盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(10月2日~10月8日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮目的スマホをドア郵便受けに 徳島・三好署が男逮捕

徳島県警少年女性安全対策課と三好署は2日、住居侵入の疑いで、三好市池田町ヤマダ、自称風俗店従業員の男(29)を逮捕した。同市内の20代女性を盗撮しようと、女性が住むアパートの玄関ドアにある郵便受けからスマートフォンを差し入れたところ、室内にスマホを落とした。署に遺失物届を提出したことがきっかけで、犯行が発覚した。

署によると、男は8月29日未明、女性の部屋にスマホを落とした。スマホを回収しようと、同日昼すぎに署を訪れ「酒に酔って他人の家のポストに携帯電話を入れてしまった」と遺失物届を提出。署員が問い詰め、盗撮しようとしたことを認めた。犯行時、女性は不在だった。男と女性に面識はない。

逮捕容疑は、同日午前2時20分ごろ、盗撮する目的で、三好市池田町のアパート2階の女性宅前の通路に立ち入ったとしている。
引用元 : 徳島新聞 2017年10月3日 10時9分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

酒に酔っていたというのが事実かどうかは被疑者本人でないとわかりませんが、盗撮しようとした部屋の女性が不在だったという点を含めてかなりお粗末な事件となっています。

「酒に酔って他人の家のポストに携帯電話を入れてしまった」という言い訳はだいぶ苦しいながらもなくはないかなと個人的に思うところですが、問い詰められて白状したのを見ると他にも盗撮を疑わせるポイントがあったのではないかと感じます。

例えば、動画での盗撮を試みて録画状態にしたままスマホを落としてしまいその動画データが保存されていたとか、ライトを付けた状態でスマホを落としバッテリーが切れる前に女性が帰ってきてそれを発見したとか、そうした事情を突かれて問い詰められ、シラを切り通せずに白状したのかもしれません。

なお、逮捕容疑は盗撮目的で女性宅前の通路に立ち入ったとする住居侵入の疑いで、女性が不在だったことで盗撮できてもいませんので迷惑防止条例違反等ではありません。盗撮目的でトイレへ立ち入って建造物侵入となる事件と同じですが、集合住宅の共用部分であっても盗撮目的などの正当でない理由で立ち入れば罪は成立します。

公衆トイレにビデオカメラ 盗撮の男逮捕

唐津署は3日、県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、自称福岡県久留米市、家業手伝いの容疑者(34)を逮捕した。

逮捕容疑は2016年7月18日午後1時10分ごろ、唐津市浜玉町の公衆トイレに設置したビデオカメラで、トイレを使用していた40代女性を撮影した疑い。

同署によると、現場は男女兼用の多目的トイレで、カメラに気付いた女性が通報した。回収したカメラの映像の解析などで、容疑者が浮上したという。
引用元 : 佐賀新聞 2017年10月4日 8時54分配信

記事の見出しを流し見して本文を読んだら被疑者が家業手伝いとされていたので女性なのかと思いましたが男性でした。これまでの例を見ても無職なら無職と書かれるのが普通なので、そう書かれていないということは実際に家業で何らかの手伝いをしているのでしょうか。

この事件で目に留まるのはやはり1年以上前の盗撮行為で後日逮捕されていると見られる部分です。公訴時効には至っていないのでおかしなことではないとはいえ、盗撮の場合は逮捕までにこれだけ期間が空くのは珍しいと言えます。被疑者本人は半ば安心していたのではないでしょうか。

佐賀県の迷惑防止条例では盗撮目的でスカート内などにカメラを差し向けたり、カメラを設置したりする行為だけで処罰できる規定がまだ無いので、逮捕容疑としても示されているように実際に盗撮に至ったことで逮捕されています。

佐賀県 迷惑防止条例 第3条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラ、携帯電話その他の機器(以下「写真機等」という。)を使用して撮影すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、正当な理由がないのに、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所において、当該状態でいる人の姿態を写真機等を使用して撮影してはならない。

現場が公衆トイレとのことですので適用されているのは第2項の方でしょうか。

捜査は「回収したカメラの映像の解析など」を行い決め手もそうしたところから掴んだと見られますが、設置したカメラに被疑者が映り込むなどしていればもっと早く捕まえられるようにも思われるところ、映り込んでいた顔または姿以外の情報が何も無くて時間がかかっていたのかもしれません。

もっとも、担当の刑事がこの事件を後回しにするなどしてのんびり捜査していただけかもしれませんが、少なくとも公訴時効に達するまでは1年以上前にやった盗撮でも後日逮捕されることはあるという好例ではないでしょうか。

<仙台地裁切り付け>控訴審初公判 被告、盗撮改めて無罪主張

仙台地裁で6月、被告の男が判決言い渡し中に法廷で刃物を振り回し、取り押さえようとした警察官2人が切り付けられた事件で、殺人未遂罪などで起訴された山形市鉄砲町1丁目、無職被告(30)の宮城県迷惑防止条例違反(盗撮)の罪に対する控訴審初公判が3日、仙台高裁であった。弁護側は懲役1年を言い渡した仙台地裁判決の破棄を、検察側は控訴の棄却を求め、即日結審した。判決は19日。

地裁判決によると、被告は今年1月20日、仙台市宮城野区のJR駅ホームで、背後から女子高校生のスカート内にカメラ付き携帯電話を差し入れた。

弁護側は、携帯電話に盗撮が疑われる写真や動画が保存されていなかったと指摘。「盗撮の意図はなかった」と改めて無罪を主張し、携帯電話を解析した専門家の証人尋問の実施を求めたが、高裁は却下した。

被告は6月16日、同条例違反の罪に問われた公判で、判決理由の朗読中に「司法制度に革命を起こす」などと叫んで傍聴席側の柵を乗り越え、取り押さえようとした警察官2人の顔や背中を切り出しナイフで負傷させたとして、7月に殺人未遂罪などで起訴された。

仙台地検によると、被告は当時保釈中で、切り出しナイフのほかに果物ナイフ3本も所持していた。

弁護人によると、被告は地裁の有罪認定に不満を持ち、逃走目的で刃物を振り回したとみられる。殺人未遂罪などについては今後、仙台地裁の裁判員裁判で審理される。
引用元 : 河北新報 2017年10月4日 11時15分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

以前の記事でも取り上げていた法廷での切り付け事件の続報ですが、もともと盗撮事件で起訴されており、前回の判決公判後に控訴していたようですのでその控訴審の内容になっています。

弁護人は「携帯電話に盗撮が疑われる写真や動画が保存されていなかった」としていますが、これが事実だとしても犯行当日では1回目の盗撮で他のデータが無かったというだけだったかもしれませんので、これで「盗撮の意図はなかった」とするには苦しいように感じます。

先の記事でも触れているように宮城県内での盗撮事件としては、懲役1年の実刑判決というのは法定刑の上限での求刑から求刑通りの判決、または常習として起訴された結果ということが窺えます。

宮城県 迷惑行為防止条例 第16条

次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
  1. 第三条の二第一項(第三号に係る部分に限る。)、第二項又は第三項の規定に違反して撮影した者
  2. 第三条の二第四項の規定に違反した者
第2項
常習として前項の違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

おそらくこの事件が初めてではなく同種前科があってこそ盗撮で懲役1年の実刑という厳しい判決が下っていると見られますので、そうした事情も加味するとやはり弁護人の主張は苦しいのではないでしょうか。

ましてや有罪認定に不満を持って確信犯的に、法廷内で刃物を振り回して警官を切り付けたというのは、盗撮事件の事実認定とは無関係かもしれませんが裁判官が持つ心象としては最悪でしょう。精神鑑定などと言い出さないだけまだマシかもしれませんが…。

盗撮の教諭を懲戒免職、セクハラ教頭は降格と停職

長崎県教育委員会は6日、少女を盗撮したなどとして逮捕、起訴された平戸市立中津良小の教諭(47)を懲戒免職にした。知人の女性教員にセクハラをしたとして諫早市立中の男性教頭(47)を教諭への降格と、停職6カ月の懲戒処分にした。

県教委などによると、元教諭は2015年3月ごろ、長崎県内でデジタルカメラを使い、着替えていた少女の上半身の裸を個人の観賞目的で盗撮した。児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで沖縄県警が8月に逮捕した。

元教頭は教諭だった11年9月ごろと教頭昇格後の今年4月、諫早市内で知人の女性教員に抱きついたり体を触ったりした。8月に女性が校長に相談して発覚した。

県教委は「県民の皆さまにおわびする。教職員の自覚を促して指導を徹底していく」と話している。
引用元 : 日刊スポーツ 2017年10月6日 16時55分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

後者の元教頭の方は女性教員へのセクハラとのことで盗撮などではなく、見た感じ事件化もしていないようですので触れませんが、元教頭の方だけもともと氏名が伏せられているのは懲戒処分は受けたものの在職中だからでしょうか。

前者の元教諭の方は盗撮ではありますが被写体が18歳未満の児童だったようで児童ポルノ禁止法違反となっています。記事では起訴された、とされていて罰金では済まされなかったことが窺えますのでこれでは懲戒免職もやむなしという判断になるかもしれません。

着替えやトイレなど衣服を脱いだりする場面の盗撮では、実際の行為として同じことをしていても被写体が18歳未満の児童かどうかで罪の重さが大きく違ってくることがあります。迷惑防止条例違反で懲戒免職となるのは厳しい場合があるとしても、児童ポルノ禁止法違反で公判請求されているケースでは免職されても仕方ないかもしれません。

いわゆる逆さ撮りなどでスカート内の下着を盗撮しているうちは(少なくとも今は)児童ポルノの製造ということにはなりませんが、脱衣所や浴場、トイレなどでの盗撮においてはこうしたケースも覚悟しておくべきでしょう。最初から児童を狙っていたとしたら同情の余地はありません。

なお、長崎県内で児童を盗撮した事件でなぜ沖縄県警が逮捕したのか確認したところ、以前の記事でも取り上げていた沖縄での女児盗撮事件で沖縄県警に逮捕されたのがきっかけのようでした。

沖縄本島北部のビーチで水着姿の小学生女児を盗撮したとして、長崎県の公立小学校教諭が逮捕された事件で、教諭のデジタルカメラに被害女児のほか、別の女児の写真もあったことが2日、分かった。本部署が慎重に調べている。
引用元 : 沖縄タイムス 2017年8月4日 5時35分配信

ビーチで女児の水着姿やお尻を盗撮していたという件で捕まっていますが、当時上記のようにも報道されていますので余罪として長崎県内での児童ポルノの盗撮製造が発覚した、といったところでしょうか。

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