますので送検容疑にはおそらく迷惑防止条例違反も含まれているのでしょう。

滋賀県 迷惑行為等防止条例 第3条

何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。
  2. 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物または集会所、事務所、学校その他の特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所にいる人の下着等を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機、ビデオカメラその他撮影する機能を有する機器(以下「写真機等」という。)を人に向け、または設置してはならない。
第3項
何人も、公衆または特定多数の者が利用することができる浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、当該状態にある人の姿態を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機等を人に向け、または設置してはならない。

学校における盗撮ですので第2項に該当していると考えられますが、更衣室で着替えていたのであれば第3項にも該当していますので児童ポルノの盗撮製造が無かったとしても逃げ切る事はできなかったと思われます。

被疑者死亡ですのでこのまま終結するでしょうが、もし被疑者が死亡していなければ女児の着替え盗撮による児童ポルノ禁止法違反と迷惑防止条例違反となると罰金としても50万円は下らなかったのではないでしょうか。

JR九州の運転士 スマホを女子高生のスカートの中に… “盗撮”で現行犯逮捕 北九州市

15日夜、JR小倉駅でJR九州の運転士の男が、スマートフォンで女子高生のスカートの中を盗撮した疑いで逮捕されました。

JR九州の運転士(31)は15日午後8時前、JR小倉駅構内の上りエスカレーターで、17歳の女子高校生のスカートにスマートフォンを差し入れた疑いがもたれています。

私服警察官が、女子高校生の後を歩く容疑者を不審に思い警戒していたところ、スマートフォンをスカートの中に入れたのを確認し、現行犯で逮捕しました。

スマートフォンは動画の録画状態で、調べに対し容疑者は「下着を撮影するためにやった」と話しているということです。

小倉駅の構内ではここ2ヵ月の間に盗撮の通報が複数あり、警察は容疑者の余罪を含めて調べています。
引用元 : テレビ西日本 2020年9月16日 12時0分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

JRの運転士によるスカート内盗撮事件です。スマホ+エスカレーターという定番の内容ですが、私企業とはいえJRという公共性の強い会社の社員だったという事で報道されてしまった印象もあります。現場がJR駅構内という被疑者の勤務先とも言える場所での事件だった影響もあるかもしれません。

私服警察官が発見したとの事ですが、現場の小倉駅では盗撮の通報が複数出ていたようでそれを受けて警戒していたのでしょうか。これまでの通報もこの被疑者による盗撮だったとは断定できませんが、その可能性は高いでしょうし記事の最後にある通り警察はその可能性も視野に入れて余罪を調べる事でしょう。

私服警察官が不審に感じて目を付けていたという点は勿論、これまで出ていた通報についても被害者本人又は周囲の第三者にバレていたから通報されているわけですので相当挙動が怪しくてバレバレだった事が窺えます。上りエスカレーターでスマホ盗撮しようなどと考えるくらいですのでさもありなんと言えます。

一方で盗撮事件としては平凡な内容で、特筆して悪質な点も無いように思われますので厳しい処分にもならないのではないでしょうか。被害者との示談ができれば不起訴を見込めますし、示談ができなくても最悪で罰金30万円といった処分で済むのではと思われます。

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