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ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(11月19日~11月25日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

生徒や女性教諭を盗撮 埼玉県立高校男性教諭を懲戒免職

埼玉県教育委員会は、自身が勤務する県立高校の女子生徒や同僚の女性教諭を盗撮するなどしたとして31歳の男性教諭を19日付けで懲戒免職処分にしました。

懲戒免職処分となったのは、県西部にある県立高校に勤める31歳の男性教諭です。

県教育局によりますと、男性教諭は2014年ごろから2015年にかけて当時、勤務していた県西部の県立高校の職員用の女子トイレや合宿所にある女性用の浴室脱衣所で数回にわたって盗撮し、女子生徒や同僚の女性教諭の動画を撮影したということです。

また、ことし3月には部活動の大会に引率していた現在勤めている県立高校の女子生徒3人のかばんから無断で下着を取り出し、デジタルカメラで写真を撮ったということです。

このほか、去年11月には友人の女性の裸が映った写真を無断でインターネット上に掲載していました。掲載された写真を見つけた狭山警察署の警察官が先月、男性教諭の自宅を訪ねて、パソコンやハードディスクを押収し、その後の調査で盗撮が発覚、警察の捜査は現在も続いています。

男性教諭は盗撮やわいせつ写真の投稿について認めていて「欲望を抑えることができなかった。自分を律することができず多大な迷惑を掛けて、申し訳ない」と話しているということです。
引用元 : テレ玉 2018年11月21日 18時53分配信

勤務先の女子生徒から女性教員まで随分と派手に狙っていたようで懲戒免職はどうにも避けられそうにない事件となっています。ターゲットの年齢層の偏り等は感じられないので女子高生好き、女教師好きというわけではなく単純に盗撮への欲望が強いということでしょうか。

これだけ「罪状」を並べ立てられることもあまり無いように感じられます。一つ一つ見ていくとそれぞれ内容として違うものとわかりますが、数多く発覚した行為からそれぞれの代表を挙げられていると思われますので相当強い常習性も窺えます。

ただ、「女子生徒3人のかばんから無断で下着を取り出し、デジタルカメラで写真を撮った」というのは、写真を撮っただけで下着は元に戻しているなら罪には問われないと思われますので刑事事件となり得る行為以外でも信用失墜行為等の1つとして挙げられているものでしょう。

一方、それ以外は単に盗撮というだけでは済まされない内容が挙げられています。

合宿所の浴室脱衣所で女子生徒を盗撮したのであれば児童ポルノの盗撮製造の可能性があり、友人女性の裸の画像をネット上に無断でアップしたというのは名誉毀損リベンジポルノ防止法違反の可能性があります。

いずれも迷惑防止条例違反よりはるかに重い罪で、仮に今回の事件で迷惑防止条例違反、児童ポルノ禁止法違反、リベンジポルノ防止法違反の全てで起訴されたら(被害者がそれぞれ違うので別個に立件可能と思われる)一発で実刑に至る可能性も考えられます。

現在も捜査中ということでそこまで厳しいことになるかどうかは不透明ですが、今後刑事事件として逮捕勾留されるのであれば罰金で済まされるとは思わずに公判請求は覚悟しておいた方が良いのではないでしょうか。

決め手は“逆撮影” 女子トイレ盗撮の男逮捕

介護施設の女子トイレに侵入し、個室にスマートフォンを差し入れたとして、和歌山県警和歌山東署は20日、建造物侵入と県迷惑防止条例違反容疑で施設の介護職員の男(42)=同県紀の川市=を逮捕した。被害に気がついた女性が、とっさに男のスマホを撮影したことが逮捕につながった。男は「盗撮したことに間違いない」と容疑を認めているという。

逮捕容疑は、7日午前11時40分ごろ、和歌山市内の介護施設の女子トイレに侵入し、個室内にいた同僚の40代女性に向け、仕切りの上からスマホを差し入れたとしている。

同署によると、被害に気付いた女性が、差し入れられたスマホを自分のスマホで撮影。男はその場を立ち去ったが、女性が撮影した写真に男のスマホカバーが写っていたことなどから特定に至ったという。
引用元 : 産経新聞 2018年11月21日 8時34分配信

介護施設の職員が女子トイレに侵入して同僚女性を盗撮したとして迷惑防止条例違反と建造物侵入の疑いが持たれています。被害者女性が機転を利かせたのか、トイレ個室に差し入れられていたスマホを撮影したことが被疑者特定のきっかけになったようです。

被害者がスマホを撮影しようと考える前にスマホが差し入れられていることに気付き、つまりスマホの方を見ているわけで、被害者に気付かれたことを被疑者が知ってスマホを逆に撮られる前に逃げなかったのだろうかとも感じました。

しかし、盗撮にあたっては仕切りの上からスマホを差し入れたとされているので、被疑者から自分のスマホの画面が見えておらず、被害者に気付かれたことを知ったのは逆に撮られてからだったのかもしれません。

一方、被疑者がスマホに付けていたスマホカバーが特徴的だったのでしょうか、それが特定の要因だったようですが、この点はわざわざ具体的に触れなくても良かったように思います。特徴的なスマホカバーを付けない、あるいはスマホカバー自体付けないという「今後の教訓」を他の盗撮者に知らせてしまうだけではないでしょうか。

なお、和歌山県においては昨年迷惑防止条例が改正されており、盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為も処罰されるようになっています。

和歌山県 迷惑防止条例 第4条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を覚えさせるような方法で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
  2. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見ること。
  3. 着衣等で覆われている他人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。
  4. 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、写真機等を使用して着衣等を透かして見る方法により、みだりに着衣等で覆われている他人の下着等の映像を見、又は撮影してはならない。
第3項
何人も、次に掲げる場所又は乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を覚えさせるような方法で、着衣等で覆われている他人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
  1. 集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所
  2. バスその他の特定かつ多数の者が利用するような乗物
  3. タクシーその他の不特定の者が利用するような乗物(公共の乗物を除く。)
第4項
何人も、浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる人に対し、みだりに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 姿態をのぞき見ること。
  2. 姿態を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

この事件の現場は女子トイレですので第4項に該当すると考えられます。また、「姿態を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置する」行為が対象になりますので、この事件においては実際に撮影していなくてもアウトとなります。

記事で触れられている内容を見る限りでは強い悪質性や常習性が見られるわけでもありませんので、建造物侵入が追加されてはいますが厳しくても30万円程度の罰金、被害者との示談や反省の態度次第では場合によって不起訴もあるといったところではないでしょうか。

盗撮しようと高校生っぽい服で高校侵入の22歳逮捕

盗撮しようと制服に似せた格好で高校に侵入したとして、神奈川県警金沢署は21日、建造物侵入の疑いで横浜市南区、アルバイト(22)を現行犯逮捕した。

署によると、容疑者のリュックサックからは小型カメラ4台が見つかり、「盗撮のために女子トイレにカメラを付けたり、外したりしていた」と供述し、容疑を認めている。高校生のふりをするため、黒のズボンにワイシャツ、紺色のセーターを着ていた。

逮捕容疑は21日午前11時ごろ、横浜市金沢区の県立高校に侵入した疑い。4階の廊下にいたところを見つかり、男性教諭が身柄を取り押さえた。
引用元 : 日刊スポーツ 2018年11月21日 18時43分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

学校へ侵入して盗撮用のカメラを仕掛けるというのは妄想はできても実際に行動へ移すには相当な度胸が必要そうに感じられます。仕掛けたカメラの回収まですると思えば少なくとも2回は出入りしなければならないわけで、バレて撤去されている可能性まで考慮するとリスクはかなり大きいでしょう。

しかしながら「盗撮のために女子トイレにカメラを付けたり、外したりしていた」という被疑者の供述からすると、これまでは侵入からカメラの設置、そして回収まで捕まらずに成功していたことが窺えます。

今回はたまたま教員に見つかってしまってお縄になってしまったということでしょうか。

いくらその学校の生徒に扮して侵入したとしても他の生徒が廊下を行き交う休み時間中に移動していたのではバレる可能性が大きくなり、女子トイレへの侵入も困難なのでおそらくは授業時間中に動いていたと思われます。

しかし授業時間中に生徒が教室の外を歩いていれば教員は訝りますので、被疑者が制服に似た服を着た部外者だと一目で見抜かれなくても声を掛けられて発覚したと、そういった流れなのではなのかもしれません。

なお、被疑者にとっての不幸中の幸いは盗撮用のカメラを仕掛ける前に捕まった(と見られる)ことでしょうか。これならば建造物侵入までに留まります。

神奈川県 迷惑行為防止条例 第3条

何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接に人の身体に触れること。
  2. 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。
  3. 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。

ところが神奈川県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置する行為が処罰対象ですので、被疑者が女子トイレにカメラを仕掛けた後や回収時などに捕まっていたら迷惑防止条例違反にも問われていたことでしょう。

女子生徒が実際に盗撮被害に遭っていなくてもトイレにカメラを仕掛けているだけでアウトです。

余罪があるならば過去の盗撮行為を裏付けて立件できるかどうかによりますが少なくともこの事件では建造物侵入だけで、公判請求されるほどの内容にも思われませんので最大でも10万円の罰金、場合によっては不起訴で済むのではないでしょうか。

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