先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
女子トイレ侵入容疑の職員逮捕 愛知・日進の介護施設
老人介護施設の女子トイレで盗撮しようとしたとして愛知県警愛知署は26日、同県日進市梅森町新田、介護施設職員(49)を建造物侵入容疑で逮捕した。
逮捕容疑は、25日午後1時ごろ、勤務先の日進市内の老人介護施設2階の女子トイレに、盗撮用のカメラを設置する目的で侵入したとされる。同署によると、「今までに約20回やった」と容疑を認めているという。
同日午後5時すぎに、女性職員が個室トイレ内の小型カメラを発見した。
引用元 : 毎日新聞 2016年12月26日配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
老人介護施設の女子トイレというのが気になります。施設に入所している女性を狙っていたのでしょうか。
もっとも、この記事内容だと入所女性を狙っていたのか、比較的若いと思われる施設職員を狙っていたのか判然とせず、後者だったのかもしれませんのであまり人の性的嗜好について勘繰るのは控えたいと思います。
建造物侵入のみで迷惑防止条例違反になっていないところを見ると愛知県の条例ではカメラの設置そのものを処罰する規定がないのだろうかと思って確認してみたところ、案の定ありませんでした。
愛知県 迷惑防止条例 第2条
何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、故なく、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
- 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
- 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
- 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる人に対し、故なく、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、人の姿態をのぞき見し、又は撮影し、その他卑わいな言動をしてはならない。
名古屋という大都市を抱えているので厳しい規定があってもよさそうなものですが、やはり盗撮に関する規定については都道府県によってまちまちなのが見えてきます。
伊万里署、盗撮容疑で男逮捕
伊万里署は1日、佐賀県迷惑条例違反(盗撮)の疑いで、長崎県佐世保市の会社員(58)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は1日午後4時55分ごろ、伊万里市内のレンタルビデオ店で20代女性客に近づき、スカート内をデジタルカメラで撮影した疑い。同署によると、カメラのデータからこの女性を盗撮したとみられる動画が確認された。
引用元 : 佐賀新聞 2017年1月3日 9時59分配信
元日早々から盗撮で現行犯逮捕とはなんとも残念な思いがしますが、やってしまったものは仕方ありません。勾留されていれば正月三が日から留置場で過ごしていることになるでしょうか。
前科などがなければ現行犯逮捕されていても警察署へ連れて行かれた後に身柄の拘束が解かれることも十分考えられるので自宅で正月を過ごせたかもしれませんが、被害者の女性もとんだ新年を迎えてしまいました。
現行犯逮捕されたということはたまたま本人か第三者に見つかったか、最初から挙動不審で店員などにマークされていたかだと思いますが、上述した愛知県と同様に佐賀県の迷惑防止条例では盗撮目的でスカート内にカメラを差し向けたり、カメラを設置したりといった準備行為を処罰する規定が存在しないようなので、その場からの逃走に成功していればその後も捕まらなかったかもしれません。
佐賀県 迷惑防止条例 第3条
- 衣服その他身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
- 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラ、携帯電話その他の機器(以下「写真機等」という。)を使用して撮影すること。
- 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、正当な理由がないのに、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所において、当該状態でいる人の姿態を写真機等を使用して撮影してはならない。
条文のひな型でもあるのか、他の自治体の条文を参考にしているのかわかりませんが、言い回しが微妙に違っているだけでほとんど同じ内容になっている自治体が多いようです。