先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
立憲民主党の職員“携帯電話で盗撮”の疑いで逮捕 処分保留で釈放
立憲民主党の男性職員が、JR埼京線の電車内で女性を盗撮した疑いで逮捕されていたことが分かりました。
関係者によりますと、立憲民主党の50代の男性職員は、今月18日夜、埼玉県内を走行中のJR埼京線の電車内で、向かいに座っていた女性を携帯電話で盗撮したとして県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
職員は当時、酒に酔っていたということで、「盗撮の意図はなかった。酔っ払ってスマホをいじっていたら、偶然撮影してしまった」などと話しているということです。警察は、きのう、職員を処分保留のまま釈放しました。
立憲民主党は「党の調査に対し、本人が迷惑行為を認めた」として、職員を停職1か月の処分としました。枝野代表はきょうの会見で詳細は明らかにしませんでしたが、「大変、被害者の方には申し訳ない」などとコメントしています。
引用元 : TBS 2021年9月22日 17時34分配信
立憲民主党の職員による盗撮事件との事ですが、これは議員ではなく職員によるものです。今月の18日に逮捕されて21日に処分保留のまま釈放との事ですのですぐに釈放されている訳ではないようで、数日は勾留されていたと見られます。
酒に酔っていてスマホをいじっていたら偶然撮影してしまっただけで盗撮の意図は無かったという事ですが、スマホの操作を誤る程酔っていたのに盗撮の意図は無かったと言い切れるのかには疑問も感じるところです。
釈放されているのは立憲民主党の職員という事でそれなりに身元がしっかりしている事が確認できたからでもありそうですが、逮捕後に一度勾留されているのは言い逃れで否認していると捉えられていたのかもしれません。尚、具体的にスカート内を盗撮したなどの描写はありませんが、逮捕された上で数日は勾留されているところを見るとスカート内まで盗撮していた可能性はあります。
党からの懲戒処分としては停職1か月との事ですが処分保留ですので今後罰金等が科せられる事はあり得ます。恐らく被害者との示談を進めるだろうと思われますが、それができなければ30万円程度の罰金という事になるかもしれません。
かばんに入れたスマホでスカート内盗撮「100回以上やった」容疑で送検
京都府内の駅や電車内で、盗撮用に細工した手提げかばんに入れたスマートフォンで女性のスカート内を動画撮影したとして、京都府警向日町署は22日、府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、長岡京市の男性会社員(56)を書類送検した。
書類送検容疑は3月16日から7月1日にかけ、20~50代の女性5人の下着など約40本の動画を盗撮した疑い。
向日町署によると、動画は駅ホームやエスカレーター、電車内で30秒~12分間撮影。男性会社員は容疑を認めており、「スマホなどに集中している女性で、周囲の人も寝ていたりする状況を狙った」といい、2019年12月ごろから100回以上やったと話しているという。同署は、ネット上への流出はないとしている。
引用元 : 京都新聞 2021年9月22日 18時48分配信
鞄にスマホを隠し入れてスカート内を盗撮したという事件です。書類送検したとの事なので現在身柄は拘束されていないのではと思われますが、盗撮行為に及んでいたのは少なくとも3月から7月の間のようなので当時一度逮捕されてから釈放され、在宅のまま捜査を進めていた事件を今回書類送検したという事なのかもしれません。
報道では盗撮用に細工した鞄も公開されていますが、鞄のサイドに大きな穴が開けられていて底部にスマホをセットしているだけだったようなので巧妙に隠し入れているという程の細工でもなく、誰が見てもすぐにバレそうな印象を受けました。実際に、他の報道によると女性に鞄を近付けている事を不審に感じた目撃者に見られて発覚しているようです。
とはいえ一昨年から100回以上やったと供述している事から、同じ得物を使って盗撮していたのであればそれなりにバレずに盗撮を続ける事はできていたのだろうと考えられます。見られればすぐに発覚しそうな鞄だっただけに、周囲からあまり不審に見られないようにする事はある程度できていたのかもしれません。
しかし、それがずっと続けられるかというとそうはいかず、今回のようにいずれ誰かに見つかって捕まる事になります。これまで100回以上続けられていたところそれが今回だったという事で正に年貢の納め時という事になるでしょうか。
書類送検という事で勾留はされていないと見られますが、逮捕勾留されているかどうかと刑事処分は直接関係ありませんので被害者との示談ができなければこの先には罰金が待っていると思われます。送検容疑が複数あるようですので比較的厳しい処分になる可能性もあり、50万円以上の罰金は覚悟しておいた方が良いかもしれません。
スカート内を盗撮しようとした少年を追いかけながら現在位置を通報…高校生に感謝状
女性のスカート内を盗撮しようとした少年に気づき、通報して検挙に貢献したとして、兵庫県警有馬署は22日、高校生(16)に感謝状を贈った。
同署などによると、高校生は6月24日夜、神戸市内の商業施設のエスカレーターで、スマートフォンで盗撮しようとした少年に気づき、110番。高校生は、逃走した少年を追いかけながら県警に現在位置を知らせ、駆けつけた有馬署員が少年を取り押さえた。
神戸市須磨区の同高で贈呈式があり、上更家康夫生活安全課長から感謝状を受け取った高校生は「とっさに行動し、無事に捕まってほっとした。今回の経験を糧に警察官を目指したい」と話していた。
引用元 : 読売新聞 2021年9月23日 10時53分配信
盗撮を目撃した男子高校生が逃走する被疑者を追いかけながら警察に通報し位置を知らせて検挙に貢献したというニュースです。男子高校生にはその事で感謝状が贈られたようです。因みに盗撮した被疑者の方も少年との事です。
こうした状況になると逃げる方は普通全速力でしょうから、警察へ通報して位置を知らせながら走って追いかけるというのはできそうでなかなかできない事のように思えます。男子高校生の方は運動部などで体力や走力にはある程度自信がある学生だったのかもしれません。
尚、取り押さえられた少年の方は盗撮しようとした疑いに留まっているようで実際に盗撮に及んでいたのかどうかはハッキリしません。ただし兵庫県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを向けたり設置したりする盗撮準備行為が処罰の対象になっており、スマホで盗撮しようとしたというのは恐らくこれに当たると思われますのでアウトとなるでしょう。
兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2
- 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
- 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
- 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
- 前項第2号に掲げる行為
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。
この事件では商業施設という公共の場所ですので第1項第2号に該当していると考えられます。
容疑が盗撮準備行為に留まっており、何より少年事件になりますので大ごとにはならないかもしれません。成人であれば被害者と示談ができないと罰金もあり得るところですが、今回は他に余罪等が無ければ家裁へ送られても審判不開始や不処分といった程度で終わるのではないでしょうか。