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逮捕後の流れと弁護士活動の実態2 (勾留質問から勾留まで)

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盗撮で逮捕された後の刑事手続き上の実態 (中編)

逮捕された後の一般論としての流れは検索すればいくらでも出てきますが、ここでは盗撮で現行犯逮捕されたケースに焦点を当て、その中での刑事手続きと弁護士活動に具体的に触れてまいります。

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逮捕された後はどうなるのか?

まずは刑事手続きの一般的な流れを以下にまとめておきます。なお、カッコ内の時間または期間は法律で定められているタイムリミットで、この時間内または期間内に次のステップへ進まない場合は釈放されることになります。

前回記事からの続きとなります。

刑事手続きの流れ

  1. 逮捕 (48時間)
  2. 検察官送致、勾留請求 (24時間)
  3. 勾留質問
  4. 勾留 (最長20日間)
  5. 処分決定
  6. 勾留 (概ね2か月前後)
  7. 裁判

今回は3と4について見てまいります。

3. 勾留質問

検察官からの勾留請求を受けた裁判官が、その勾留が本当に必要かどうかを判断するために被疑者に対して質問し、勾留を認めるか却下するか決めます。

それまで相対してきた警察官や検察官は事件の捜査や取り調べを行ういわば敵のような存在だったのに対し、裁判官なら話せばわかって(釈放して)もらえるのではないかと期待してしまうかもしれませんが、それも誤りですのであらかじめ申し上げておきます。

勾留質問といっても何を質問されるかというと、裁判官が粛々と読み上げる被疑事実に対して「意見があるかどうか」を聞かれるだけです。それで勾留質問は終わりです。事件を調べる場ではないのでそれ以外のことを言っても無意味です。

盗撮で現行犯逮捕されていてそれを認めている場合は否認することも特にないので読み上げられた被疑事実を重ねて認めてそれで終わりですが、盗撮で検察官から勾留請求されているほどの事件では「罪証隠滅の恐れがある」ということで勾留が認められることが多いでしょう。

勾留請求の却下率は非常に低く推移しており、一昔前までは全国平均で1%以下、平成26年には3%弱、平成27年では4%弱まで上がってきていますが、それで関係者から驚きが出るほどの低水準です。近年増加傾向にあるとはいえ、およそ9割あまりは検察官の勾留請求がそのまま通っているのが現状です。

ここで勾留請求が却下されて釈放されることが見込まれる場合はそれ以前に警察や検察官の段階で釈放されているケースも多いので、やはりここでも弁護士が意見を出したところで覆るケースは少ないと言えます。

警察や検察官は何が何でも身柄を押さえて可能な限り重い処分にしてやろうと考えているわけではありません。供述内容や前科前歴、スマホやカメラに残されていたデータなどから顕著な常習性や悪質性が見られる場合は自宅のPC等も押さえようと考えるのは当たり前で、そこに収められている可能性のある証拠を削除されないよう勾留を請求します。

その一方、初犯でそういった事情も見られなければ勾留の必要はないという判断で釈放される場合もあります。つまりある程度事件を吟味して判断していますので、検察官から勾留請求されている時点で悪質と見られていると考え、裁判官が却下する期待はあまり持たない方が良いでしょう。

その後刑事収容施設(警察署)へ戻り、勾留請求が却下されれば検察官の釈放指揮書によって釈放され、勾留請求が認められれば勾留状によって勾留請求があった日から10日間の勾留が行われます。

4. 勾留

勾留されている間は警察署の留置場などで寝泊まりしつつ、取り調べの呼び出しなどに随時応じていくことになります。勾留期間は最大10日間ですが、捜査の未了などの理由でさらに最大10日間延長される場合もあります。

盗撮で現行犯逮捕されているようなケースでは詳しく調べることなどほとんどありませんので、取り調べや家宅捜索などで留置場の外に出られるのはせいぜい週に2回程度でしょう。それ以外の時間は留置場の中で1日3回の食事と平日30分程度の運動、面会あるいは施設に備え付けられた本や差し入れられた本を読んだり寝ることくらいしかできることがありません。

また、勾留されている期間の中で1回か2回程度は検察官からの取り調べが出てくるので、その際は逮捕後に検察官送致されたときのように検察庁へ送られます。やはり盗撮事件くらいでは30分から1時間程度の簡単な取り調べで終わりますが、他に送られてきている被疑者の取り調べがすべて終わるまで待ち続ける苦痛な時間を過ごさなければなりません。

弁護士の活動としてはここからより本格的になり、実際に被害者への謝罪を行ったり示談交渉を行ったりすることになってきます。勾留期限というタイムリミットがあり、土日祝日は動かない場合もあるので残されている時間はそれほど長くありません。

盗撮専門、性犯罪専門と謳っている弁護士のウェブサイトでは示談の成功率などが大きく掲げられていたりしますが、実際の示談交渉はそれほど甘いものではありません。

被害者の連絡先は通常わかりませんし、わかっていても直接連絡すると不利になる場合もあるので弁護士から検察官を通して被害者側に謝罪や示談の要望を伝えることになりますが、まず検察官からの伝え方一つで被害者側が受ける印象が大きく変わります。

「示談したいと言ってますがどうしますか?」と伝えられるのと、「弁護士を通して謝罪したいと言ってます。話だけでも聞いてみてはどうですか?」と伝えられるのとでは明らかに後者のように言ってもらった方が良いですが、この伝え方に対して口は出せませんし、前者のように事務的に進める検察官も多くいます。もちろん示談させないように悪く伝えられる場合もあるでしょう。

また、被害者が未成年だったりする場合は親御さんと被害者本人がいずれも首を縦に振らないと会うことすらできません。この場合、まず親御さんに連絡することになりますがそこで拒否されれば終わりですし、親御さんはクリアしても被害者本人が拒否して終わるケースも往々にしてあります。

相手があることなので金を出せばOKとなるほど甘くはありません。この勾留期間内に示談を成立させられるかどうかでその後の処分も弁護士の存在意義も大きく変わってきますが、弁護士のウェブサイトで語られているほど期待通りには進まないケースもありますので、金を出せば示談できるとは考えないようにした方が良いでしょう。

ここまでのまとめ

勾留請求されてから実際に勾留が決定した後の流れまで追ってまいりました。勾留が決定するまでは最長でも72時間という短期間だったのに対し、その後の勾留期間は最長で20日間あるので非常に長く感じられるかもしれませんが、ここで焦点になる示談交渉はとなると意外に時間が足らないものです。

もしかすると勾留延長されずに10日間で終わってしまうかもしれませんし、示談交渉の相手方となる被害者も日常生活を送った上で対応することになるのでいつでも時間が取れるわけではありません。勾留されて結果を待つ以外何もしない日々ではヤキモキするかもしれませんが、示談できて当たり前と期待しすぎないよう留意しておくことが必要です。

 

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