盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(10月1日~10月7日)

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先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

トイレで用をたす男子の姿を盗撮した疑い 名古屋の男を逮捕

18歳に満たない男の子がトイレで用を足す姿を携帯電話で撮影したとして名古屋市中村区の男が逮捕されました。

児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された容疑者(29)は8月、愛知県またはその周辺にある商業施設のトイレで18歳に満たない男の子が用をたす姿を携帯電話で撮影した疑いがもたれています。

警察によりますと、容疑者は容疑を認め「男の子が好きで性欲をおさえきれなかった」と供述しているということです。容疑者の携帯電話には18歳未満の男の子を撮影したとみられる複数の画像データが保存されていて、警察は余罪を調べています。
引用元 : メ~テレ 2018年10月2日 6時48分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

逮捕容疑として児童ポルノ禁止法違反と明記されているので児童ポルノの盗撮製造の疑いがあることは間違い無いようですが、現場を「愛知県またはその周辺にある商業施設のトイレ」としていたり、被害者を「18歳に満たない男の子」としていたり、やけにボカした表現がされています。

被害者が児童の場合は特定される恐れがあるとして被疑者の氏名を発表しないなどすることはよく見られますのでそうした事情と同じという可能性があります。

しかし、児童ポルノ関連の事件では被害者の身元特定は不要とされていますので、現時点では「18歳に満たない男の子」がどこの誰で何歳なのか不明、現場も具体的にどこかは不明、被疑者が認めているのでとりあえず逮捕して今後の捜査で明らかにするという意味なのかもしれません。

ここで気になってくるのがどういう経緯で発覚したのかという点でしょうか。そこに全く触れられていないため推測するしかないところで、考えられるのは職務質問や現場で取り押さえられた(その分は盗撮に及ぶ前等で事件にならず、携帯電話に記録されていた画像から発覚した分で逮捕したなど)といったところでしょうか。

いずれにしても携帯電話に児童ポルノを保存して所持していたことは間違い無く、盗撮製造についても認めており余罪すら疑われる事件を警察が所持だけで済ますといったことは考えにくいので、今後の捜査で詰められて明らかにされていくものと思われます。

被害者とその親御さんとの示談が成立すればその他の事情によっては不起訴の可能性もありますが、児童ポルノの製造はおいそれと不起訴を視野に入れられるほど軽い罪ではないので30万円から50万円程度の罰金は覚悟しておかなければならないのではないでしょうか。

こども園の保育士がトイレで盗撮 警察が任意捜査

玉名市内の「こども園」のトイレで、男性保育士が、大人用のトイレを盗撮したとして、警察が捜査していることが分かりました。子ども達に被害はなかったということです。

警察が任意で捜査しているのは、玉名市内のこども園で体育を教えていた、30代の男性保育士です。

RKKの取材に対するこども園の説明では、この保育士は、今年8月、録画機能を作動させたスマートフォンを、大人用のトイレの壁にかかったカレンダーに仕込み、盗撮したということです。

園で働く女性が気付き、通報を受けた警察がこの保育士に話を聞いたところ、盗撮を認めたということです。園は、この保育士を懲戒解雇しています。

こども園は「園児への被害はなかった」としていて「子ども達を預かる園として、このようなことが二度とないよう、再発防止に努める」とコメントしています。
引用元 : RKK熊本放送 2018年10月4日 19時46分配信

見出しだけ見るとこれも児童ポルノの盗撮製造事件のように思えますが、こども園で働いている同僚女性を狙っていたようなので児童ポルノの製造ではない盗撮事件ということになります。

同僚女性への盗撮被害が実際にあったのかどうか記事の内容からは判然としませんが、熊本県においては今年公布、施行された改正条例によって盗撮目的でカメラ等を設置する行為も処罰の対象となりますので迷惑防止条例違反が適用されると思われます。

熊本県 迷惑行為等防止条例 第3条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体(以下この条において「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影し、若しくは撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を向け、若しくは設置すること(これらの行為が次号に規定する方法により行われる場合を除く。)。
  3. 衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、下着等の映像を見、又は撮影すること。
  4. 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、集会場、事務所、教室、貸切バスその他の特定かつ多数の者が利用するような場所又は乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
第3項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所に当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、又は撮影し、若しくは撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。

現場がこども園なのでおそらく第2項によっても処罰可能と思われますが、この事件ではトイレ盗撮ということで第3項への違反ということになるでしょうか。

警察は被疑者を逮捕していないようで任意で捜査しているとされており、これは結果として盗撮目的でのスマホ設置に留まっていて実際に用を足す姿を盗撮するには至っていないということなのかもしれません。

なお、熊本県の改正条例は今年の7月に施行されているところ、この事件で発覚した行為に及んだのは8月です。施行後すぐの犯行ということで、警察としては新たに処罰対象となった行為の検挙実績を上げたいと考えているかもしれず、被疑者は既に解雇されているようですが、もしかするとそれでも厳しく見られる可能性はあるでしょう。

女性のトイレ盗撮という点や、やや手が込んでいる手口の悪質さ、一方で実際の盗撮には至っていない可能性や逮捕されていない任意捜査という点などを踏まえると、スマホ設置だけに留まっていれば不起訴という可能性もあります。

逆に同僚女性への盗撮被害も現に発生しているのであれば悪質な事情が目立ってもいますので、示談が成立しない限りは30万円程度の罰金が科されることになるのではないでしょうか。

福岡市の小学校の男性教諭、授業中に女子児童を盗撮か

福岡市の小学校で、男性教諭が授業中に女子児童を盗撮したとして、学校側から聞き取り調査を受けていたことがわかりました。

問題が発覚したのは、福岡市中央区内の小学校です。学校によりますと、今月1日、45歳の男性教諭が、5年生の家庭科の授業中に、女子児童2人のスカートの中を黒いカメラのようなもので盗撮していたと、別の児童から報告があったということです。学校側の聞き取りに対し、男性教諭は否定していて、3日から学校を休んでいます。

小学校は4日、5年生の保護者に説明した上で、5日、全校集会を開きました。市の教育委員会によりますと、この男性の教諭については、先月27日にも同様の行動がみられたという報告があり、「本人が否定しているので、事実関係を確認し、厳正に対処したい」としています。
引用元 : TBS 2018年10月5日 14時14分配信

小学校の教員が学校内で教え子のスカート内を盗撮したとのことで、先月にも疑わしい行動があったとされていますが、本人が否定していて決定打となり得るような情報も出ていないので現時点では真偽について不明な状況です。

疑われている教員がシラを切っているだけという可能性もありますし、子どもたちの勘違いや嘘という可能性もあります。

一方、福岡県の迷惑防止条例では学校内でのスカート内盗撮を処罰できる規定があるのかどうか確認したところ、平成27年の改正条例によって現在は以下の規定になっておりますが、改めて見てみると定義や解釈が曖昧で危なっかしいのではと感じる点が無いでもありません。

福岡県 迷惑行為防止条例 第6条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。
  2. 前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
第3項
何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

他の自治体においては公共の場所ではない職場や教室における盗撮を処罰するために、本記事2件目で取り上げた熊本県の条例のように盗撮行為等を規制する場所を「集会場、事務所、教室、貸切バスその他の特定かつ多数の者が利用するような場所又は乗物」として挙げているものが目立ちます。

福岡県においてはそうした規定が無いので学校内や教室での盗撮を処罰できないのではと考えたところ、福岡県警による改正条例の概要解説では「公衆の目に触れるような場所」を会社や教室の中と解釈したいようです。

この記事で盗撮の現場になったとされる福岡市中央区内の小学校の教室がどうであるかはともかく、盗撮の現場が公衆の目に触れないような会社事務室や教室だったときはどうするのでしょうか?公衆の目に触れない職場や教室など容易にあり得る話です。

ビル高層階の職場だったり、外から覗かれないようにカーテンを閉め切った教室だったり、そうした場所が「公衆の目に触れるような場所」と言えるのか疑問があります。

逆に「公衆の目に触れ得ることが要件ではない」といったような解釈の問題だとしたら、微妙なケースにおいてはその都度該当性が争われることになりかねません。「盗撮に及んだ現場が公衆の目に触れるような場所とは言えないから無罪」というようなことになると何気に大ごとです。

「集会場、事務所、教室、貸切バス」といった風に限定的に列挙することでそこから外れた場所における盗撮が処罰できなくなることを避けようとしたのかもしれませんが、これが原因で余計面倒なことが起こり得るようにも感じました。

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