先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
個別に九九を暗唱させ… 小2児童を盗撮した61歳教諭に「気持ち悪い」の声
小学生の頃、先生の前で九九を暗唱した経験のある人は少なくないだろう。そんな小学校のありふれた風景の中で、許しがたい悪事を働いた男性教諭の実態が報じられ、インターネット上に呆れと怒りの声があがっている。
長崎県長崎市内の小学校に勤務する61歳の男性教諭が今月、教室内で小学2年生の女子児童のスカートの中を盗撮したとしていたことが判明。同市の教育委員会が調査を行ったところ、犯行は複数回におよんでおり、男性教諭は盗撮行為を認めているという。
報道によると、男性教諭は今月13日の昼休み、2年生を1人ずつ教室に呼んで九九を暗唱させる際、机の下で私物のタブレット端末で複数人の児童の下半身を動画で撮影。1人の児童が教諭の不自然な動作に気づき、事態が発覚した。タブレット端末には数分の動画が数本保存されており、男性教諭は「撮影した画像がほしかった」と供述。学校側は保護者を対象とした説明会を行い、男性教諭は14日より自宅謹慎処分に。
なお、この男性教諭は教頭を務めた経験もある人物で、一昨年に定年退職を迎え、この学校には再任用で今春より着任していた。
還暦を迎えた男性教諭による、小学生児童の盗撮事件について、インターネット上では「気持ち悪い」や「怖い」といった声が続出している。
(中略)
男性教師を批判する声もさることながら、教諭の不審な動きに気づいた児童の、勇気ある行動を評する声もあげられている。
引用元 : しらべぇ 2017年11月20日 14時0分配信
スカート内の盗撮なので被害者と加害者が誰であっても同様の声は出てくると思いますが、「気持ち悪い」という声が強調されているのは教頭まで務めた経験がある61歳教諭が小学2年生の女子児童を、というところからなのでしょうか。
「2年生を1人ずつ教室に呼んで九九を暗唱させる」という状況に対して「タブレット端末には数分の動画が数本保存」とされていることから、ある程度対象を吟味していたのではとも窺えるので、そう考えるとより気持ち悪さが増すかもしれません。
机を挟んで向き合って座り九九の暗唱をさせているところを机の下から盗撮したという手口とのことで、同様のことをスマホでやってもバレているケースがあるのに、よりサイズが大きいと思われるタブレット端末を机の下でモゾモゾやって不審に思われないわけがないだろうと感じるところです。
小2の女子児童ならスカート内の盗撮被害という概念がまだ無いとでも考えていたのかもしれません。
なお、他の報道では市教委が迷惑防止条例違反の疑いで警察署に連絡したとされていますが、長崎県の迷惑防止条例では盗撮を規制する場所が公共の場所に限られているので、迷惑防止条例違反では事件化されないのではとも考えられます。
長崎県 迷惑行為等防止条例 第3条
- 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること。
- 衣服等で覆われている人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること。
- 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗っている人に対し、みだりに、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を使用して、衣服等を透かして見る方法により、衣服等で覆われている人の下着又は身体の映像を見、又は撮影してはならない。
何人も、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所に当該状態でいる人の姿態を、みだりに、のぞき見し、又は撮影してはならない。
小学校の教室内は公共の場所ではないと思われますので、事件化されても建造物侵入あるいは軽犯罪法違反に留まるのかもしれません。
女子トイレで女児を盗撮 カメラ24台を所有
新潟県警の燕署と少年課、子供女性安全対策課は21日午前8時15分、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反(児童ポルノの製造)の疑いで燕市に住む男を逮捕した。
逮捕されたのは燕市分水桜町1、美術商の容疑者(62)。容疑者はことし6月25日ころから9月23日ころまでの間、前後7回にわたり新潟市内の店舗のトイレ内で10歳代の女児の姿をトイレ内に設置した小型ビデオカメラで動画で盗撮し、所有するハードディスク内に撮影した動画を記録させ、児童ポルノを製造した。
容疑者は盗撮用と思われる偽装したカメラ24台を所有していた。内訳はタンブラー型15台、壁スイッチ型6台、コンセント型2台、置き時計型1台。押収した動画データには、トイレ内で撮影したと思われる複数の女性が写っている。
10月1日にトイレの中にカメラがあったという女性から警察に相談があり、確認に向かったところすでにカメラは撤去されていたが、その後の捜査で容疑者が浮上した。容疑者は大筋で容疑を認めている。今回は女児1人の盗撮の容疑での逮捕だが、それ以外の盗撮や被害者などをこれから捜査を進める。
容疑者は元燕市職員で、2008年3月末で早期退職。その2、3年後から新潟市西区で美術商を営んでいる。燕市職員だった時代にも同様のことがあったと話す人もいる。
引用元 : ケンオードットコム 2017年11月21日配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
最初に別のニュース記事を流し読みしたときは、たまに見られるカメラ設置型のトイレ内盗撮で、被害者が18歳未満だったことで児童ポルノ禁止法違反となった盗撮事件かと思いましたが、よく確認してみるとそれだけではありませんでした。
まず、盗撮用と思しきカモフラージュカメラを多数所有していた点で、その内訳も掲載されています。事件になったのはトイレ内での盗撮ですが、これだけ揃っているとトイレ以外の他の場所での盗撮も企てていたのではと感じられます。
超小型カメラをわかりにくくカモフラージュカメラして設置するケースもあるところ、タンブラー型やコンセント型、置き時計型などはじめから別のものを装ったカモフラージュカメラを多数用意している辺りはカメラ設置型の盗撮にドップリと浸かっていたことを窺わせる点です。
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次に、「今回は女児1人の盗撮の容疑での逮捕」とされていますが、逮捕容疑としては「ことし6月25日ころから9月23日ころまでの間、前後7回にわたり」「トイレ内で10歳代の女児」を盗撮して児童ポルノを製造、となっていることから1人の女子児童を狙っていたのではと思われる点です。
押収したデータに他の被害者の姿を記録したものも含まれていることからこの女子児童のみを狙っていたわけではないようですが、ターゲットを決めずにトイレ盗撮に及んでいただけなら7回も同じ女子児童が被害に遭うことは普通は無いでしょう。
また、「燕市職員だった時代にも同様のことがあった」とのことから、当時事件化されていたのか定かではないものの過去にも盗撮でトラブルを起こしていたのではとも見られます。
最初に触れたカモフラージュカメラの所持点数を見ても盗撮への執念は並々ならぬものがあると感じられますが、児童ポルノ製造の罪が軽くない点に加えて押収したデータの調べなどから余罪の裏付けも進むと見られますので今後厳しい罰が待っているのではないでしょうか。
千葉県警巡査部長が盗撮 子ども女性課 容疑で書類送検 「成功時の高揚感忘れられず」
10代女性のスカート内を動画撮影したとして、千葉県警が子ども女性安全対策課に勤務していた男性巡査部長(45)を、県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、千葉地検に書類送検していたことが21日、県警への取材で分かった。県警は9日付で減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とし、巡査部長は同日付で依願退職した。
書類送検容疑は9月14日午後9時ごろ、船橋市内の駅エスカレーターで、前にいた女性のスカート内を、スマートフォンで動画撮影した疑い。
県警によると、スマホ内には20数人分の画像が残っていた。巡査部長は「数年前から興味本位でやった。成功した時の高揚感が忘れられず、やめられなかった」と話したという。
県警監察官室は「治安を守る警察官がこのような事案を起こし、被害者と県民の皆さまに深くおわびする。指導・教養を徹底し、県民の信頼回復に努める」とコメントしている。
引用元 : 千葉日報 2017年11月22日 11時30分配信
「成功した時の高揚感が忘れられず、やめられなかった」というのは盗撮を続けている人なら大なり小なり持っている感覚ではなかろうかと感じます。癖になるとも言われますが、何も盗撮に限った話ではないかもしれません。
子ども女性安全対策課といえば女性への性犯罪事件も取り扱う部署ですが、元から盗撮への興味があったところにたまたま子ども女性安全対策課へ配属されたのか、あるいは盗撮を含む性犯罪に接していく中で暗黒面に落ちたのか、報道で明らかにされることは無いでしょうが経緯はやや気になります。
一方で、盗撮して得たデータをスマホに残し続けていたのは脇が甘いと言うしかありません。不用意に残したままのデータから余罪や常習性などが裏付けられることがあるのは職業柄熟知しているだろうと思われますが、20数人分も残したままだったのは捕まる可能性も考えずに深みにハマり込んでいた証かもしれません。
ちなみに千葉県の迷惑防止条例は、お隣の東京都や神奈川県などの条例と比較すると簡素で、盗撮に的を絞った規定がありません。
千葉県 迷惑防止条例 第3条 第2項
読んでわかるように盗撮以外の行為にも適用できる内容になっていますが、千葉県での盗撮は基本的にこの規定で処罰されているようです。
規制対象の行為については曖昧で広く網にかけられるようになっていると考えられる一方、場所については公共の場所に限られているので他の都道府県における条例改正の流れを受け、公共の場所以外での盗撮にも規制が及ぶように今後千葉県でも改正が行われるかもしれません。