先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
熊本市職員の男 女子高校生を盗撮
登校中の女子高校生のスカートの中を盗撮しようとしたとして熊本市の職員が現行犯逮捕されました。
現行犯逮捕されたのは熊本市危機管理防災総室の主任技師、35歳です。
警察によりますと容疑者は18日午前7時40分ごろ熊本電鉄の電車内で登校中の女子高校生のスカートの中を手提げバッグに忍ばせた小型カメラで動画を撮影しようとした疑いがもたれています。
1週間ほど前に「車内に怪しい男がいる」と乗客から通報を受け警察が警戒していました。
調べに対し容疑者は「間違いありません」と供述し容疑を認めているということです。押収された小型カメラは5センチ四方で他にも女性の映像が記録されていると見られていて警察は、余罪について調べを進めることにしています。
引用元 : RKK熊本放送 2018年9月18日 13時35分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
鞄に小型カメラを仕込んで盗撮していたとのことですが、鞄を不自然に女性のスカートの下に持っていっていたとか、それ以前にレンズが見えてしまったとか、そういったことで盗撮を疑った乗客に通報されていたようです。
使用していたとされる小型カメラが5センチ四方と比較的小さいものなので、どのように仕込んでカモフラージュしていたのかはわかりませんが、それのレンズが見えていたというよりは前者のような不審な挙動がきっかけだったという方が自然かもしれません。
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今回の事件は通勤通学の時間帯なので、おそらくはいつも同じ時間帯の電車で盗撮していたところを、これまたいつも同じ電車に乗っていた乗客が気付いたといったところでしょうか。
盗撮を繰り返す人の中には、同じ場所ではあまりやりたくないと考えるタイプや、逆に勝手知ったる場所の方が良いと考えるタイプもいるようで、この事件の被疑者は後者のようなタイプだったのかもしれません。
警察がすぐに警戒に乗り出しているからにはそれなりに具体的で確かな通報だったと思われ、1週間ほど前に通報があったということはそれより前から不審な被疑者を何度か見かけていて確信に近い盗撮の疑いを持ったのではないでしょうか。
それまで恙なく盗撮していたいつもの場所の方が安心できる気持ちなどは理解できないでもないですが、同じ時間帯の通勤通学電車ともなれば同じ人が乗っていることは何ら珍しくなく、そうした人に疑いの視線を向けられていることに気付かないのは命取りになるでしょう。
「他にも女性の映像が記録されている」というのは、おそらく盗撮しに出てきて1人だけ撮って終えようと考えていたのではないでしょうから当日捕まるまでに盗撮していた分のデータと見られます。
そうした余罪も立件できるかどうか、あるいはするつもりなのかどうかは不透明ですが、よほど悪質な他の事情でも発覚しない限り公判請求までされることはないのではないでしょうか。鞄に小型カメラを仕込む手の込んだ手口を考慮しても30万円から厳しくても50万円までの罰金刑で済むのではないかと思われます。
女児盗撮疑いで逮捕…空自技官の男性を不起訴処分
埼玉県春日部市の温泉施設で小学生の女の子の裸を盗撮したとして逮捕された航空自衛隊の技官の男性(51)について、埼玉地検は21日付で不起訴処分としました。
航空自衛隊の技官の男性は3月、春日部市内の温泉施設の男性更衣室で小学生の女の子の裸を盗撮したとして、現行犯逮捕されました。埼玉地検は21日、この男性を不起訴処分としました。
処分理由などについてはプライバシーを配慮するためとして明らかにされていません。警察の取り調べに対し、この男性は「やったことは間違いない」と話していました。
引用元 : テレビ朝日 2018年9月21日 20時37分配信
小学生女児の裸を盗撮したとなると迷惑防止条例違反では済まされず児童ポルノ禁止法違反での逮捕だったと思われ、本人も事実を認めているようですが罰金でもなく不起訴となったようです。
地検は不起訴とした処分理由を明かしていないようですが、少なくとも被害者女児とその親御さんとの示談が成立したのだろうということは想像できます。
被害者が小学生となると示談交渉は専ら親御さんが対応することになるでしょうから、娘の裸を盗撮されたのにお金をもらって犯人への寛大な処分を望む嘆願書を書いた親、などと言われることがないようその点は伏せたのかもしれません。
航空自衛隊の技官という被疑者に職務上のよほど特殊な事情でもあるなら別ですが、通常は示談くらいしかできることがないので児童ポルノ禁止法違反としても元が30万円や50万円といった罰金程度の事件だったとしたら示談が成立すれば不起訴もあり得るのではないでしょうか。
「盗撮がばれた」通行人ともみ合いけがさせた疑い 和歌山県警巡査を逮捕 大阪府警
男性に暴行してけがを追わせたとして、大阪府警南署は22日、傷害容疑で、和歌山県警巡査(22)=和歌山市木ノ本=を逮捕した。容疑者は容疑を認めており、「盗撮がばれ、逃げるために必死でやってしまった」と供述。同署は、盗撮行為を注意されたことでもみ合いになり、けがを負わせたとみて、府迷惑行為防止条例違反容疑でも事情を聴く方針。
逮捕容疑は今月9日午後5時45分ごろ、大阪市中央区日本橋の路上で、無職の男性(29)を転倒させて馬乗りになるなどの暴行を加え、右肘などに軽いけがを負わせたとしている。
同署によると、容疑者は大阪メトロ日本橋駅(同区)の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れたところを男性に注意され、逃げようとしてもみ合いになったという。
現場に残されていたリュックサックから、「教官」「外出」「交番」と記されたメモ帳などが見つかり、容疑者が浮上した。容疑者は今年4月に警察学校に入校し、今秋卒業予定だった。
引用元 : 産経新聞 2018年9月22日 17時30分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
警察官が盗撮したというだけでもけしからん話ではありますが、その上盗撮行為を見咎めた男性に暴行を加えて逃げようとしたとされており相当悪質な印象を受けます。
「盗撮がばれ、逃げるために必死でやってしまった」とのことで、逃げようとしたところ掴まれたので振り払おうとしたら手が当たってしまったとか、突き飛ばしたら倒れてしまったとか、その程度の話ではなく転倒させて馬乗りになったというのだからただ事ではありません。
他のニュースでは「男性を転ばせたうえ、頭をビルの壁に押しつけてけがをさせた」とも報じられており、逃げるためというには行き過ぎているように感じられます。そこまで痛めつける暇があるならそれこそ逃げれば良かったと思いますが…。
傷害の事実については認めているようで追って迷惑防止条例違反の捜査にも入るようです。押さえられている証拠関係によっては盗撮の方は否認するということもあり得たと思いますが、「盗撮がばれ」という供述からするとそちらももう認めているのでしょう。
刑事処分も懲戒処分も避けられないものと思いますが、この様子では免職もあるかもしれません。大阪府警からしたら他県警の警察官とはいえ氏名を公表していることを見ても守られていそうにはありません。
ただ、暴行を受けた男性と被疑者がもみ合っている内に盗撮被害者が気付かないまま立ち去ってしまっているのではという可能性を考えると迷惑防止条例違反については事件化の行方が不透明ではあります。
まだ若くて初犯でしょうからこれで公判請求までされることは無いと思いますが、傷害と盗撮共に被害者が示談に応じなければ50万円程度の罰金刑に加えて何らかの懲戒処分が科されるのではといったところでしょうか。