盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(10月5日~10月11日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

「似た男がまた来ている」店から通報…衣料品店で女性スカート下にスマホ入れ盗撮 逮捕36歳男の余罪追及

衣料品店で40代女性のスカートの下にスマートフォンを差し向けたとして、36歳の男が逮捕されました。

北海道迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、苫小牧市に住む36歳の自称アルバイト従業員の男です。

男は2019年11月12日午後6時20分ごろ、苫小牧市明野新町の衣料品店で、盗撮しようと40代の女性のスカートの下にスマートフォンを差し向けた疑いが持たれています。当時店員が被害に気付きましたが、男はその場から立ち去っていました。

付近の衣料品店では同様の被害が数件相次いでいて、警察が店内の防犯カメラの記録などから捜査していたところ、2020年10月に別の店から「似た男がまた来ている」などと警察に通報がありました。駆け付けた警察官が男に職務質問をしてスマートフォンを押収し調べたところ、盗撮したとみられる画像が保存されていたため逮捕しました。

男は容疑を認めているということで、警察で余罪を追及しています。
引用元 : UHB北海道文化放送 2020年10月5日 18時5分配信

衣料品店でのスカート内盗撮事件ですが、逮捕容疑は約1年前の2019年11月の盗撮行為によるもののようで、それが今月掘り返されて逮捕に至っているようです。なお、約1年前の盗撮についてはスマホをスカート内に向けてはいたものの撮影できていたのかどうかは確認できていないと思われますのでスマホを差し向けた疑いという盗撮準備行為に留まっていると見られます。

昨年11月の時点では被疑者が盗撮しようとしていたのを店員が気付いており、防犯カメラ等にも捉えられていたのかもしれませんが、その場で捕まえられなかったので被害届が出た上で警察が捜査をしていたのでしょうか。付近で同様の被害が数件相次いでいたとされていますので周辺ではある意味知られた存在だったのかもしれません。

それから1年近く捕まっていなかったところ今月になって被疑者と似た男が来ているという通報を受けて駆け付けた警察官の職務質問によってついに捕まったようです。通報が入った時にはまだそこで盗撮はしていなかったかもしれませんが、昨年11月の盗撮準備行為で被害届が出ていたと見られ、それによって逮捕されたのではないでしょうか。

被疑者本人は周囲に気付かれていないと思っていたのか、或いは気付かれていると知っていてもその場からうまく逃げていたつもりだったのかもしれませんが、店内で盗撮する男性客として付近で有名になっていたためか顔を覚えていた店員がいたのでしょう。1年経っていても逃げ切れているわけでは無いという事がよくわかります。

被疑者のスマホから盗撮データが見つかっているようですが、昨年11月の事件で盗撮できていたとしてもそれが約1年後の今月まで保存したままだったのかどうか、それ以前に同じスマホなのかどうかもわからないので当時盗撮できていたかどうかは確認できていないのではないでしょうか。

そのため逮捕容疑としてはスカートの下にスマホを差し向けた疑いという事になっていますが、北海道の迷惑防止条例ではこうした盗撮準備行為は処罰の対象ですので盗撮できていたかどうかを確認できていなくても迷惑防止条例違反となります。

北海道 迷惑行為防止条例 第2条の2

何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
第1号
公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
  1. 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている身体若しくは下着をのぞき見し、又は映像面に衣服等を透かして身体若しくは下着の映像を表示する機能を有する機器を使用して当該映像を見ること。
  3. ア及びイに掲げるもののほか、卑わいな言動をすること(次号に掲げる行為を除く。)。
第2号
公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等(集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所及び乗物をいい、公共の場所及び公共の乗物を除く。第4号において同じ。)にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
  1. 衣服等で覆われている身体又は下着を撮影すること(次号に規定する状態の他人に対して行う場合を除く。)。
  2. アに掲げる行為をするため、写真機、ビデオカメラその他の撮影する機能を有する機器(次号及び第4号において「写真機等」という。)を向けること。
第3号
住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。
第4号
公共の場所若しくは公共の乗物若しくは集会場等にいる者の衣服等で覆われている身体若しくは下着又は住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること。

現場となった衣料品店は公共の場所となりますのでそこで盗撮目的でスマホのカメラを向けたという事で第2号(イ)に該当していると考えられます。

付近の店舗で情報共有されていたくらいですので余罪の可能性は十分にあると言えます。警察としても盗撮準備行為だけではなく盗撮行為での検挙を目指すでしょうから被疑者のスマホ等に保存されている盗撮データや防犯カメラの記録などから裏付けを進めるでしょう。

しかし実際に盗撮に至った証拠を押さえられるかどうかは未知数ですので結局盗撮準備行為に留まるという事もあり得ます。盗撮準備行為までであれば10万円から20万円程度の罰金、もし盗撮行為が裏付けられれば30万円といったところではないでしょうか。

県迷惑行為防止条例 学校の盗撮適用へ

県議会の文教公安常任委員会で6日、県警が条例の一部改正案を説明した。

県警生活安全企画課の板垣徹課長は「スマートフォンの普及や撮影機器の小型化、高性能化などを背景に新たな嫌がらせ行為が発生し県民生活の安全と平穏が脅かされている」と現状を説明。

現在の県迷惑行為防止条例は、公共の場所や乗り物などでの犯行が規制の対象となっている。去年、県立高校の男性教諭が授業中、女子生徒のスカートの中を盗撮した事件では、不特定多数の人が出入りできない教室内が「公共の場所に当たらない」と解釈され、条例違反での摘発は見送られていた。

こうした事情を背景に、一部改正案は、対象範囲に学校や事務所、タクシーでの迷惑行為も加えた。また、盗撮行為の罰則も引き上げ、現行の「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」を改正後は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」とする。

県警は、県議会9月定例会で、改正案を成立させ来年2月からの施行を目指す。
引用元 : 日本テレビ 2020年10月6日 23時9分配信

記事だとどこの県の話かわかりにくいですが山形県の事です。これまで山形県では公共の場所における盗撮でないと処罰の対象になっておらず、場所によっては迷惑防止条例違反が適用できていませんでしたが、条例改正により規制強化を行うようです。

県立高校の教員が女子生徒のスカート内を盗撮したとされている昨年の事件というのは当サイトでも取り上げていた事件でしょうか。その記事で最後に条例改正の動きが加速するのではと述べていましたが、実際その通りに改正されるようです。

なお、現在の山形県の条例では盗撮に関して以下のように規定されています。

山形県 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、公共の場所等又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、正当な理由がないのに、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣場その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所において当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、又は撮影してはならない。

このように公共の場所や公衆が利用することができる場所に限られていますのでこの記事で例示されている学校などでの盗撮は規制の対象外だったという事になりますが、改正条例では規制場所に学校などが含まれるとの事です。また、罰則については罰金刑も懲役刑もそれぞれ従来の倍まで上限が引き上げられます。

多くの都道府県で盗撮に対してはこのように規制が強化されており、1年以下の懲役または100万円以下の罰金というのが必ずしも重い罪とは言えませんが、1回2回なら軽い罰で済まされるというような行為ではなくなってきているとは言えるのではないでしょうか。

警察女子トイレの換気扇にペン形カメラ、29回盗撮の警官に停職処分

高知県警南国署の女子トイレに盗撮目的で侵入したとして建造物侵入罪などで起訴された同署地域課巡査部長(56)について、県警は7日、停職6か月の懲戒処分にした。処分は同日付で、被告は同日依願退職した。岸田浩・首席監察官は「被害者や県民の皆さまにおわび申し上げます」と陳謝した。

発表などによると、被告は、7月上旬署内の武道場から換気扇のふたを盗み、ペン形カメラを仕込んだ上で、女子トイレ個室の換気扇のふたと交換、同月21日から9月2日まで29回の盗撮を重ねたとされる。

同月3日に逮捕され、同23日に窃盗、建造物侵入の両罪と県迷惑防止条例違反(盗撮)で起訴された。
引用元 : 読売新聞 2020年10月8日 10時52分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

先月の記事で取り上げていた警察官によるトイレ盗撮事件の続報です。停職の懲戒処分を受けたとの事で、結局依願退職に至っているようですが、免職ではなく停職に留まっているのでここでも教員が盗撮事件を起こした場合の懲戒処分の厳しさを改めて感じさせられます。

警察署内の女子トイレの換気扇の蓋を別の場所から取ってきた蓋と交換した上で盗撮用のカメラを仕込んだという事は前回の記事でも明らかにされていましたが、仕込んでいた盗撮用のカメラというのはペン型だったようです。

よくそんな物に気付いたなとも一瞬思いましたが、仕込んだというからにはおそらく換気扇の蓋の裏側と思われ、ふと見上げた時そんな所にペンがあれば誰でもおかしいと思うのではないでしょうか。瞬時にカメラではと勘付く事はできなくても不審には思うのではないかと考えればわざわざ換気扇の蓋を交換する手間をかけたのにバレたというのは不思議な事でもないのかもしれません。

既に報じられていたように交換するための換気扇の蓋を警察署内の武道場から取ってきた事が窃盗とされてこれが加わっているせいか公判請求されているのはかなり厳しい取り扱いに思えます。警察署内での事とはいえトイレ盗撮だけなら略式起訴からの罰金で済んでいたのではないでしょうか。

警察署内での物の移動が窃盗なのかという気もしてしまいますが、警察の備品を悪用して署内でトイレ盗撮をしたという点を厳しく見ているのかもしれません。初犯なら罰金がほとんどという盗撮事件で公判請求されていると罰金に留まる見通しは暗いと言わざるを得ませんが、懲役でも執行猶予は付くと思われますので代償の大きさを噛み締めつつ足を洗うしかないのではないでしょうか。

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