常習化した場合に捕まる確率について
こちらの記事で盗撮の再犯状況とその要因について触れましたが、今回は常習化している場合に捕まる確率などについて考えていきたいと思います。
何度も繰り返していると捕まる確率は意外と高い
こちらの記事で掲載している平成27年版犯罪白書で盗撮型として類型された者に性犯罪前科がある割合は28.6%とされており、その性犯罪前科も盗撮による迷惑防止条例違反が多いことが示されていますが、この3割程度の盗撮再犯者においては常習化していたケースが多いと見られます。
残りの7割前後に限らず盗撮で捕まっても大半の人は取り調べや留置場での生活、信用の喪失などに懲りて止めていると思われますが、場所や運の問題、盗撮のやり方の問題などに転嫁して再犯に及んでしまうのは往々にして常習者であろうと考えます。
盗撮の方法が巧妙化するなどして元々見つかりにくくなっていた常習者だからこそ「次は大丈夫」「この方法なら大丈夫」などと考えてしまいがちですが、物理的に見つかる余地のある方法である限り、確率的には何度も繰り返していればいずれ捕まることは避けがたいものです。
最近ではソーシャルゲームのガチャ確率の件などで目にすることもある計算を当てはめてみると、1回盗撮して捕まる確率が1%だとしても100回繰り返したときに捕まっていない確率は約36.6%となります。まずこの1%というの数字が高いか低いかという議論もあり、盗撮の方法や現場の状況などによっても増減するでしょうが、1%というのはそれほど突拍子な数字ではないでしょう。
少し具体化した例に置き換えると、盗撮を1日当たり1回で週に2日行ったとすると1年間でだいたい100回になりますが、この1年間が経過したときには10人中6人か7人は捕まっていることになります。
常習者ともなると1日当たり1回ということもないので仮に5回とし、1回盗撮して捕まる確率を暫定的に0.1%としても上記頻度で1年経過後に捕まっていない確率は約60.6%です。99.9%捕まらないと聞くとほぼ安全のようにも感じられますが、確率上はそれを500回繰り返せば10人のうち4人前後は捕まることになります。
「交通事故」は避けがたい
特に常習者においては上述した計算がイマイチピンと来ない場合もあるでしょう。「より見つかりにくい方法や状況を吟味すれば確率は下げられる」といったような意見も出てくると思われるところ、確かにその意見自体は誤っていないかもしれません。
しかし、公共の場所で盗撮を行う限り「交通事故」は避けがたいものです。たまたま非番や通勤途中だった目ざとい警察官に見つけられるかもしれませんし、いわゆる「同業者」に遭遇して「売られる」可能性もあります。一緒に買い物に来て少し離れた場所から娘を見守っていた父親が気づくケースもあるでしょう。もちろんこれらのケースが即逮捕につながるわけではありませんが、自分の知らないところで通報されたり警備が強化されたりする一方で、常習化しているとその警戒が解かれる前に同じ現場に戻ってくることもあります。
盗撮の方法や場所などをいくら吟味してみてもこういった外部要因はコントロールできないものです。
まとめ
今回の話は、吟味して盗撮する回数を減らせば良いということではなく、ともすれば自分のやり方を過信しがちな「熟練」の盗撮者や再犯者でも何度も繰り返していればいずれは捕まるということに触れました。
盗撮して捕まる確率が1%でも0.1%でも1回でも「当たり」を引いてしまえばそれで終わりです。これまでに捕まった人は「当たり」が早めに来た人、まだ捕まっていない人は「当たり」がまだ来ていないだけと考えましょう。